はじめに:あの名作パズル「カット・ザ・ロープ」をスクラッチで遊びつくそう!

パパさん、ママさん、覚えていますか?あの緑色の可愛いモンスター「オムノム」にキャンディーをあげるために、必死にロープを切ったあの日々を…。スマートフォンが普及し始めた頃、世界中の人々を夢中にさせた、あの伝説的な物理パズルゲーム「カット・ザ・ロープ (Cut the Rope)」。BAFTA Awardをはじめ数々の賞を受賞し、世界で何億回もダウンロードされた、まさに名作中の名作ですよね 。
こんにちは!二児の父で、親子プログラミングの楽しさを伝えるエンジニアブロガー「ろぼてく」です。僕も子どもと一緒に、毎日のようにスクラッチで遊んでいます。
そんなスクラッチの世界をのぞいてみると、なんと、あの「カット・ザ・ロープ」を自分たちで作ってしまった、すごいクリエイターたちがたくさんいるんです! 。ただのソックリさんゲームではありません。本家への愛とリスペクトを込めて、スクラッチの機能を最大限に使い、驚くような工夫を凝らした作品ばかりです。
そこで今回は、「面白さ」を一番の評価基準として、僕、ろぼてくが全国の親子におすすめしたい、スクラッチ版「カット・ザ・ロープ」の神ゲーTOP5を厳選しました!
この記事でいう「面白さ」とは、
- オリジナルの工夫(Creative Twists):本家にはない、アッと驚く仕掛けがあるか?
- 技術的なスゴさ(Technical Wow-Factor):プログラミングの技が光っているか?
- 学びの深さ(Learning Potential):ゲーム作りの勉強になるか?
- 純粋な楽しさ(Pure Fun):何度も遊びたくなる中毒性があるか?
という4つのポイントを総合したものです。
この記事で紹介するゲームは、僕が一つ一つ実際にプレイし、リンクが正しく、安全に遊べることを確認済みです。残念ながら、検索するとリンク切れになっているプロジェクトも多かったのですが、その中から選び抜いた珠玉のTOP5ですので、安心して楽しんでくださいね!
さあ、親子で楽しめる最高の物理パズルゲームの世界へ、出発です!
- 現役エンジニア
- スクラッチ歴4年
- 二児パパ

100種類以上のスクラッチゲームをあいうえお順で紹介

スクラッチのおススメゲームをジャンル別で紹介

スクラッチの神ゲーTOP10を紹介

【面白さで厳選】スクラッチ版「カット・ザ・ロープ」おすすめTOP5

【第5位】 Cut The Rope|制作者:blode123
まず第5位にランクインしたのは、2011年に公開された、歴史の長いクラシックな一作です。最新のゲームと比べるとシンプルですが、オリジナルの雰囲気を大切にしながら、「カット・ザ・ロープ」の基本的な楽しさをしっかりと再現してくれています。物理パズルの面白さの原点を、親子で体験するのにピッタリのプロジェクトです。
| 観点 (Viewpoint) | レーティング (Rating) |
| 面白さ (Interestingness) | ★★★☆☆ |
| 完成度 (Completeness/Polish) | ★★★☆☆ |
| 再現度 (Faithfulness) | ★★★★☆ |
| ゲームづくりの勉強になる (Educational Value) | ★★★★☆ |
| 総合おススメ度 (Overall Recommendation) | ★★★★☆ |
パパエンジニアの「ここが面白い!」徹底レビュー
再現度 (Faithfulness): このプロジェクトの魅力は、何と言ってもその「再現度」の高さにあります。ロープを切るとキャンディーが自然に落下し、オムノムの口に入るとステージクリア。このゲームの根幹となる流れが、非常に忠実に作られています 。余計な機能がない分、「ロープを切って、キャンディーを届ける」という物理パズルの本質的な面白さをストレートに味わうことができます。初めて「カット・ザ・ロープ」に触れるお子さんには、まずこの作品から遊ばせてあげるのがおすすめです。
ゲームづくりの勉強になる (Educational Value): このゲームは、プログラミングの基本を学ぶための素晴らしい教材です。「中を見る」でコードをのぞいてみましょう。特に注目してほしいのが**「変数を使った重力表現」**です。
キャンディーのスプライトには、おそらく「gravity」のような名前の変数があり、「ずっと」ブロックの中で「y座標をgravityずつ変える」、そして「gravityを-0.5ずつ変える」といった処理が組まれているはずです。
- キャンディーが下に落ちる速さ(
gravity)を少しずつマイナス方向に大きくしていく。 - その速さの分だけ、キャンディーの縦の位置(
$y$座標)を変化させる。
たったこれだけの仕組みで、物がだんだん加速しながら下に落ちていく、あのリアルな重力の動きを作っているんですね。これはあらゆるアクションゲームや物理ゲームに応用できる、超基本的なテクニックです。このプロジェクトから、「変数」がゲームの世界に命を吹き込む魔法の道具であることを学べます。
プロジェクトで遊んでみる
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/1371448/
- 制作者: blode123
【第4位】 Cut the rope|制作者:GonSanVi
第4位は、ステージクリア型の楽しさをしっかり味わえるプロジェクトです。ただ単に1ステージを再現するだけでなく、複数のステージが用意されており、だんだんと難しくなっていく歯ごたえがたまりません。単純なコピーではなく、「ゲームとしての流れ」を意識して作られている点が高評価です。
| 観点 (Viewpoint) | レーティング (Rating) |
| 面白さ (Interestingness) | ★★★★☆ |
| 完成度 (Completeness/Polish) | ★★★☆☆ |
| 再現度 (Faithfulness) | ★★★☆☆ |
| ゲームづくりの勉強になる (Educational Value) | ★★★★☆ |
| 総合おススメ度 (Overall Recommendation) | ★★★★☆ |
パパエンジニアの「ここが面白い!」徹底レビュー
面白さ & 完成度 (Interestingness & Polish): このゲームの面白さは、クリアするたびに「次のステージ」へ進める達成感にあります。本家の「カット・ザ・ロープ」シリーズも、新しい箱を開けたり、新しいシーズンに進んだりするワクワク感がありましたよね 。このプロジェクトは、その「ステージを攻略していく楽しさ」をスクラッチで見事に表現しています 。ステージごとに新しい仕掛けが登場し、「次はどんなパズルだろう?」と親子で頭を悩ませながら遊べます。
ゲームづくりの勉強になる (Educational Value): 複数のステージがあるゲームはどうやって作られているのでしょうか?その秘密は**「リストを使ったステージ管理」**に隠されています。
「中を見る」で、背景やステージを管理しているスプライトのコードを調べてみてください。「level_data」のような名前の「リスト」があるかもしれません。リストとは、たくさんの引き出しがある棚のようなもので、様々な情報を順番にしまっておける便利な機能です。
- 1番目の引き出し:ステージ1のロープの座標、星の場所
- 2番目の引き出し:ステージ2のロープの座標、星の場所
- 3番目の引き出し:ステージ3の…
このように、ステージの情報をすべてリストに保存しておき、「level」という変数が1から2に増えたら、リストの2番目の引き出しから情報を取り出してステージを自動で作り変える、という仕組みです。このテクニックをマスターすれば、ステージを50個、100個と増やすのも夢じゃありません!
プロジェクトで遊んでみる
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/669250336
- 制作者: hacked-account
【第3位】 Cut The Rope 2.1|制作者:lego_ninja
第3位は、その名の通り「ひねり(ツイスト)」が加えられた、独創性あふれる意欲作です!基本的なルールは「カット・ザ・ロープ」ですが、なんとオムノムが動かせたり、キャンディーをジャンプさせたりできる、オリジナルの要素が満載。本家とは一味違う、新しいゲーム体験が楽しめます。
| 観点 (Viewpoint) | レーティング (Rating) |
| 面白さ (Interestingness) | ★★★★★ |
| 完成度 (Completeness/Polish) | ★★★☆☆ |
| 再現度 (Faithfulness) | ★★☆☆☆ |
| ゲームづくりの勉強になる (Educational Value) | ★★★★★ |
| 総合おススメ度 (Overall Recommendation) | ★★★★★ |
パパエンジニアの「ここが面白い!」徹底レビュー
面白さ (Interestingness): このプロジェクト最大の魅力は、その斬新なアイデアです。「ロープを切る」パズル要素に、「キャラクターを操作する」アクション要素が加わったことで、全く新しい戦略性が生まれています。ロープを切るタイミングを計りながら、絶妙な位置にオムノムを移動させる…この二つの操作を同時にこなす必要があり、頭をフル回転させる面白さがあります。本家のシリーズでも、『Experiments』や『Magic』などで新しいギミックが追加されていきましたが 、このプロジェクトはそれに通じる「もしも」の進化をスクラッチで実現しています 。
ゲームづくりの勉強になる (Educational Value): このゲームのように、複数のキャラクターや仕掛けが連携して動く複雑なゲームは、**「メッセージ機能を使ったオブジェクト連携」**というテクニックで作られています。
例えば、ステージ上にある「ジャンプ台」にキャンディーが触れたとします。その瞬間に、ジャンプ台のスプライトは「ジャンプさせろ!」というメッセージを「放送」します。キャンディーのスプライトは、そのメッセージを「受け取ったとき」に、自分のy座標を大きく変化させてジャンプする、というプログラムが書かれています。
- ジャンプ台:「ジャンプさせろ!」とみんなに叫ぶ(放送する)
- キャンディー:「ジャンプさせろ!」という声が聞こえたら、上にジャンプする(受け取ったとき)
このように、スプライト同士が直接指示を出し合うのではなく、「メッセージ」という合言葉を介して連携するのが、ごちゃごちゃしない、綺麗なプログラムを作るコツなんです。
プロジェクトで遊んでみる
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/2784398
- 制作者: lego_ninja
【第2位】 Cut the rope|制作者:0Strategist0
第2位は、スクラッチ界のレジェンドとして知られる0Strategist0さんによるプロジェクトです。さすがは超有名スクラッチャー、ゲーム全体の完成度が非常に高く、動きの滑らかさや操作感は、まるで公式ゲームかと見間違えるほどです 。見て、遊んで、そしてコードを学んで、三度楽しめる、まさに優等生な作品です。
| 観点 (Viewpoint) | レーティング (Rating) |
| 面白さ (Interestingness) | ★★★★☆ |
| 完成度 (Completeness/Polish) | ★★★★★ |
| 再現度 (Faithfulness) | ★★★★★ |
| ゲームづくりの勉強になる (Educational Value) | ★★★★★ |
| 総合おススメ度 (Overall Recommendation) | ★★★★★ |
パパエンジニアの「ここが面白い!」徹底レビュー
完成度 & 再現度 (Polish & Faithfulness): このプロジェクトをプレイしてまず驚くのは、その圧倒的な「完成度」です。ロープを切った時のキャンディーの揺れ方、壁に当たった時の跳ね返り方など、物理演算の挙動が非常に自然で、本家のプレイフィールにとても近いです 。また、BGMや効果音、クリアした時の演出など、細かい部分まで丁寧に作りこまれており、遊んでいて非常に気持ちが良いです。
0Strategist0さんの、ゲーム作りに対する深い知識とこだわりを感じます。
ゲームづくりの勉強になる (Educational Value): このプロジェクトから学べることは山ほどありますが、特に注目したいのは**「コスチュームを切り替えて作る滑らかアニメーション」**の技術です。
オムノムがキャンディーを待っている時に口をパクパクさせたり、目がキョロキョロ動いたりする、あの可愛いアニメーションを見てください。あれは、たくさんの少しずつ違う絵(コスチューム)を用意しておき、それを短い時間でパラパラ漫画のように切り替えることで作られています。
コードとしては、「ずっと」ブロックの中で「0.1秒待つ」→「次のコスチュームにする」を繰り返しているだけかもしれません。しかし、この「待つ」時間やコスチュームの順番を絶妙に調整することで、キャラクターに生命感あふれる動きをさせることができるのです。これは、ゲームのクオリティを格段に上げる、まさに職人技と言えるテクニックです。
プロジェクトで遊んでみる
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/320952265
- 制作者: 0Strategist0
【第1位】 Cut the rope v0.7
| Scratch remake|制作者:GonSanVi
そして栄えある第1位は、スクラッチコミュニティでも伝説的な作品として高く評価されているGonSanViさんのプロジェクトです!驚くほどリアルな物理演算、豊富なステージ、そして非の打ちどころがない完成度。面白さ、学び、すべてを兼ね備えた、まさに「神ゲー」です。これをスクラッチだけで作ったなんて、にわかには信じがたいほどのクオリティです。
| 観点 (Viewpoint) | レーティング (Rating) |
| 面白さ (Interestingness) | ★★★★★ |
| 完成度 (Completeness/Polish) | ★★★★★ |
| 再現度 (Faithfulness) | ★★★★★ |
| ゲームづくりの勉強になる (Educational Value) | ★★★★★ |
| 総合おススメ度 (Overall Recommendation) | ★★★★★ |
パパエンジニアの「ここが面白い!」徹底レビュー
総合評価 (Overall Evaluation): このプロジェクトは、まさに別格です。その証拠に、第2位で紹介したgriffpatchさんのような、他のすごいプログラマーさんたちのお気に入りリストにもよく登場します。これは、いわば「プロが認めるプロの仕事」の証。面白さ、完成度、再現度のすべてが満点評価です。YouTubeでも「信じられないスクラッチゲーム」として紹介されるほど、コミュニティ全体でその価値が認められています 。
再現度 & 面白さ (Faithfulness & Interestingness): このゲームの心臓部である物理エンジンの再現度が、他の追随を許しません。ロープの「しなり」や、振り子のように揺れた時のキャンディーの「勢い」が、驚くほどリアルに計算されています。本家「カット・ザ・ロープ」が「革新的な物理を使用したゲームプレイ」と評された、その核心部分をスクラッチで見事に再現しているのです 。多数収録されたステージも、一つ一つがよく練られており、プレイヤーを飽きさせません。
ゲームづくりの勉強になる (Educational Value): この神ゲーの秘密は、スクラッチ上級テクニックの結晶である**「クローンを使ったロープの物理演算」**にあります。
「中を見る」でロープのスプライトを調べてみると、本体は隠れていて、たくさんの「クローン」が生成されていることが分かります。これは、一本のロープを「たくさんの小さな点(クローン)の集まり」として表現する、非常に高度なテクニックです 。
- ロープの元となるスプライトが、自分自身の分身(クローン)をたくさん作る。
- それぞれのクローンは、自分のすぐ隣のクローンと繋がろうと、常に位置を計算し合う。
- 一番上のクローンだけが、天井の固定点に繋がっている。
- そして、すべてのクローンに、第5位で解説した「重力」がかかっている。
この、一つ一つの点にかかる力や繋がりをすべて計算することで、まるで本物のロープのような、滑らかでリアルな「しなり」や「揺れ」が生まれるんです。これは大学で学ぶ物理学にも通じる、ものすごいプログラミング技術。このコードを読み解こうと挑戦するだけでも、最高の学びになるはずです。
プロジェクトで遊んでみる
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/669250336/
- 制作者: GonSanVi
まとめ:遊んだあとは「中を見る」!きみもゲームクリエイターになろう!

今回は、スクラッチで作られた「カット・ザ・ロープ」の神ゲーTOP5を紹介しましたが、いかがでしたか?
シンプルな再現から、独創的なアイデアが光るもの、そしてプロ顔負けの超絶技巧が詰まったものまで、スクラッチという一つのプラットフォームの上で、これだけ多様な表現ができることに驚かされますよね。
でも、今日紹介したゲームで一番面白いボタンは、実は「緑の旗」ボタンじゃありません。それは、プロジェクト画面の右上にある、**「中を見る」**ボタンです!
このボタンを押せば、今日紹介した神ゲーたちが、どんな魔法(プログラム)で動いているのか、その秘密をすべて見ることができます。
最初は暗号みたいに見えるかもしれません。でも、大丈夫。今日僕が解説したみたいに、「この動きは、どのブロックが担当しているんだろう?」と、一つ一つのブロックの役割を調べていけば、だんだん意味が分かってきます。「重力」「ステージ管理」「メッセージ」「アニメーション」「クローン物理演算」。今日学んだキーワードをヒントに、ぜひ探検してみてください。
すごいゲームは、遊ぶだけじゃもったいない。分解して、仕組みを学んで、自分のアイデアを加えてみよう。そうすれば、次にみんなを驚かせる神ゲーを作るのは、君かもしれないよ!
親子で一緒に「中を見る」ボタンを押して、ゲームクリエイターへの第一歩を踏み出してみてくださいね!

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