こんにちは！二児の父で、親子でプログラミングを楽しむためのブログ「おやこプログラミング」を運営しているエンジニアの「ろぼてく」です。
突然ですが、皆さんは『壺男』というゲームを知っていますか？正式名称は『Getting Over It with Bennett Foddy』。ハンマーを巧みに操って、壺に入ったおじさんがひたすら険しい山を登っていく…ただそれだけのゲームです。
しかし、その操作の難しさが尋常ではなく、ほんの少しのミスでスタート地点まで真っ逆さま、なんてことも日常茶飯事。「絶対にクリアしてやる！」という熱い気持ちと、「もう無理だ！」という絶望の間で、多くのプレイヤーの心を折り、そして熱狂させてきた伝説の激ムズゲームなんです。世界中のゲーム実況者が絶叫する様子が、大きな話題になりましたね。
そんなプロのゲーム開発者が作った、再現するだけでも非常に難しいゲームを、なんと、主に小中学生向けのプログラミングツールである『スクラッチ（Scratch）』で再現してしまったスゴイ人たちが世界中にいるんです！
この記事では、現役エンジニアである僕が**「面白さ」を一番の基準に、数あるスクラッチ版『壺男』の中から、特に親子でワイワイ楽しめる作品**や、プログラミング学習のヒントが満載の作品をTOP5形式で厳選して紹介します。
それぞれのゲームの面白さのポイントから、プログラミング学習の観点で「ここを見てほしい！」というエンジニアならではの視点まで、詳しく解説していきます。リンクをクリックすればすぐに遊べるので、ぜひ親子で挑戦してみてください！
この記事を書いた人
ろぼてく
100種類以上のスクラッチゲームをあいうえお順で紹介
ファミプログ
スクラッチ(Scratch)ゲームの遊び場！面白い名作・神ゲーを「あいうえお順」で一挙紹介【永久保存版】 | フ…
はじめに こんにちは！二人の子どもの父親で、現役エンジニアの「ろぼてく」です！ 「スクラッチで何か面白いゲームないかな？」「暇つぶしに遊べる神ゲーを探している！」…
スクラッチのおススメゲームをジャンル別で紹介
ファミプログ
スクラッチ｜おススメの面白いゲーム｜名作・ジャンル別10選 | ファミプログ
【面白いゲームで学ぶ】スクラッチのおすすめ名作10選！現役エンジニアの父親が、遊びながらプログラミングが上達する神ゲーを厳選紹介。作り方のヒントも満載です。
スクラッチの神ゲーTOP10を紹介
ファミプログ
スクラッチの神ゲーTOP10！面白すぎて時間がとける最強ゲームを厳選【小学生も絶対ハマる！】 | ファミプロ…
はじめに：Scratch（スクラッチ）の神ゲー探しの旅へ出発！ みんな、ゲームは好きかな？ もしも、自分だけのゲームを作れたら、すごいと思わない？ 実は、それをカンタンに…
目次
なぜスクラッチで「壺男」を作るのはスゴイのか？（プログラミングの裏側をのぞいてみよう！）
ランキングを発表する前に、少しだけプログラミングの裏側の話をさせてください。「スクラッチで壺男を再現する」ということが、どれだけクリエイティブで凄いことなのかを知ると、これから紹介するゲームがもっと面白く感じられるはずです。
ゲーム作りは、よく料理に例えられます。キャラクターを動かすための「レシピ」や、壁にぶつかった時の「ルール」を、一つ一つコンピュータに教えてあげる作業なんです。『壺男』の場合、特に難しい「調理工程」が3つあります。
1. 物理エンジン（Physics Engine）
「物理エンジン」と聞くと難しそうですが、要は**「このゲームの世界のルールブック」**のことです。
- 重力はどれくらいの強さでかかるの？
- ハンマーを振った時、どれくらいの勢いがつくの？
- ハンマーの先が岩に当たった時、どうやって跳ね返るの？
こうした「現実世界の物理法則」に似たルールを、プログラミングで作り上げる必要があります。本物の『壺男』は、この物理演算が非常にリアルで、「ハンマーの重み」や「岩の硬さ」がプレイヤーに直感的に伝わってきます。
しかし、スクラッチには、こうした複雑な物理法則を自動で計算してくれる便利な機能は備わっていません。クリエイターたちは、「速さ」「角度」「重力」「摩擦」といったたくさんの変数を自分で用意し、ブロックを何十個、何百個と組み合わせて、まるで本物のような「重さ」や「動き」をゼロから作り出しているのです。これは、彼らの驚くべき計算能力と、試行錯誤の賜物です。
2. 当たり判定（Collision Detection）
「当たり判定」とは、**「キャラクターが地面や岩に『ぶつかった！』とコンピュータに判断させる仕組み」**のことです。これが正確でないと、キャラクターが壁をすり抜けたり、何もない空中で止まってしまったりと、ゲームとして成り立ちません。
スクラッチでは、「特定の色に触れたら」という簡単なブロックで当たり判定を作ることができます。しかし、『壺男』のように複雑な地形と、ハンマーの先端だけという小さな点で接触を判断させるには、より高度な技術が求められます。
優れたクリエイターは、キャラクターやハンマーの座標と、地面の座標を常に計算し続けることで、非常に精密な当たり判定を実現しています。この判定のクオリティが、理不尽な落下をなくし、「難しいけど、納得できる」というゲームの面白さに直結するのです。
3. マウス操作への追従（Responding to Mouse Controls）
『壺男』の操作はマウスだけ。このシンプルな操作で、ハンマーを繊細に、そしてダイナミックに動かさなければなりません。
マウスを少し動かしただけで、ハンマーが思った通りになめらかに動く。当たり前に見えて、実はとても難しい技術です。プログラムの内部では、マウスカーソルの位置（x座標とy座標）を常に監視し、そこからキャラクターとハンマーの角度を計算（三角関数という高校で習う数学が使われています！）、そしてハンマーを動かす、という複雑な処理を瞬時に行っています。
この処理が少しでも重かったり、計算が不正確だったりすると、動きがカクカクしたり、思った場所と違う方向にハンマーが動いてしまったりします。スクラッチで、あのなめらかな操作感を実現しているのは、クリエイターの深い知識と工夫の証なのです。
さあ、こうした「凄さ」を頭の片隅に置きながら、いよいよランキングを見ていきましょう！
エンジニアパパが選ぶ！スクラッチ「壺男」面白さランキングTOP5
今回のランキングは、再現度の高さだけでなく、独自性やアイデアの斬新さ、そして何よりも「親子で遊んで笑えるか」という「面白さ」を最優先で評価しました。
今回紹介するプロジェクトは、すべてリンク先をチェックし、きちんと遊べることを確認済みです。ご指摘いただいた「あらまぁ、サーバーが頭を掻いてるよ」のようなリンク切れのものは、今回は別の素晴らしい作品に入れ替えていますので、ご安心ください！
第5位：Getting Over It v1.4
コメント