コイズミはどこの国のメーカー?【10年現役エンジニアが扇風機・理美容家電の品質を本音で徹底レビュー】

家電量販店やネットショップで、おしゃれなデザインなのに驚くほど手頃な価格の製品を見かけて、「この『KOIZUMI』ってブランド、実際どうなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

こんにちは、エンジニアブロガーの「ろぼてく」です。

私は10年以上、電気製品の設計と品質保証の仕事に携わってきました。その経験から、製品のスペック表には現れない「見えない部分」—設計者の意図や品質管理のレベル—を読み解くのが得意です。

今回は、多くの人が気になっている家電メーカー「コイズミ」について、扇風機と理美容家電を中心に、プロの視点で徹底的に掘り下げていきます。

この記事を読めば、コイズミがどこの国のメーカーなのかはもちろん、その製品が本当に「買い」なのか、技術的な裏付けを持って判断できるようになりますよ。

この記事を書いた人
  • 電機メーカー勤務
  • エンジニア歴10年以上
  • 品質担当経験あり
ろぼてく

どこの国のメーカー 総まとめ

みんなが気になるあのメーカーの国籍と製品レビューがわかります!100社以上を徹底調査しています!

目次

結論:コイズミはどこの国のメーカーか?

早速、結論からお話しします。コイズミは、日本のメーカーです 

本社は大阪市中央区にあり、その歴史はなんと1716年(享保元年)創業の近江商人にまで遡る、非常に歴史の長い企業グループです 。  

ただし、一口に「コイズミ」と言っても、実は少し複雑な構造になっています。私たちが家電製品で見かける「KOIZUMI」ブランドは、小泉産業株式会社というホールディングカンパニー(持株会社)が率いる企業グループの一員です 。  

このグループ内には、照明器具を専門とする「コイズミ照明株式会社」や、学習机で有名な「コイズミファニテック株式会社」など、事業ごとに専門の子会社が存在します 。  

そして、今回私たちが注目する扇風機やドライヤーといった小型家電製品を企画・製造・販売しているのが、小泉成器(こいずみせいき)株式会社という中核企業なのです 。  

これは非常にスマートな経営戦略です。グループ全体でブランドイメージを共有しつつ、各子会社がそれぞれの分野で専門知識を深めることで、高品質な製品を効率的に開発できるわけです。

私たち消費者にとっては、「コイズミの照明」と「コイズミのドライヤー」では、開発しているチームも会社の文化も少し違う可能性がある、ということを知っておくと面白いかもしれません。この記事では、この小泉成器の製品に絞って、深くレビューしていきます。

結論:エンジニア目線で見て、買うことをおススメできるか?

これも結論から申し上げましょう。

はい、ただし「条件付き」でおススメできます。

コイズミは、**「デザイン性」「気の利いた機能」、そして「圧倒的なコストパフォーマンス」**の3つのバランスを重視する人にとって、非常に賢い選択肢です。

一方で、何十年も使えるような過剰な耐久性や、最高級の素材感を求めるブランドではありません。

エンジニアとして言わせてもらえば、彼らは「製品が使われる期間全体で、どこにコストをかければユーザーの満足度が最も高まるか」という**『最適なコスト配分』**を非常に巧みに行っているメーカーです。この絶妙なバランス感覚こそが、コイズミ製品の最大の魅力であり、私が評価するポイントでもあります。

この点については、後の章で詳しく解説していきますね。

このメーカーのおすすめ製品は?【扇風機&理美容家電】

では、具体的にどんな製品が「買い」なのでしょうか?私が特に注目している「扇風機」と「理美容家電」から、エントリー・ミドルレンジ・ハイエンドの3つのクラスでおすすめモデルを厳選しました。

エンジニアが選ぶ!コイズミおすすめ扇風機モデル

コイズミの扇風機は、手頃な価格帯でも省エネ性能の高いDCモーターを積極的に採用しているのが特徴です 。  

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グレードモデル例主な特徴価格帯の目安私のエンジニアコメント
エントリーKLF-30245/WなどシンプルなACモーター、基本機能  6,000円前後ACモーターは昔ながらの技術ですが、構造がシンプルで壊れにくいのが利点です。DCモーターほどの静音性や細かい風量調整はできませんが、「とにかく安くて丈夫な扇風機が欲しい」というニーズには完璧に応えます。
ミドルレンジKLF-30253DCモーター搭載、9段階風量調節、上部操作パネル  5,500円~9,000円この価格帯でDCモーターを搭載しているのが最大の魅力。静かで電気代も安く、特に「そよ風」のような微風は寝室に最適です。操作部が上にあるのも、腰をかがめずに済む優れたユニバーサルデザインですね。
ハイエンドKLF-30251/Wピタッと首振り、室温センサー  9,000円~14,000円「ピタッと首振り」機能は、特定の範囲だけを狙って風を送れる面白い技術。室温センサーと連動した自動風量調節も、無駄な電力消費を抑える賢い機能です。最新の便利機能を試したい人におすすめです。

エンジニアが唸る!コイズミおすすめ理美容家電

ドライヤーなどの理美容家電は、コイズミの技術力が光る分野です。特に大風量ドライヤー「MONSTER」シリーズは、同社の代名詞ともいえる存在です 。  

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グレードモデル例主な特徴価格帯の目安私のエンジニアコメント
エントリーKHD-93301.9m³/分 大風量、ツインマイナスイオン  3,000円~4,500円驚くべきコストパフォーマンス。この価格で十分な風量とマイナスイオン機能を両立させています。熱すぎない約80℃の温風設計は、髪へのダメージを考慮した堅実な設計思想の表れです 。  
ミドルレンジKHD-W815などMONSTERダブルファン、大風量2.2m³/分、温冷自動切替  7,000円~13,000円コイズミの代名詞「MONSTER」シリーズ。2つのファンで風を増幅させるという発想がユニーク。温冷自動切替は、髪のキューティクルを引き締めてツヤを出すプロのテクニックを自動化したもので、技術的にも理にかなっています。
ハイエンドKHD-W915 / KHD-W995大風量2.4m³/分、デジタル表示、スカルプ機能  14,000円~30,000円最上位モデルは、風量だけでなく制御にもこだわっています。デジタル表示による正確な風量設定や、地肌をいたわる約60℃のスカルプモードなど、速乾性とヘアケアを最高レベルで両立させようという設計者の強い意志を感じます。

このメーカーの製品は「よい製品」か?【技術的視点】

製品の良し悪しは、単なるスペックでは測れません。エンジニアとして私が見るのは、その裏にある**「設計思想」**です。コイズミの製品には、ユーザーの生活を豊かにするための、明確で合理的な思想が貫かれています。

扇風機:静音性と省エネを両立する「DCモーター」へのこだわり

コイズミの扇風機の多く、特にミドルレンジ以上のモデルには「DCモーター」が採用されています 。これは技術的に非常に重要な選択です。  

従来の扇風機に使われていた「ACモーター」が、家庭用の交流電源で直接動くシンプルな構造なのに対し、「DCモーター」は直流電源で動きます。一度、交流を直流に変換する手間がかかりますが、それ以上に大きなメリットがあるのです。

  • 静音性:ACモーターが「ON/OFF」に近い大雑把な制御しかできないのに対し、DCモーターは電圧を細かく制御できるため、モーターの回転を非常に滑らかにできます。これにより、特に弱い風を送るときの運転音が劇的に静かになります。
  • 省エネ性能:DCモーターはACモーターに比べて消費電力が格段に少なく、電気代の節約に繋がります。
  • 細かい風量調節:電圧を細かくコントロールできるため、ACモーターの「弱・中・強」といった段階的な調節ではなく、「そよ風」のような超微風からパワフルな強風まで、多段階で滑らかな風量設定が可能です 。  

また、羽根の枚数を7枚にしているモデルが多いのも特徴です 。流体力学的に、羽根の枚数が多いほど、一つ一つの羽根が生み出す風が細かくなり、全体としてムラのない、より自然に近い柔らかな風になります。  

これらの技術選択から、「寝室で静かに使いたい」「長時間つけっぱなしにしたい」「体に優しい風がいい」といった、現代の消費者のニーズを的確に捉え、それを実現するための最適な技術を選び抜いていることがわかります。

理美容家電:髪を傷めない「大風量・低温風」という哲学

コイズミのドライヤー、特に「MONSTER」シリーズの設計思想は非常に明快です。それは**「髪は熱でなく、風で乾かす」**という哲学です。

多くのメーカーが高温の熱で髪の水分を「蒸発」させて乾かすアプローチを取るのに対し、MONSTERは2つのファンで生み出した圧倒的な大風量で、髪の表面の水分を**「吹き飛ばす」**というアプローチを取っています 。  

なぜこれが重要かというと、髪の主成分であるタンパク質は、高温に晒されると「熱変性」という現象を起こし、硬くなってダメージの原因となるからです。コイズミのドライヤーは、温風温度を80℃程度と、他社製品に比べてやや低めに設定しているモデルが多く、これは熱によるダメージを最小限に抑えようという明確な意図の表れです 。  

この「大風量・低温風」を実現するために開発されたのが、独自の「ダブルファン構造」です。1つ目のファンで大量の空気を取り込み、2つ目のファンでそれを加速・圧縮して放出する。まるでジェットエンジンのようなこの構造は、コンパクトな筐体からパワフルな風を生み出すための、非常にクレバーな技術的解決策と言えるでしょう。

このメーカーの生産地(工場)はどこか?

設計思想が優れていても、それを形にする製造現場がしっかりしていなければ意味がありません。では、コイズミの製品はどこで作られているのでしょうか?

結論から言うと、主な生産地(工場)は中国にあると考えられます。

小泉成器の会社概要を見ると、グループ会社として「小泉成器(香港)有限公司」や「凱基明(深圳)貿商有限公司」といった、香港や深圳に拠点を置く企業名が記載されています 。これは、多くの日本の家電メーカーと同様に、中国の成熟したサプライチェーンと生産能力を活用して、コスト競争力の高い製品を製造していることを示唆しています。  

「なんだ、結局Made in Chinaか…」とがっかりする必要は全くありません。これは現代のグローバルなものづくりにおける、ごく標準的で合理的な戦略です。

重要なのは、**「どこで作っているか」ではなく、「どこの国の基準で品質が管理されているか」**です。そして、その答えは次の章にあります。

設計はどこで行っているか?

コイズミ製品の品質を語る上で最も重要なポイントが、この「設計拠点」です。

製品の企画開発、つまり製品の『頭脳』にあたる部分は、日本国内で行われています。

小泉成器は2022年に東京にR&Dセンターを開設し、そこに商品企画開発部品質管理部を移転させています 。  

これは非常に大きな意味を持ちます。

製品のコンセプト、機能、デザイン、そして「どのくらいの品質基準をクリアすべきか」という製品の根幹をなす最も重要な決定が、日本の専門チームによって行われているという何よりの証拠だからです。海外の工場は、この「日本の設計図」と「日本の品質基準」に基づいて製造を行う、いわば実行部隊なのです。

この「設計は日本、製造は海外」という分業体制こそが、日本の品質基準を満たした製品を、手頃な価格で私たち消費者に届けることを可能にしているのです。

品質は大丈夫か?【品質保証エンジニアとしての評価】

では、品質管理の体制は実際に機能しているのでしょうか?品質保証に10年以上携わってきた私の視点で評価します。

まず、コイズミグループは**「クオリティファースト」という哲学を掲げています 。また、グループ会社であるコイズミ照明は、品質マネジメントシステムの国際規格である  

ISO9001**の認証を取得しており、グループ全体として品質管理に対する高い意識を持っていることが伺えます 。  

ここで、品質を語る上で避けては通れない「リコール情報」にも触れておきましょう。誠実なレビューのためには、良い情報だけでなく、こうした情報も透明性をもって伝えるべきだと私は考えています。

調査したところ、小泉成器は過去に電子レンジ(KRD-0105, KRD-0106)や遠赤電気ストーブ(KKS-1270)でリコール(無償修理や製品回収)を実施しています 。  

これを見て、「やっぱり危ない会社なのかな?」と思うかもしれません。しかし、品質保証のプロから見ると、見方は少し異なります。

大量生産を行うメーカーにおいて、製品の不具合を100%ゼロにすることは、残念ながら統計的に不可能です。本当に重要なのは、不具合が発生してしまった後に、企業としてどのような対応を取るかです。

コイズミは、問題が発覚した際に、その情報を隠すことなくウェブサイトなどで公開し、専用のフリーダイヤル窓口を設けて、無償修理や製品回収といった誠実な対応を行っています 。  

私の経験上、リコールを隠さず、迅速かつ誠実に対応する企業は、品質管理体制がきちんと機能している証拠です。もちろん完璧な企業など存在しませんが、彼らの品質管理プロセスは、消費者として信頼できるレベルにあると私は判断します。

このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

技術的な評価も重要ですが、最終的には実際に使っているユーザーの声が一番参考になりますよね。良い口コミと、少し気になる悪い口コミの両方を見ていきましょう。

良い口コミ

全体として、コストパフォーマンスの高さとデザイン性を評価する声が非常に多く見られました。

  • コストパフォーマンス:「この価格でDCモーターの扇風機はすごい」「コスパ最高です」といった、価格と機能のバランスを絶賛する声が多数あります 。  
  • デザイン性:「シンプルでおしゃれ」「インテリアに馴染むデザインで気に入ってます」など、見た目の良さを評価する声も目立ちます 。  
  • 静音性(DCモーター扇風機):「DCモーターなのでとても静か」「寝室でも音が気になりません」など、特にDCモーター搭載モデルの静かさは高く評価されています 。  
  • 性能(ドライヤー):「風量が強くて、あっという間に乾くので助かります」「熱すぎないので髪に優しい気がします」など、ドライヤーの速乾性とヘアケア性能の両立を評価する声が多いです 。  

悪い口コミ

一方で、価格とのトレードオフからくる、細かな不満点もいくつか見られました。

  • 素材の質感:「台座がプラスチックで少し安っぽい」「軽いのは良いが、もう少し重みがあった方が安定する」といった、素材感に関する指摘です 。
    • エンジニアの視点:これはまさに価格とのトレードオフですね。台座を重厚な金属製にすれば、当然コストは数千円単位で跳ね上がります。軽量化は持ち運びやすさというメリットにも繋がるため、一概に欠点とは言えません。設計上、転倒しない安定性が確保されていれば、素材の質感は個人の好みの問題とも言えます。
  • 細かな使い勝手:「持ち手がないので移動するときに少し持ちにくい」「リモコンは本体の正面に向けないと反応しない」といった、細かなユーザビリティに関する不満も散見されます 。
    • エンジニアの視点:持ち手をなくしたのは、おそらくデザインのシンプルさを優先した結果でしょう。リモコンの感度は、本体に内蔵されている赤外線受光部の位置や性能、そしてコストに依存します。この価格帯の製品では、コストを抑えるために指向性の強い(特定の方向にしか反応しにくい)受光部品が使われることはよくあります。
  • 音や風の感じ方:「ドライヤーの音が思ったより大きい」「風量が物足りない」といった、個人の感じ方に左右される意見もあります 。
    • エンジニアの視点:音や風の感じ方は非常に主観的です。特にドライヤーは、大風量と静音性は相反する性能(トレードオフ)の関係にあります。コイズミは風量を優先するモデルが多いので、静音性を最優先する方には合わない可能性もあります。

これらの口コミを総合すると、**「細かな点に目をつぶれば、価格をはるかに超える満足感が得られる」**というのが、コイズミ製品の一般的な評価と言えそうです。

まとめ

さて、長くなりましたが、コイズミというメーカーについて、エンジニアの視点から徹底的に分析してきました。最後に、要点をまとめておきましょう。

  • 国籍:コイズミは、大阪に本社を置く日本のメーカーです。家電製品は子会社の「小泉成器」が手掛けています。
  • 設計と生産:製品の心臓部である企画開発・品質管理は日本のR&Dセンターで行い、製造は主に中国で行うという、品質とコストを両立させるグローバルな分業体制を敷いています。
  • 品質:「クオリティファースト」を掲げ、国際基準に準拠した品質管理体制を持っています。過去のリコールにも誠実に対応しており、企業としての信頼性は高いと評価できます。
  • 製品の強み:最大の強みは、日本の企画開発力による**「優れたデザインと気の利いた機能」を、海外生産による徹底したコスト管理によって「驚きの価格」**で実現している点です。

もしあなたが、一台の家電に何万円もかけるのではなく、手頃な価格で、日々の生活を少し豊かにしてくれる、デザインの良い、機能的な製品を探しているなら、コイズミは間違いなく**「買い」**です。

特に今回ご紹介したDCモーター搭載の扇風機や、大風量ドライヤー「MONSTER」シリーズは、コイズミの「賢いものづくり」を象徴する、非常にコストパフォーマンスの高い製品と言えるでしょう。

この記事が、あなたの家電選びの参考になれば幸いです。他にレビューしてほしいメーカーや製品があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!

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この記事を書いた人

現役エンジニア 歴12年。
仕事でプログラミングをやっています。
長女がスクラッチ(学習用プログラミング)にハマったのをきっかけに、スクラッチを一緒に学習開始。
このサイトではスクラッチ/プログラミング学習、エンジニアの生態、エンジニアによる生活改善について全力で解説していきます!

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