スクラッチ（Scratch）で作られた『テラリア』がすごい！面白いおすすめゲームTOP5【小学生向けプログラミング】

2025 9/08

2025年7月22日 2025年9月8日

はじめに – 君だけの『テラリア』冒険が、ここから始まる！

どこまでも続く地面を掘り進み、キラキラ光るめずらしい宝物を見つけ、自分だけのユニークな世界を組み立てていく…。大人気ゲーム『テラリア』の、あのドキドキするような冒険が大好きだという君に、ひとつ質問です。「もし、あの世界で遊ぶだけじゃなく、その世界が『どうやって作られているか』をのぞき見ることができたら？」「もし、自分自身でそんな世界を作り出せるとしたら？」

実は、そんな夢のような話が本当にあるんです。その魔法をかなえてくれるのが、プログラミングツールの「スクラッチ（Scratch）」です。スクラッチは、まるでブロックを組み立てるように、楽しくゲームやアニメーションを作れる場所。世界中には「スクラッチャー」と呼ばれるすごいクリエイターたちがいて、中にはなんと、あの広大な『テラリア』の世界をスクラッチで再現するという、とてつもない挑戦を成し遂げた人たちがいます。

この記事では、そんなスクラッチで作られた『テラリア』の中から、専門家の目で厳選した、とびっきり「面白い」ゲームのTOP5をランキング形式で紹介します。「面白さ」と言っても、いろいろな種類があります。本家さながらの壮大な冒険が楽しめるもの、短い時間で熱くなれるアクションに特化したもの、そして「どうやって作っているんだろう？」と中身をのぞいてみることが、最高のプログラミングの勉強になるもの。どんな君にもピッタリな作品が、きっと見つかるはずです。

この記事で紹介するゲームは、すべて専門家が実際にプレイして、その面白さとプログラムのすごさをじっくり分析しました。プロジェクトへのリンクもすべて正しくアクセスできることを確認済みです。安心して、君だけの新たな『テラリア』の冒険へと旅立ってください！

リンク

ろぼてく

Switchで人気のテラリアをスクラッチで再現です！

この記事を書いた人

現役エンジニア
スクラッチ歴４年

100種類以上のスクラッチゲームをあいうえお順で紹介

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決定版！スクラッチ『テラリア』面白さランキングTOP5

それでは、いよいよランキングの発表です！ドキドキの第5位から、栄光の第1位まで、カウントダウン形式で見ていきましょう！

【第5位】 Terraria Clicker – クリックが冒険になる！

ゲーム名: Terraria Clicker – BOSS | #games #terraria #clicker
制作者: Terraria__Fan さん
プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/664554805/

分析と面白さのポイント

第5位にランクインしたのは、テラリアの「敵を倒して強くなる」という楽しさを、もっともシンプルで分かりやすい形に凝縮したクリッカーゲームです。クリッカーゲームとは、その名の通り、マウスでクリックするだけで進んでいくゲームのこと。この作品は、プログラミングや難しい操作が初めての人でも、すぐにテラリアの世界観に飛び込める、最高の入り口と言えるでしょう。

ゲームのルールはとても簡単。画面に出てくるスライムなどの敵をクリックするとコインが手に入ります。そのコインを使って、一回のクリックで与えるダメージを増やすアップグレードを購入。どんどん強くなって、さらに手強いボスに挑戦していく…この繰り返しが、なぜかやみつきになるんです。

このゲームの「面白さ」は、自分がどんどん強くなっていく感覚をダイレクトに味わえる点にあります。クリックするたび、アップグレードするたびに、目に見えて敵を倒すスピードが上がっていく。この成長の実感が、プレイヤーを飽きさせません。使われているキャラクターや効果音もテラリアのものなので、ファンならニヤリとしてしまうこと間違いなしです。

ゲームづくりを学ぶ視点

このプロジェクトは、プログラミングの基本がぎっしり詰まった、まさに「生きた教科書」です。

ゲームの心臓部となっているのは、「コインの数」や「攻撃力」といった**「変数」です。変数は、数字や文字を入れておくための「箱」のようなもの。プレイヤーが敵をクリックするという「イベント（きっかけ）」が起こるたびに、「コインの箱の中身を1増やす」という命令が実行されます。そして、アップグレードは「もし、コインが100枚より多かったら、攻撃力の箱の中身を増やす」といった「条件分岐（もし～なら）」**の組み合わせでできています。

このゲームのプログラムを「中を見る」からのぞいてみれば、「操作」「変数」「条件分岐」という、あらゆるゲーム作りの土台となる考え方が、とても分かりやすく使われていることに気づくはずです。プログラミングの第一歩として、これほど最適な教材はありません。

専門家による評価テーブル

観点	レーティング	専門家コメント
面白さ	★★★☆☆	シンプルでわかりやすく、ついつい遊んでしまう中毒性がある。テラリアの雰囲気を手軽に味わえるのが良い。
完成度	★★★☆☆	クリッカーゲームとしてはしっかり作られている。アップグレードやボス戦など、基本的な要素は揃っている。
再現度	★★☆☆☆	テラリアの「冒険」や「建築」の要素はないが、敵キャラやアイテムの雰囲気はうまく再現している。
ゲームづくりの勉強になる	★★★★★	変数、クリックイベント、if文など、プログラミングの超基本が詰まっている。初心者が最初に中身を見るのに最適！
総合おススメ度	★★★☆☆	まずはここから！プログラミングの第一歩として、またテラリアの世界に気軽に触れたい人におすすめ。

【第4位】 Terraria Boss Rush Ver. 1.12 – あの最強ボスに挑戦！

ゲーム名: Terraria Boss Rush Ver. 1.12 (Read Instructions)
制作者: Ol1_The_BOSS さん
プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/80178668/

分析と面白さのポイント

第4位は、テラリアの冒険の中でも、もっともエキサイティングな瞬間である「ボスとの戦い」だけを抜き出して楽しめる、アクションに特化した作品です。広大なワールドの探索やアイテム集めは一旦お休み。プレイヤーは闘技場に放り込まれ、次々と現れる強大なボスたちに、己の腕一本で立ち向かいます。

「クトゥルフのめだま」の突進をかわし、「ウォール・オブ・フレッシュ」の弱点を狙い撃つ…。本家で味わった、あの手に汗握る攻防が、スクラッチ上で見事に再現されています。複雑な攻撃パターンを持つボスたちをスクラッチで動かしていること自体が驚きですが、それを倒した時の達成感は格別です。

このゲームの「面白さ」は、純粋なアクションの腕前が試される「挑戦」そのものにあります。装備を整える過程がない分、ごまかしは効きません。ボスの動きを完璧に見切り、一瞬のスキを突いて攻撃を叩き込む。そんなスリルと達成感を求めるアクションゲーム好きには、たまらない一作です。

ゲームづくりを学ぶ視点

ボス戦は、敵キャラクターを賢く動かす「AI（人工知能）」や、複雑な動きのパターンを作るためのプログラミング技術の宝庫です。

例えば、ボスはただ動き回っているわけではありません。「第1形態」「第2形態」「突進攻撃中」「ダメージを受けている最中」など、さまざまな**「状態」を持っています。制作者は、変数や「メッセージを送る」**ブロックを巧みに使い、これらの状態を切り替えています。

そして、それぞれの状態ごとに、異なる攻撃パターンが用意されています。多くの場合、**「タイマー（時間を計る）」や「乱数（ランダムな数）」**を使って、いつ、どの攻撃を繰り出すかを決めることで、プレイヤーが動きを予測しにくい、手強いボスを生み出しているのです。このプロジェクトを研究すれば、どうすればプレイヤーをハラハラさせられるような、賢くてダイナミックな敵キャラクターを作れるのか、そのヒントをたくさん得られるでしょう。

専門家による評価テーブル

観点	レーティング	専門家コメント
面白さ	★★★★☆	テラリアの醍醐味であるボス戦だけを連続で楽しめる！アクションゲーム好きにはたまらない。
完成度	★★★☆☆	ボスラッシュゲームとして完成しているが、武器や防具の選択肢は限られる。純粋にプレイヤーの腕が試される。
再現度	★★★★☆	ボスの見た目や攻撃パターンがかなり忠実に再現されている。本家へのリスペクトが感じられる。
ゲームづくりの勉強になる	★★★★☆	敵のAI（人工知能）や攻撃パターンの作り方がとても参考になる。「状態管理」という高度なテクニックを学べる。
総合おススメ度	★★★★☆	アクションゲームを作りたい君へ！どうやって手強い敵を作るか、そのヒントが満載のプロジェクト。

【第3位】 Terraria (Stamped) – 世界が生まれる仕組みを知る！

ゲーム名: Terraria (Stamped)
制作者: griffpatch さん
プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/322341152/

分析と面白さのポイント

第3位は、スクラッチ界のレジェンド、griffpatchさんによる技術的な傑作です。この作品は、大規模なスクラッチゲームがどのように作られているかを理解するための、まさに「基本の教科書」と言える存在。ゲームとしての面白さもさることながら、その圧倒的な教育的価値と、他のクリエイターに与えた影響の大きさから、この順位にランクインしました。

このゲームのすごさを語る上で欠かせないのが、「スタンプ」というテクニックです。少し難しい話に聞こえるかもしれませんが、例えるならこうです。「もし、何千個ものブロックで世界を作るとき、一つ一つのブロックを『スプライト（キャラクター）』として置いていったら、ゲームはすぐにカクカクになってしまいます。そこで『スタンプ』は、ハンコを押すように、ブロックの『絵』だけを背景にポンポンと写していくのです。これは、巨大な世界をスクラッチ上でスムーズに動かすための、超天才的な裏ワザなんです」。

このプロジェクトがどれだけ優れているかは、他の多くのクリエイターたちが、これを土台（ベース）にして、新しいアイテムや機能を追加した自分だけの「改造版（MOD）」を作っていることからも分かります。まさに、みんなの創造力を刺激するプラットフォームとなっているのです。プロジェクトページには、何年にもわたる膨大なアップデートの記録が残されており、その情熱と完成度の高さに驚かされます。

ゲームづくりを学ぶ視点

このプロジェクトは、上級者向けのスクラッチプログラミングにおける、もっとも重要な教訓の一つである「パフォーマンスの最適化（ゲームを軽く、速く動かす工夫）」を教えてくれます。

大きなゲームを作ろうとすると、誰もがいつかスクラッチの性能の限界にぶつかります。しかし、griffpatchさんはこの問題に正面から向き合い、「スタンプエンジン」という解決策を生み出しました。

彼がどのようにして、スタンプで描かれた世界を描画し、キャラクターとの当たり判定を行い、そして「リスト」という機能を使って広大なマップの情報を管理しているのかを学ぶことで、プログラミング学習者は、まるで本物のソフトウェアエンジニアのように考える方法を身につけることができます。それは、与えられた制約の中で、どうやって自分の作りたいものを実現するか、という創造的な問題解決能力です。この考え方を学べることは、プログラミングの腕前を大きく飛躍させるきっかけになるでしょう。griffpatchさん自身が、このゲームで使われているワールド生成の仕組みを解説する動画も公開しています。

専門家による評価テーブル

観点	レーティング	専門家コメント
面白さ	★★★★☆	探索や建築の基本的な楽しさは十分。広大なワールドを冒険できるが、一部の機能は発展途上。
完成度	★★★★☆	ゲームの「エンジン」としてはほぼ完璧。膨大なアップデートの歴史がその完成度を物語っている。
再現度	★★★★☆	ワールド生成、昼夜サイクル、基本的な物理演算など、テラリアの核となる部分の再現度は非常に高い。
ゲームづくりの勉強になる	★★★★★	これぞ生きた教科書！「スタンプ」を使った高速描画など、Scratchの限界を超えるテクニックが満載。
総合おススメ度	★★★★☆	「どうやってこんなスゴイゲーム作るの？」その答えがここにある。本気でゲーム作りを学びたい君に。

【第2位】 Terraria v1.0 – 執念の完全再現プロジェクト！

ゲーム名: Terraria v1.0
制作者: scratchfan321 さん
プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/622435399/

分析と面白さのポイント

第2位は、スクラッチで作られたテラリアの中でも、その再現度とコンテンツ量において、まさに金字塔と呼ぶべき作品です。このプロジェクトは、オリジナルの『テラリア』体験を忠実に再現するという点において、頂点に立つものと言えるでしょう。その驚くべき作り込みから、この順位となりました。

scratchfan321さんがこのプロジェクトに詰め込んだ内容は、信じられないほどのボリュームです。これは単なるサンドボックス（砂場）ゲームではありません。なんと、本家テラリアの「ハードモード」突入前のストーリーを、ほぼ丸ごと体験できるのです。森林、ジャングル、不浄の地、地下世界といった複数のバイオーム、ガイドや商人、ナースといったNPCたち、そして「クトゥルフのめだま」「イーターオブワールド」「スケルトロン」という3体のメインボスまでが実装されています。コミュニティの一部では、その複雑さにおいて

griffpatchさんの作品をも超えていると評価されるほどの、すさまじい完成度です。

このプロジェクトには、感動的な背景ストーリーもあります。制作者のscratchfan321さんは、griffpatchさんの作品に深く感銘を受け、この無謀とも思える挑戦に乗り出しました。そして、5ヶ月以上ものコーディング期間を経て、この大作を完成させたのです。その出来栄えには、あの

griffpatchさん自身も「度肝を抜かれた（blown away）」と絶賛のコメントを寄せています。これは、偉大な作品への憧れが、いかにして新たな伝説を生み出すかを示す、素晴らしい物語です。

ゲームづくりを学ぶ視点

このプロジェクトは、複雑に絡み合ったゲームシステムを構築するための、究極のガイドブックです。

『テラリア』は、一つのシステムだけで成り立っているわけではありません。クラフト（アイテム作成）はインベントリ（持ち物）に、インベントリは探索に依存します。NPCの出現は家の建築に、建築はブロックの配置に依存します。ボスの出現はプレイヤーのステータスや特定の条件に依存します。このように、たくさんのシステムが互いに連携しあって、一つの大きなゲームを形作っているのです。

scratchfan321さんは、これらすべての連動する部品を、一つ一つ丁寧にプログラムしました。このプロジェクトのコードをのぞいてみることで、何十ものスプライト、何百もの変数やリストが、互いに情報をやり取りしながら、一つの巨大なゲームとして機能する仕組みを学べます。これは、大規模なプロジェクトをいかにして整理し、組み立てていくかという、プロジェクト設計のお手本そのものです。

専門家による評価テーブル

観点	レーティング	専門家コメント
面白さ	★★★★★	本家テラリアの序盤をほぼそのまま遊べる。このゲームだけで何時間も冒険できるほどのボリューム。
完成度	★★★★★	「完全再現」という言葉がふさわしい驚異の完成度。バグも少なく、安定して遊べる。
再現度	★★★★★	再現度はNo.1。バイオーム、ボス、NPC、アイテム進行まで、本家への愛と執念を感じる。
ゲームづくりの勉強になる	★★★★★	巨大なゲームをどうやって整理し、組み立てていくか。プロジェクト管理のお手本のような作品。
総合おススメ度	★★★★★	「Scratchでここまでできるのか！」と誰もが驚くはず。テラリア好きなら絶対にプレイすべき伝説の作品。

【第1位】 Scratcharia – これぞ最高傑作！楽しさの頂点！

ゲーム名: Scratcharia
制作者: griffpatch さん
プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/46587498/

分析と面白さのポイント

栄えある第1位に輝いたのは、スクラッチ界の王様、griffpatchさんによる『Scratcharia』です！第2位のscratchfan321さんの作品が「忠実な再現度」で勝るなら、この『Scratcharia』は、純粋な「面白さ」で頂点に立ちます。これは、スクラッチ上で最も有名で、最も多くの人にプレイされ、そして最も洗練された『テラリア』体験を提供してくれるプロジェクトです。

このゲームがなぜこれほどまでに面白いのか。その秘密は、触っていて気持ちの良い、完璧なプレイ感覚にあります。キャラクターの操作はスムーズで、毎回ランダムに生成されるワールドは自然で探検欲をかき立てます。そして何より、友達と一緒に遊べるマルチプレイヤー機能まで搭載しているのです。掘る、戦う、作るといったテラリアの核となる要素が、直感的で分かりやすいパッケージに完璧にまとめられています。これは単なる技術デモではありません。それ自体が、一つの本当に面白い「ゲーム」として完成しているのです。

griffpatchさんが「世界No.1スクラッチャー」と呼ばれるのには理由があります。このプロジェクトは、彼の代表作であり、数え切れないほどの他のクリエイターにインスピレーションを与え、「スクラッチでこんなことまで可能なのか」と世界に示した作品です。その知名度と影響力は、他の追随を許しません。

ゲームづくりを学ぶ視点

『Scratcharia』は、単一の技術だけでなく、面白さの根源である「ゲームフィール（触り心地）」や、複雑さと楽しさのバランスを取るアート（芸術）を教えてくれる、総合的な傑作です。

ゲームは、たくさんの機能があっても、遊んでいて楽しくなければ意味がありません。「ゲームフィール」とは、キャラクターのジャンプの気持ちよさ、ブロックを壊した時の音、カメラの滑らかな動きといった、細かい部分の積み重ねで生まれます。

griffpatchさんは、この「ゲームフィール」の達人です。彼はただ機能を実装するだけでなく、それらがプレイヤーにとって「気持ちいい」と感じられるまで、徹底的に磨き上げました。『Scratcharia』を研究することは、スタンプのような特定のテクニックを学ぶだけではありません。プログラム、アート、サウンド、そしてデザインといったすべての要素が、いかにして一つのまとまりのある楽しい体験を生み出すのか、その全体像を学ぶことです。それは、単なるプログラマーから、面白いゲームをデザインする「ゲームデザイナー」へと成長するための、最高のレッスンとなるでしょう。

専門家による評価テーブル

観点	レーティング	専門家コメント
面白さ	★★★★★	操作性、世界の広がり、冒険のワクワク感、すべてが最高レベル。これぞ「面白い」ゲーム。
完成度	★★★★★	シングルプレイからマルチプレイまで、一つのゲームとして非常に高いレベルで完成されている。
再現度	★★★★☆	本家の全てを再現しているわけではないが、テラリアの「魂」とも言える冒険の楽しさを見事に捉えている。
ゲームづくりの勉強になる	★★★★★	プログラムの美しさ、ゲームとしての面白さの作り方、すべてが学べる。全Scraetcherの目標。
総合おススメ度	★★★★★	まさに神ゲー。遊んで楽しく、中身を見て勉強になる。Scratchをやるなら一度は触れるべき最高傑作。

専門家がこっそり教える！すごいゲームの「ひみつ」

ここまで紹介してきたすごいゲームたち。実は、その面白さの裏には、クリエイターたちの知恵と工夫が詰まった「ひみつ」があります。ここでは、その中でも特に重要な2つのひみつを、専門家がこっそり教えちゃいます。

どうやって世界は作られる？「ワールド自動生成」の魔法

ランキング上位のゲームをプレイして、「どうして毎回違う世界で遊べるんだろう？」と不思議に思いませんでしたか？その答えが、「プロシージャル生成（自動生成）」という魔法の技術です。

これをレゴブロックで例えてみましょう。世界を作るのに、一つ一つのブロックを手で置いていくのではなく、「60%の確率で土ブロックを置く」「10%の確率で石ブロックを置く」「洞窟はこんな風に作る」といった「ルール」のセットをあらかじめ作っておきます。そして、ゲームが始まるたびに、コンピューターにそのルールに従って世界を組み立てさせるのです。こうすることで、遊ぶたびに新しい、たった一つの世界が生まれます。これが、『Scratcharia』のようなゲームで無限の冒険が楽しめる理由です。

この技術はとても奥が深いですが、第1位と第3位の制作者であるgriffpatchさんは、このワールド自動生成の基本的な考え方を、自身のYouTubeチャンネルで分かりやすく解説してくれています。まさに「巨匠本人によるレッスン」です。興味が湧いた君は、ぜひこの動画をのぞいてみてください。すごいゲームの裏側にある、もっとすごいアイデアに触れることができます。

みんなで育てる！「リミックス」と「日本語化」の文化

スクラッチには、「リミックス」という素晴らしい機能があります。これは、他の人が作ったゲームやアニメーションを、自分なりに改造して新しい作品を作れる仕組みです。友達のレゴ作品を借りて、自分だけのクールなパーツを付け加えて新しいものを作るようなもの、と言えば分かりやすいでしょうか。

この「リミックス」文化の素晴らしさを示す、最高の例が「日本語化プロジェクト」です。

ランキングで紹介したgriffpatchさんのような海外のクリエイターが作ったすごいゲームは、当然ながら英語で作られています。これでは、日本の小学生には少し遊びにくいかもしれません。そこに現れたのが、yamaguchi03さんという日本のクリエイターです。彼はgriffpatchさんの『Terraria (Stamped)』をリミックスし、操作説明などを日本語に翻訳した『テラリア日本語版』を公開しました。

ゲーム名: テラリア日本語版
制作者: yamaguchi03 さん
プロジェクトリンク: https://scratch.mit.edu/projects/730419998/

これは単なる翻訳ではありません。一人のクリエイターの「もっとみんなにこのゲームを楽しんでほしい」という思いやりが、リミックスという機能を通じて、スクラッチの世界をより良く、より楽しい場所にした、という素晴らしい証なのです。このように、お互いの作品を尊重し、協力し、発展させていく文化こそが、スクラッチの本当の力なのかもしれません。

終わりに – さあ、君もクリエイターになろう！

シンプルなクリッカーゲームから、世界を丸ごと再現したような壮大な冒険まで、スクラッチという一つのプラットフォームの上で、これほどまでに多様で、信じられないほどクオリティの高い『テラリア』が作られていることに、きっと驚いたことでしょう。

しかし、一番伝えたいのはここからです。今日紹介したすべてのゲームには、緑色の旗の隣に「中を見る」というボタンがあります。それこそが、ゲームの裏側にある秘密の設計図、クリエイターの魔法の工房へとつながる扉です。

勇気を出して、そのボタンをクリックしてみてください。ブロックで組まれたプログラムがずらりと並んでいるはずです。最初は全部を理解できなくても大丈夫。ただ眺めているだけでも、すごいゲームがどんな部品でできているのか、少しずつ分かってきます。スライムの色を変えてみる、キャラクターの歩くスピードを少しだけ変えてみる。そんな小さな「いたずら」が、君をクリエイターにするための、偉大な第一歩です。

今日紹介した伝説的なクリエイターたちも、最初は君と同じ初心者でした。たった一つのブロック、たった一つのアイデアから、彼らの冒険は始まったのです。

さあ、今度は君の番だ。君は、どんな世界を創造しますか？