はじめに:元和食職人が腕を振るう、名古屋市西区の名店「彩はにほへと」
名古屋のラーメンシーンは、伝統的な味から革新的な一杯まで、日々進化を遂げる激戦区です。その中でも、2021年11月のオープン以来、瞬く間にラーメン愛好家たちの心を掴み、行列の絶えない人気店へと駆け上がったのが、今回ご紹介する「らぁ麺・つけ麺 彩はにほへと」です 。
その人気は凄まじく、早くも2号店をオープンさせるなど、その勢いはとどまるところを知りません 。この急速な成功の裏には、明確な理由が存在します。それは、店主が日本料理一筋で道を究めてきた「元和食職人」であるという、他店とは一線を画す出自にあります 。ここでは、ラーメンという枠組みの中に、和食の真髄である「出汁」「バランス」「美しい盛り付け」といった哲学が、見事に注ぎ込まれているのです。
お店は名古屋市西区大野木の閑静な住宅街に位置し、mozoワンダーシティからもほど近い場所にあります 。最寄りの東海交通事業城北線・比良駅からは徒歩13分ほどと少し歩きますが 、その道のりの先に待っている感動を思えば、期待に胸を膨らませる時間として楽しめるはずです。
多くのレビューでは看板メニューの「中華そば(白)」が絶賛されていますが、本記事では、その影に隠れがちながらも、店主の哲学が色濃く反映された逸品、「鶏白湯ラーメン」に焦点を当てて徹底的にレビューします。もちろん、他のメニューや駐車場の情報まで、訪れる前に知りたい情報を網羅した完全ガイドとしてお届けします。

- 愛知在住
- 週1回以上ラーメンを継続中
- 鶏白湯&豚骨好き

評価
『鶏白湯ラーメン』の評価です。
項目 | 評価 | |
---|---|---|
スープ | さらっとした鶏白湯です。 | |
麺 | 麺は普通 | |
トッピング | お膳のような別置きトッピング。 | |
総合 | 高級感あふれる鶏白湯。 |
暖簾をくぐれば別世界。洗練された和モダンな空間
「彩はにほへと」は、よくある雑多なラーメン店のイメージとは全く異なります。まず目を引くのは、一軒家レストランとしての落ち着いた佇まいです 。暖簾をくぐり店内に足を踏み入れると、そこにはまるでモダンな和食割烹のような、洗練された空間が広がっています。
内装は非常におしゃれで清潔感に溢れており、ラーメン店特有の油っぽさや喧騒とは無縁です 。木の温もりを感じるカウンターとテーブル席がバランスよく配置され、落ち着いた照明が心地よい雰囲気を演出しています。この空間作りは、単に「綺麗なお店」というだけでなく、これから提供される料理への期待感を高めるための、計算された演出の一部と言えるでしょう。和食の世界で培われた「おもてなし」の心が、店の隅々にまで行き届いているのを感じます。
このクリーンで洗練された雰囲気は、客層の広さにも繋がっています。口コミでも「女性1人でも入れる」と評されるように、実際に一人で訪れる女性客の姿も珍しくありません 。同時に「ファミリー歓迎」の空気もあり 、老若男女問わず誰もが気兼ねなく食事を楽しめる懐の深さを持っています。これは、従来のラーメン店のイメージを覆し、より多くの人々に自慢の一杯を届けたいという店主の想いの表れなのかもしれません。
席数はカウンター8席、テーブル席が3卓12席の合計20席 。一人で訪れてカウンターから厨房のライブ感を味わうもよし、家族や友人とテーブル席で語らいながら食事を楽しむもよし。様々なシーンに対応できる柔軟なレイアウトも魅力の一つです。さらに、カウンター席には電源が備え付けられているという、現代的な配慮も嬉しいポイントです 。
いざ実食!「鶏白湯ラーメン」の奥深き世界

券売機で「鶏白湯ラーメン」の食券を購入し、席で待つことしばし。運ばれてきたお盆の上には、ラーメンの常識を覆す光景が広がっていました。
この店の最大の特徴とも言えるのが、その提供スタイルです。主役である麺とスープが入った丼の横に、三日月型の美しい器に盛り付けられた具材が、別皿で添えられています 。これは「まずはスープと麺、そのものの味を純粋に楽しんでほしい」という、店主の強いこだわりから生まれた儀式なのです 。このプレゼンテーションだけで、これから始まる食体験が特別なものであることを確信させられます。

スープ:見た目を裏切る、軽やかで複雑な旨味のシンフォニー

まず、レンゲでスープを一口。白濁したその見た目から、濃厚でクリーミーな味わいを想像するかもしれません。しかし、口に含んだ瞬間にその予想は心地よく裏切られます。驚くほど「あっさり」としており、「サラッと」した口当たりなのです 。
しかし、決して味が薄いわけではありません。鶏のまろやかで豊かな旨味を土台としながらも、あるレビューでは「魚介」の風味も感じられたとあります 。これは、鶏白湯のコクと、和食の基本である魚介出汁の繊細な旨味を掛け合わせた、高度なダブルスープの技法が用いられている可能性を示唆しています。重層的でありながら、後味は驚くほどすっきり。塩味のカドもなく、まさに「癖もなくグイグイ飲める」絶妙なバランスです 。
これは、ただ濃さを追求するのではなく、引き算の美学を知る和食職人だからこそ生み出せる、優雅で洗練された鶏白湯スープと言えるでしょう。一杯のスープの中に、複雑な旨味のシンフォニーが奏でられています。
麺:スープと踊る、しなやかな存在感

次に、麺をいただきます。スープの繊細な味わいを邪魔することなく、それでいて確かな存在感を放つ麺です。鶏白湯ラーメンの麺に関する直接的なレビューは少ないものの、ある口コミではつけ麺の麺とは違うタイプで「なかなかでした」と高評価を得ています 。
この上品なスープに合わせるのですから、おそらく加水率を調整した、喉越しの良い中細のストレート麺が採用されているのではないでしょうか。限定メニューでは全粒粉入りの麺が使われていたこともあるようで 、麺の種類にも相当なこだわりが感じられます。中華そばには平打ち麺、つけ麺にはもちもちの中太自家製麺と、メニューごとに最適な麺を使い分ける その姿勢からも、この鶏白湯には専用に設計された麺が使われていると考えるのが自然です。スープを優しく持ち上げ、一体となって口の中へと滑り込んでくる、しなやかで美しい麺です。
具材:一杯の丼を彩る、主役級の名脇役たち


いよいよ、別皿の具材を丼へと移していきます。この具材のラインナップがまた、尋常ではありません。
特筆すべきは、豪華絢爛なチャーシューの饗宴です。あるレビューによれば、なんと「鴨のチャーシュー、鳥のチャーシュー、豚のチャーシュー」の3種が盛り付けられているとのこと 。一つ一つ丁寧に調理されたであろうチャーシューは、それぞれ異なる食感と風味を持ち、ラーメンのトッピングという領域を遥かに超えた、一品料理としての完成度を誇ります。
その他にも、食感の良いメンマ、そして完璧な半熟具合の味玉が脇を固めます 。あるレビュアーが「めちゃめちゃ美味しい肉食ったなーって印象」と語るのも大いに頷けます 。
この具材を一つずつ加えていくことで、最初は純粋だったスープの味わいが、肉の旨味や燻製の香りと混じり合い、刻一刻と表情を変えていきます。食べ進めるごとに丼の中の世界が進化していく、このインタラクティブな体験こそが、「彩はにほへと」の鶏白湯ラーメンの真骨頂です。これはもはや、ラーメンを食べるという行為ではなく、懐石料理における「八寸」のように、様々な味と技を楽しむ芸術鑑賞に近い体験と言えるでしょう。この一杯は、店主の和食職人としての哲学が最も純粋な形で結晶化した、まさに「食べる芸術品」なのです。
味変調味料

鶏白湯だけじゃない!「彩はにほへと」を味わい尽くす他メニュー
鶏白湯ラーメンの奥深さに感動しましたが、「彩はにほへと」の魅力はそれだけにとどまりません。他のメニューもまた、それぞれが主役級の実力を誇ります。
- 看板メニュー:中華そば (白・黒) お店の「イチオシ」として多くの客が注文するのが「中華そば(白)」です 。鶏だしと魚介だしを合わせた塩ベースのスープは、すっきりとしていながらも旨味の層が深く、つるりとした多加水の平打ち麺との相性も抜群です 。一方の「中華そば(黒)」は、醤油の芳醇な香りが際立つ一杯。鶏油がコクを加え、固めの食感の低加水平打ち麺がスープをしっかりと受け止めます 。
- 満足度抜群:濃厚つけ麺 ガッツリと食べたい日には「濃厚つけ麺」がおすすめです。石鍋で提供されるため、「グツグツ」と煮立ったままのつけ汁は最後まで熱々 。濃厚な魚介鶏白湯のつけ汁が、もちもち食感の自家製中太麺によく絡みます 。
- 和食職人の真骨頂:天ぷらと天むす ラーメン店でありながら、本格的な天ぷらが味わえるのもこの店ならでは。揚げたてサクサクの天ぷらは、和食職人としての店主の技術をダイレクトに感じられる逸品です 。また、「えび天むす」が付いたセットも大人気で、多くの客が注文しています 。
- 一期一会:限定麺 「彩はにほへと」は、公式Instagramで告知される限定麺も見逃せません 。冷やし麺や濃厚牡蠣そばなど、季節感を取り入れた独創的な一杯は、訪れるたびに新たな発見と感動を与えてくれます 。
知ればもっと好きになる!お店のこだわりと特徴
料理の味だけでなく、細部にまで宿るこだわりが「彩はにほへと」を特別な存在にしています。
- 一杯を味わい尽くす哲学 繰り返しになりますが、「具材は別盛り」というスタイルは、この店の食体験の根幹をなす哲学です 。スープと麺というラーメンの根源的な要素への自信と、客に最高の状態で味わってほしいという真摯な想いが伝わってきます。
- 味変の魔法:卓上調味料 卓上に置かれた調味料にも、非凡なセンスが光ります。特に注目したいのが「みかん唐辛子」です 。これをスープに加えると、みかんの爽やかな香りがふわっと立ち上り、ピリッとした辛味と共に味わいに新たな次元をもたらします。単なる味変ではなく、一杯のラーメンをコース料理のように楽しませてくれる、遊び心に満ちた仕掛けです。
- 心遣いが嬉しいサービス 注文は入口左手にある券売機で行う、効率的なスタイルです 。また、ランチタイムには半ライスが無料になるという嬉しいサービスも 。こうした細やかな気配りが、店の温かいおもてなしの心を感じさせ、食事の満足度を一層高めてくれます。

【完全ガイド】「彩はにほへと」訪問前に知っておきたいお店情報
最高のラーメン体験のために、訪問前に知っておきたい実用的な情報をまとめました。
混雑度
非常に人気が高く、食事時には行列ができることも珍しくありません。店の前にはウェイティングボード(記名ボード)が設置されていることからも、その人気ぶりがうかがえます 。平日の12時頃でも、運が良ければ待たずに入れることもあるようですが 、基本的には常にお客さんで賑わっていると考えてよいでしょう 。待ち時間を避けたい場合は、平日の開店直後(11時)や、ランチのピークを過ぎた13時半以降を狙うのが賢明です。
席
カウンター8席、テーブル12席の合計20席です 。一人や二人での訪問はもちろん、家族連れなどの小グループにも対応可能ですが、大人数での訪問にはあまり向いていません。
清潔感
店内は隅々まで清掃が行き届いており、非常に清潔でスタイリッシュな空間です 。女性や家族連れでも安心して利用できる、心地よい環境が保たれています。
駐車場
車での訪問を考えている方にとって、駐車場情報は非常に重要です。安心してください、駐車場は完備されています 。ただし、少し特殊なので注意が必要です。お店の前にある駐車場は隣のうどん店との共同駐車場です。それに加えて、
店舗の裏手にも3台分の専用駐車場が確保されています 。店の前が満車でも諦めずに、裏手を確認してみてください。

支払い方法
これは最も重要な注意点の一つです。支払い方法は現金のみです 。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済は一切利用できません。訪問の際は、必ず現金を準備していくようにしましょう。
店舗情報サマリー
項目 | 詳細 | 根拠 |
店名 | らぁ麺・つけ麺 彩はにほへと | |
住所 | 愛知県名古屋市西区大野木5-6 | |
アクセス | 東海交通事業城北線 比良駅 徒歩約13分 名古屋市営バス 大野木4丁目バス停 徒歩2分 | |
営業時間 | 11:00 – 14:30 / 17:00 – 21:30 | |
定休日 | 水曜日 | |
席数 | 20席 (カウンター8席、テーブル12席) | |
駐車場 | 有り (店舗前共同駐車場、店舗裏に3台) | |
支払い方法 | 現金のみ | |
予約 | 予約不可 | |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 | |
公式情報 |
まとめ:一杯のラーメンに込められた和食の魂
名古屋市西区に佇む「彩はにほへと」。そこは、単に空腹を満たすためのラーメン店ではありませんでした。洗練された和モダンの空間、細部にまで行き届いたおもてなし、そして何よりも、一杯の丼の中に和食の哲学と技術を凝縮させた、芸術的なラーメン。今回いただいた「鶏白湯ラーメン」は、見た目を裏切る軽やかさと、幾重にも重なる複雑な旨味が見事に両立した、忘れられない一杯でした。
この店は、元和食職人である店主が、ラーメンというキャンバスに自身の料理人としての魂を表現する場所です。具材を別盛りにするこだわりから、独創的な卓上調味料に至るまで、すべてが「最高の味を最高の状態で楽しんでほしい」という一貫した哲学に基づいています。
ラーメンをこよなく愛する方はもちろん、普段あまりラーメンを食べないという方にこそ、ぜひ訪れてほしい名店です。そこには、単なる食事を超えた、一つの物語を味わうかのような、豊かで感動的な食体験が待っています。「彩はにほへと」の一杯は、あなたのラーメン観を根底から覆す、特別な力を持っているのですから。
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