
こんにちは、二児の父エンジニア、ろぼてくです!
休日に子どもたちとScratchで遊んでいると、ついつい親の僕の方が夢中になってしまうゲームがあります。それが「ボールを落とす」だけの、とってもシンプルなゲームなんです。
ポトン、ポトンと落ちるボール。それがくっついたり、跳ね返ったり…。たったそれだけなのに、気づけば「もう一回!」と親子で時間を忘れてしまいます。
この「ボールを落とす」ゲーム、実はScratchの世界では大きく2つのタイプに分かれています。一つは、上からボールを落として下の障害物に当てる昔ながらの「ドロップザボール」。もう一つは、そこから進化して、落ちてくるフルーツなどをくっつけて大きくしていく、あの大人気「スイカゲーム」のタイプです 。
今回は、この両方のタイプから「面白さ」を一番の基準に、親子で絶対にハマるゲームをTOP5形式でご紹介します!
そして、エンジニアの視点から見ると、これらのゲームにはすごい秘密が隠されています。実は、Scratchには「物理エンジン」という、リアルな物の動きを自動で計算してくれる機能が標準では入っていないんです 。つまり、ボールが自然に落ちたり、フルーツがぷるんと揺れたりする動きは、すべて制作者さんたちがブロックを組み合わせて、ゼロから作り出した「魔法のプログラム」なんです!
この記事では、ゲームの面白さはもちろん、その「魔法のプログラム」の仕組みも【エンジニア父さんののぞき見プログラミング】コーナーで、小学生にも分かるようにこっそり解説していきます。
遊んで楽しい、中身を見て勉強になる。そんな最高の「ドロップザボール」ゲームの世界へ、ようこそ!
- 現役エンジニア
- スクラッチ歴4年
- 二児パパ

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ろぼてくが選ぶ!本当に面白い「ドロップザボール」ゲームTOP5

それでは早速、ランキングの発表です!面白さはもちろん、完成度やプログラミングの勉強になるか、という視点でも評価してみました。
第5位:すべての原点!シンプルさが光る元祖『Drop the Ball』
まずは、すべての基本となるこのゲームから!上からボールをたくさん落として、下に並んでいる数字の書かれたブロックに当てていきます。ブロックの数字が0になると消える、シンプルだけど奥が深い!どこにボールを落とせば効率よくブロックを消せるか、考えるのが楽しいんだ 。
- 制作者: kevin_eleven_1234 さん
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/203422373/
| 評価項目 | レーティング |
| 面白さ | ★★★☆☆ |
| 完成度 | ★★★★☆ |
| 再現度 | ★★★★★ |
| ゲームづくりの勉強になる | ★★★☆☆ |
| 総合おススメ度 | ★★★★☆ |
【エンジニア父さんののぞき見プログラミング】「クローン」と「変数」でボールを無限に生み出す!
このゲームで、どうしてあんなにたくさんのボールを一度に落とせるんだろう?と不思議に思ったかな?答えは「クローン」という魔法のブロックにあります。
マウスをクリックするたびに、ボールのスプライト自身のコピーである「クローン」が作られます。そして、作られたクローンはそれぞれが「y座標を-5ずつ変える」という命令で、重力に引かれるように下に落ちていきます。
下のブロック(ペグ)には、それぞれ「ライフ」という数字を入れるための箱、「変数」が用意されています。ボールが当たるたびに、この変数の数字が1ずつ減っていき、0になったら「隠す」ブロックで消える、という仕組みです。これはどんなゲーム作りにも応用できる、超基本テクニックだよ!
第4位:伝説の始まり!元祖『スイカゲーム』
次はいよいよ、あの大人気「スイカゲーム」のScratch版!この作品がきっかけで、Scratchにたくさんのスイカゲームが生まれた、まさに「伝説の始まり」とも言えるプロジェクトなんだ 。同じフルーツをくっつけて、どんどん大きくしていく。あのワクワク感がScratchで手軽に楽しめます!サイドにスコア画面などがあって見やすいのも特徴です 。
- 制作者: horiyouta さん
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/901021560/
| 評価項目 | レーティング |
| 面白さ | ★★★★☆ |
| 完成度 | ★★★★☆ |
| 再現度 | ★★★★☆ |
| ゲームづくりの勉強になる | ★★★★☆ |
| 総合おススメ度 | ★★★★☆ |
【エンジニア父さんののぞき見プログラミング】「リスト」でたくさんのフルーツを管理しよう!
スイカゲームには、さくらんぼ、いちご、ぶどう…と色々なフルーツが出てくるよね。これをどうやってプログラムで管理しているんだろう?ヒントは「リスト」という、たくさんの引き出しがついたタンスのような機能なんだ 。
このゲームでは、「フルーツの種類」リストが使われています。例えば、リストの1番目には「さくらんぼ」、2番目には「いちご」…というように、進化の順番通りに名前が登録されています。
そして、「もし同じフルーツ(同じコスチューム)同士が触れたら」というプログラムの中で、「自分のコスチューム番号+1」番目のコスチュームに変化させる、という命令を出しているんだ。こうすることで、リストの順番通りにフルーツが進化していく仕組みを簡単に作れるんだね!
第3位:物理演算が神レベル!ぷるぷる動く『Suika Game (watermelon game)』
このスイカゲームは、とにかく動きがスゴい!フルーツがただ落ちるだけじゃなくて、ぷるんと弾んだり、コロコロと転がったり、本物みたいにリアルなんだ。実はこれ、制作者さんがゼロから物理の動きをプログラムした「自作物理エンジン」の賜物。まさに職人技! 。このリアルな動きのせいで、ついつい何度もプレイしてしまう中毒性があります。
- 制作者: jebiminecraft さん
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/907856686/
| 評価項目 | レーティング |
| 面白さ | ★★★★★ |
| 完成度 | ★★★★★ |
| 再現度 | ★★☆☆☆ |
| ゲームづくりの勉強になる | ★★★★★ |
| 総合おススメ度 | ★★★★★ |
【エンジニア父さんののぞき見プログラミング】自作物理エンジンの心臓部「サブステップ」とは?
このゲームのリアルな動きの秘密は、プロのゲームでも使われる「サブステップ」という考え方にあります。パラパラ漫画を想像してみて。めくるスピードが速いと、絵が滑らかに動いて見えるよね?
Scratchのプログラムは、普通1秒間に30回、パラパラ漫画をめくるように動いています。この1回(1フレーム)でフルーツを大きく動かすと、壁をすり抜けたり、ぶつかり方が不自然になったりします。
そこでこの制作者さんは、1フレームの中で、フルーツを動かす計算をさらに何回も(サブステップ)行うようにプログラムしました 。少しずつ動かすことで、フルーツ同士がめり込むのを防ぎ、より正確で自然な衝突や跳ね返りを実現しているのです。これは非常に高度なテクニックで、このゲームの滑らかな動きの核心部分なんだ。
第2位:戦略性が爆上がり!『何を落とすか選べるスイカゲーム』
普通のスイカゲームは、次に落ちてくるフルーツがランダムで決まるから、運の要素も大きいよね。でもこのゲームは、なんと「次に落とすフルーツを自分で選べる」という画期的な機能がついているんだ! 。
「ここにあのフルーツが欲しい!」という願いが叶うから、戦略性が一気にアップして、パズルゲームとしての面白さが倍増しています。運に任せるだけでなく、自分の頭で考えて高得点を狙う楽しさが味わえる、素晴らしいアイデアの作品です。
- 制作者: ta08011 さん
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/930199737/
| 評価項目 | レーティング |
| 面白さ | ★★★★★ |
| 完成度 | ★★★★☆ |
| 再現度 | ★★★★☆ |
| ゲームづくりの勉強になる | ★★★★☆ |
| 総合おススメ度 | ★★★★★ |
【エンジニア父さんののぞき見プログラミング】「キーが押されたとき」ブロックでプレイヤーに選択肢を!
このゲームの「選べる」機能は、「もし(数字の1)キーが押されたなら」というブロックの組み合わせで実現されています。
まず、「次に落ちるフルーツ」の種類番号を入れておくための変数を用意します。普段はこの変数にランダムな数字が入るようになっています。
しかし、もしプレイヤーがキーボードの「1」キーを押したら、この変数に「1(さくらんぼの番号)」を上書きします。「2」キーなら「2(いちごの番号)」を上書きする、といった具合です。あとは、フルーツを落とすプログラムが、この変数の番号を見てコスチュームを変えるだけ。シンプルな仕組みで、ゲームに「戦略」という新しい面白さを加える、見事なプログラミングだね!
第1位:Scratchの限界を超えろ!神の領域『Ball Physics Scroll v0.4』
そして、栄えある第1位は…もはやゲームというより「芸術作品」!Scratch界の神様とも呼ばれるgriffpatchさんの作品です 。
これはスイカゲームではないけれど、ボールの物理的な動き(Physics)をとことん突き詰めたプロジェクト。ボールが坂を転がり、ジャンプし、壁に跳ね返る…。そのすべての動きが、信じられないほど滑らかでリアル 。これぞ「エンジニアリングの塊」。これを見れば、Scratchで何ができるのか、その可能性の限界が広がるはずだ!面白さという点では純粋なゲームに一歩譲るかもしれませんが、その技術的な驚きと感動は、間違いなくNo.1です。
- 制作者: griffpatch さん
- プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/788908450/
| 評価項目 | レーティング |
| 面白さ | ★★★★☆ |
| 完成度 | ★★★★★ |
| 再現度 | ★☆☆☆☆ |
| ゲームづくりの勉強になる | ★★★★★ |
| 総合おススメ度 | ★★★★★ |
【エンジニア父さんののぞき見プログラミング】「変数」だけで作る、重力と摩擦の世界
この神業のような動きも、実は「変数」という数字を入れておく箱を巧みに使って作られています。例えば、gravity(重力)、x-velocity(横方向の速さ)、y-velocity(縦方向の速さ)といった変数を用意するんだ。
プログラムは、常に以下の計算を繰り返しています。
gravity(重力)の変数が、常にy-velocity(縦方向の速さ)をマイナス方向(下向き)に引っ張る。- ボールが床にぶつかると、
y-velocityの向きがプラス(上向き)に反転する。このとき、数字を少しだけ小さくすることで、だんだん跳ねなくなるリアルな動き(摩擦や空気抵抗)を表現している。 - 坂道では、坂の角度を計算して、
gravity(重力)の一部をx-velocity(横方向の速さ)に加えることで、坂を転がり落ちる動きを作っている。
このように、単純な足し算や引き算の繰り返しだけで、まるで本物のような物理法則を作り出しているのです。これこそが、プログラミングの面白さの神髄だね!
遊ぶだけじゃもったいない!自分だけのゲーム作りに挑戦しよう!

ここまで凄いゲームを見てくると、「自分には無理かも…」って思うかもしれない。でも、大丈夫!どんなすごいクリエイターも、最初は「旗が押されたとき、10歩動かす」から始めたんだ。大切なのは、真似して、試して、楽しむこと!
まずは、超簡単な「ボール落とし」から作ってみよう。
- Step1: ボールを準備しよう! スプライトを選ぶボタンから、好きなボールを選んでみよう。背景も好きなものを選んでOK!
- Step2: 上から下に落としてみよう! ボールのスプライトに、「緑の旗が押されたとき」ブロックの下に、「ずっと」ブロックをつけます。その中に「y座標を-5ずつ変える」ブロックを入れてみよう。さあ、旗を押してみて!ボールが下に落ちていくはずだ 。
- Step3: マウスで動かせるようにしよう! ボールが落ちる前に、マウスで位置を決められるようにしよう。「緑の旗が押されたとき」の下に、「(スペース)キーが押されるまで待つ」ブロックを追加します。そして、その前に「ずっと」ブロックを置き、中に「マウスのポインターへ行く」ブロックを入れよう。これで、スペースキーを押すまでボールがマウスについてくるようになったはず!
すごいゲームを見つけたら、ぜひプロジェクトページの「中を見る」ボタンを押してみて。それは、クリエイターの秘密の設計図をのぞかせてもらうようなもの。最高の勉強法だよ!
まとめ – 面白さと学びが、箱の中に詰まってる!

今回は、シンプルな「ドロップザボール」から、奥深い物理演算を使った「スイカゲーム」、そして神業的な技術の結晶まで、様々な「ボールを落とす」ゲームを紹介しました。
どのゲームも、Scratchに用意されている基本的なブロックを、クリエイターさんたちのアイデアと工夫で組み合わせることで作られています。
Scratchは、遊ぶ場所であると同時に、作る場所でもあります。今日紹介したゲームで遊んでみて、「面白い!」と感じたら、ぜひ「自分ならこうするな」を試してみてください。フルーツを動物に変えてみたり、ボールの跳ね返りを大きくしてみたり。その小さな一歩が、未来のすごいゲームクリエイターへの道につながっています。
親子で一緒に、プログラミングの世界を楽しんでいきましょう!
おススメのスクラッチ参考書
私も参考にしているスクラッチ参考書を紹介します。どちらもとてもわかりやすいです。
ろぼてく私の場合は、図書館で借りて試し読みして、分かりやすかったものを購入しています。試し読みは必須です。
手元にずっと置いておき、いつでも参照できるようにすることも重要です。
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