「新NISAも始まったし、株式投資に興味があるけど、どんな銘柄に注目すればいいんだろう?」 「安定した配当をもらいつつ、将来の値上がりも期待できるような企業ってないかな?」
そんなふうに考えている方も多いのではないでしょうか。
近年の日本市場では、東京証券取引所が企業に対して株価や資本コストを意識した経営を促しており、株主への還元を強化する動きが活発になっています 。この流れは、私たち個人投資家にとって大きなチャンスと言えるかもしれません。
しかし、ただ配当利回りが高いというだけで銘柄を選ぶのは少し危険も伴います。
そこでこの記事では、以下の4つの厳しい基準で分析し、2025年6月時点で特に注目すべきと考えられる3つの企業について、その魅力と特徴を分かりやすく解説します。
- 高配当: 魅力的な配当利回りを提供しているか
- 連続増配: 長期間にわたり配当を増やし続けている実績があるか
- 成長性: 今後の事業成長と株価上昇が期待できるか
- 割安感: 企業価値に対して現在の株価が割安な水準にあるか
高配当株好き30代・2児父親・サラリーマンのリアルな日本株探索&購入情報をお届けします。
【重要】 本記事は、特定の銘柄への投資を推奨するものではなく、あくまで情報提供を目的としています。紹介する企業は特定の基準に基づいて選定されたものですが、その将来の株価を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
なぜ今「高配当・連続増配・割安」株が魅力的なのか?

株式投資の利益には、配当金などを受け取る「インカムゲイン」と、株価が上昇した際に売却して得る「キャピタルゲイン」の2種類があります。今回注目する4つの要素は、この両方をバランス良く狙うための重要な視点となります。
- 高配当: 定期的なインカムゲインの源泉となります。
- 連続増配: 企業が安定して成長し、株主を大切にしている証です。配当が増え続ければ、将来のインカムゲインも増えていきます 。
- 成長性: 将来のキャピタルゲイン(値上がり益)の源泉です。
- 割安感: 現在の株価が企業の本質的な価値より安ければ、将来的に株価が適正な水準まで上昇する可能性があり、大きなキャピタルゲインが期待できます。
特に、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割れている企業は、市場からその企業が持つ純資産以下の価値で評価されていることを意味し、「割安」である一つの目安とされます。現在、東証はPBR1倍割れの企業に改善を促しており、これに応えて株主還元を強化する企業が増えています 。この動きは、割安株が再評価される大きなきっかけとなる可能性があります。
【2025年注目】厳選3銘柄を徹底解説!

それでは、上記の4つの基準を高いレベルで満たすと考えられる、注目の3社を見ていきましょう。金融、不動産、化学と、それぞれ異なる分野で独自の強みを持つ企業です。
【8593】三菱HCキャピタル:27期連続増配予定!安定と成長を両立するリース業界の巨人
どんな会社?
三菱HCキャピタルは、三菱UFJリースと日立キャピタルが統合して誕生した、総合リース業界のリーディングカンパニーです 。単にモノを貸すだけでなく、物流、航空、不動産、環境・エネルギーといった幅広い分野で事業を展開しています 。三菱グループという強力なバックボーンも、安定した経営基盤の源泉です。
ここがスゴい!注目ポイント
- 驚異的な連続増配記録: なんと27期連続での増配を計画中 。これは、どんな経済状況でも利益を出し、株主に還元し続けてきた信頼の証です。
- PBR1倍割れの割安感: これほどの実績がありながら、PBRは0.85倍と1倍を割り込んでおり、株価が割安な水準にある可能性を示唆しています 。
- 未来への成長戦略: EV普及支援や再生可能エネルギー、企業のDX推進など、未来の社会課題解決に繋がる成長分野へ積極的に投資しています 。
知っておきたいリスク
金融・リース事業は、金利の変動や世界経済の動向に影響を受けやすい側面があります。
【3231】野村不動産ホールディングス:株主還元強化で再評価なるか?不動産大手
どんな会社?
「PROUD(プラウド)」ブランドのマンションで知られる、日本を代表する総合不動産デベロッパーです。近年は住宅だけでなく、需要が拡大する物流施設「Landport」の開発や、大規模な都市再開発にも力を入れています 。
ここがスゴい!注目ポイント
- 株主還元の新ステージ「DOE」導入: 従来の「配当性向」よりも安定した配当が期待できる**DOE(自己資本配当率)**を導入 。これは、株主への還元をより重視するという経営陣の強い意志の表れと見ることができます。
- 14期連続増配予定の実績: 13期連続で配当を増やしており、14期目の増配も計画されています 。
- PBR1倍回復への期待: PBRが1倍近辺にあり、東証の要請も背景に、企業価値向上への取り組みが株価の再評価に繋がることが期待されます 。
知っておきたいリスク
不動産事業は、金利の上昇や景気後退の影響を受ける可能性があります。また、積極的な事業展開に伴い、有利子負債が増加している点も注視が必要です 。
【4272】日本化薬:業績V字回復!40年超の非減配が光る実力派化学メーカー
どんな会社?
100年以上の歴史を持つ総合化学メーカー。半導体材料などの「機能化学品」、抗がん剤などを扱う「医薬」、そしてエアバッグの基幹部品であるインフレーターで世界トップクラスのシェアを誇る「セイフティシステムズ」という3つの柱を持っています 。
ここがスゴい!注目ポイント
- 劇的な業績回復と大幅増配: 2025年3月期の経常利益が前期比で約2.9倍になる見込みと発表し、それに伴い配当も前期から33%の大幅増を計画しています 。
- 40年超「減配なし」の驚異的な安定性: 40年以上にわたり一度も減配していないという実績は、経営の安定性と株主への誠実な姿勢を物語っています 。
- PBR1倍割れのディープバリュー: 業績が急回復しているにもかかわらず、PBRは0.84倍と依然として割安な水準にあります 。市場がこの変化をまだ十分に織り込んでいない可能性があり、今後の再評価が期待されます。
知っておきたいリスク
事業の柱である自動車や半導体業界は、景気循環の影響を受けやすいという特徴があります。
まとめ:特徴の異なる3社から学ぶ銘柄分析の視点

今回ご紹介した3社は、それぞれ異なる魅力を持っています。
- 三菱HCキャピタル: 27期連続増配という「質の高さ」とPBR1倍割れの「割安さ」を兼ね備えた**「クオリティ・バリュー株」**。
- 野村不動産HD: DOE導入という具体的な株主還元策が、PBR1倍回復への強力なカタリストとなりうる**「再評価期待株」**。
- 日本化薬: 劇的な業績回復と大幅増配が、市場の認識を変える転換点になる可能性を秘めた**「ディープバリュー株」**。
これらの企業を分析することで、「連続増配の実績」「PBRなどの株価指標」「DOE導入のような経営方針の変更」など、銘柄を多角的に見るためのヒントが得られるかもしれません。
最後に(免責事項)
本記事は、2025年6月28日時点で入手可能な情報に基づき作成されています。市場の状況や企業の業績は常に変化します。
株式投資には、元本割れを含むリスクが伴います。この記事で紹介した情報が、将来の株価の上昇を保証するものではありません。実際の投資にあたっては、ご自身で企業の公式発表(決算短信や有価証券報告書など)をご確認いただき、ご自身の投資方針やリスク許容度を踏まえた上で、慎重にご判断ください。
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