こんにちは!電気製品の設計と品質保証に10年以上携わってきたエンジニアブロガーの「ろぼてく」です。
在宅ワークがすっかり定着し、自宅のデスク環境を見直している方も多いのではないでしょうか。特に、長時間座るオフィスチェアや、健康のためにスタンディングデスクを検討する中で、必ずと言っていいほど目にするのが「FlexiSpot(フレキシスポット)」というブランドです。
洗練されたデザイン、豊富な機能、そして何より魅力的な価格。私も一人のユーザーとして、そして製品の品質を見極めることを生業としてきたエンジニアとして、このFlexiSpotというブランドに強い興味を抱きました。「この価格でこの機能性は本当なのか?」「一体どこの国のメーカーで、品質は信頼できるのか?」そんな疑問が次々と湧いてきたのです。
そこで今回は、エンジニアの視点からFlexiSpotを徹底的に調査しました。この記事を読めば、FlexiSpotがどこの国の企業なのかはもちろん、その製品が本当に「買い」なのか、技術的な裏付けとユーザーの生の声から判断できるようになります。オフィスチェア選びで後悔したくない方は、ぜひ最後までお付き合いください。
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

結論:どこの国のメーカーか?

まず、皆さんが最も気になっているであろう結論からお話しします。
FlexiSpotは、中国に本社を置く「楽歌(Loctek Ergonomic Technology Corp.)」という企業が展開するグローバルブランドです 。
「え、中国のメーカーだったの?」と驚かれた方もいるかもしれません。FlexiSpotのウェブサイトは非常に洗練されており、一見するとアメリカやヨーロッパのブランドのように感じられますからね 。
このLoctek社は2002年に設立され、深圳証券取引所に上場している、人間工学に基づいた家具を専門とするかなり大きな企業です 。彼らはFlexiSpotというブランド名で、世界中に製品を販売しています。
このグローバルな展開が、FlexiSpotの正体を少し分かりにくくしている要因です。
- 親会社: Loctek Ergonomic Technology Corp.(中国)
- 日本法人: Flexispot Japan株式会社(埼玉県に本社兼物流センター)
- 米国拠点: カリフォルニア州に本社機能を持つオフィス
このように、各国に現地法人や拠点を置くことで、地域に根差した販売・物流網を構築しています。特にアメリカ市場には力を入れているようで、日本の75倍もの面積の倉庫を構えていることからも、その本気度が伺えます 。
エンジニアの視点から見ると、これは非常に巧みなグローバル戦略です。製品の企画やマーケティングは市場の大きいアメリカのトレンドを強く意識し、製造はコスト競争力のある中国やベトナムで行う。そして、日本のような主要市場には現地法人を設立して、販売とサポートをローカライズする。これにより、「グローバルブランド」としてのイメージを確立しつつ、価格競争力を維持しているわけです。
代表取締役が中国の方であることからも 、経営の根幹は中国の親会社にあることは間違いありませんが、単なる「中国製品」と一括りにするのではなく、「中国発のグローバル企業」と理解するのが最も正確でしょう。
結論:買うことをおススメできるか?

では、そんなFlexiSpotの製品、特にオフィスチェアは「買うことをおススメできるか?」という問いにお答えします。
これも先に、エンジニアとしての私の結論を述べさせていただきます。
「機能性を重視し、コストを最大限に抑えたい人には強くおススメできる。ただし、品質の個体差や初期不良のリスク、そして万が一の際のサポート対応については、ある程度の覚悟と割り切りが必要」
これが私の見解です。
おススメできる理由(メリット): 最大の魅力は、やはり圧倒的なコストパフォーマンスです。後ほど詳しく解説しますが、FlexiSpotのオフィスチェアは、日本の有名ブランド(オカムラなど)であれば10万円以上するような高級チェアに搭載されている調整機能(4Dアームレスト、座面奥行き調整、前傾チルト機能など)を、半額以下の価格で実現しています 。これは、製品の価値を機能面で判断する私のようなエンジニアにとっては、非常に魅力的に映ります。
覚悟が必要な理由(デメリット): 一方で、この価格を実現するためには、どこかでコストを削減しなくてはなりません。その影響が最も現れているのが、「品質管理のばらつき」と「カスタマーサポート」です。ユーザーレビューを分析すると、「ネジ穴がずれている」「部品が破損していた」といった初期不良の報告が散見されます 。また、サポートに連絡しても対応が遅かったり、外国人スタッフとのコミュニケーションに苦労したり、という声も少なくありません 。
つまり、FlexiSpotの製品を選ぶということは、**「低価格で高機能を手に入れる代わりに、一定の品質リスクと、問題発生時に自ら根気強く対応する手間を引き受ける」**というトレードオフを受け入れることだと考えます。
この点を踏まえ、以下のような方にはFlexiSpotをおススメできます。
- おススメな人:
- とにかく多機能なオフィスチェアを安く手に入れたい方
- 製品の多少の傷や仕上げの甘さは気にしない方
- 万が一の初期不良の際に、自分で部品交換などの対応ができる、またはサポートと粘り強く交渉する手間を惜しまない方
- おススメしない人:
- 完璧な品質と、傷一つない製品を求める方
- 何かあった時に、迅速で手厚い国内メーカー並みのサポートを期待する方
- 組み立てやトラブル対応に時間や労力をかけたくない方
このような方は、価格は高くなりますが、コクヨやオカムラといった国内ブランドの製品を選んだ方が、結果的に満足度は高くなるかもしれません 。
このメーカーの製品はよい製品か?

「よい製品」の定義は人それぞれですが、ここではエンジニアの視点から「メーカーとしての姿勢や設計思想」を評価してみましょう。
FlexiSpotは「New Working, New Living(新しい働き方、新しい暮らし方)」というビジョンを掲げています 。これは、現代の多様で柔軟な働き方やライフスタイルに、人間工学に基づいた製品で応えようという意思の表れです。
私が特に評価したいのは、設計から開発、製造までを自社で一貫して行っている点です 。一般的に、この価格帯の製品は、他社が設計・製造したものを自社ブランドとして販売するOEM/ODMが多いのですが、FlexiSpotは違います。自社でコントロールしているからこそ、市場のフィードバックを迅速に製品改良に反映させることが可能です。
実際に、人気モデルのスタンディングデスク「E7」から、ユーザーの声を反映して足元のスペースを広げた「E7 Pro」へと改良された例など、継続的な製品改善の跡が見られます 。これは、メーカーが自社製品と真摯に向き合っている証拠と言えるでしょう。
さらに、彼らはイノベーションにも積極的です。人間工学研究センターを設立し 、1,000件以上の特許を取得していると公表しています 。これは、単なる安価な製品を作るメーカーではなく、人間工学の分野で技術を追求する企業であることを示しています。
この姿勢は、市場に大きな影響を与えています。これまで「高機能なオフィスチェア=15万円以上」という常識があった市場に、FlexiSpotは5万円前後で同等機能を持つ製品を投入しました 。これにより、多くの人が高機能なエルゴノミクス製品を手にできるようになったのです。これは、市場の常識を覆す「破壊的イノベーション」の一例と言えるかもしれません。
もちろん、前述の通り品質管理には課題がありますが、その設計思想や市場への貢献度を考えれば、「挑戦的で、ユーザーにとって価値のある製品を生み出しているメーカー」と評価できます。
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

FlexiSpotの製品がどこで作られているか、その生産拠点も見ていきましょう。
公表されている情報によると、主な生産工場は中国とベトナムにあります 。これらの工場で、世界中に出荷されるFlexiSpot製品が製造されています。
製品に使われる素材にもこだわりが見られます。例えば、スタンディングデスクの脚フレームには、自動車のボディにも使われる高強度なSPCC鋼材を採用しており、耐久性と安定性を追求しています 。また、天板には環境に配慮した竹素材を積極的に採用するなど、サステナビリティへの意識も示しています 。
メーカーのウェブサイトでは、自社工場で疲労試験、圧力試験、振動試験といった厳しい品質テストを繰り返し行っているとアピールしています 。
しかし、ここでも理想と現実のギャップが見え隠れします。メーカーが厳しい品質管理を謳う一方で、ユーザーレビューでは前述のような初期不良の報告が後を絶ちません。海外の掲示板Redditでは、「商業施設に数百台単位で納入されたデスクのうち、約25%が故障していた」という衝撃的な報告も見られました 。
これは、設計上の品質は高くても、大量生産の現場における製造品質の管理、いわゆる「QC(Quality Control)」が徹底されていない可能性を示唆しています。部品の精度、組み立ての正確さ、検品の厳しさといった部分に、どうしても個体差(ばらつき)が生まれてしまっているのでしょう。これが、FlexiSpot製品の価格とリスクの源泉と言えます。
設計はどこで行っているか?

製品の心臓部である設計は、どこで行われているのでしょうか。
親会社は中国ですが、設計開発はグローバルな体制で行われていると考えられます。300人以上のグローバルソーシングチームを抱え 、人間工学研究センターを設立するなど 、世界中の知見を集めて製品開発を行っているようです。
特に、製品のデザインや機能は、最大の市場である北米のトレンドを強く意識しています。ある海外のレビューサイトでは、FlexiSpotのウェブサイトがアメリカの人気ブランド「Fully」のサイトをそっくり真似ていると指摘されており 、マーケティング戦略も含めて、欧米市場で成功することに注力している様子が伺えます。
また、ユーザーからのフィードバックを積極的に設計に反映させる文化があるようです。海外の掲示板では、FlexiSpotの担当者が「我々が自社で開発と製造を手掛けているからこそ、顧客のフィードバックに基づいて継続的に製品を改良し、市場に合わせた新モデルを投入できるのです」とコメントしています 。
この言葉を裏付けるように、FlexiSpotは非常に多くの製品ラインナップを持っています。
- E7: 安定性を重視した定番モデル
- E7 Pro: C字フレームで足元のスペースを確保したモデル
- E8: 楕円形の脚でデザイン性を高めたモデル
- E7Q: 4本脚で究極の安定性を追求したプロ向けモデル
このように、単一の製品で全ユーザーを満足させようとするのではなく、「安定性」「足元の広さ」「デザイン性」といった異なるニーズに応える製品を次々と開発・投入しています 。これは、設計と製造が一体化しているからこそ可能な、非常にスピーディーで巧みな製品戦略です。
さらに、ユーザー自身が天板と脚を自由に組み合わせてカスタマイズできる「DIY」の文化を推奨している点もユニークです 。これは、製品のモジュール化設計が進んでいる証拠であり、ユーザーの多様なニーズに応えようとする設計思想の表れと言えるでしょう。
品質は大丈夫か?

さて、最も重要な「品質」の問題に、エンジニアとしてさらに深く切り込んでいきましょう。「品質」を感覚的に語るのではなく、客観的な指標で評価することが重要です。
BIFMA認証:品質の客観的なモノサシ
私がオフィス家具の品質を評価する上で重視するのが、**「BIFMA(ビフマ)認証」**の有無です。
BIFMAとは、アメリカのオフィス家具製造者協会(Business and Institutional Furniture Manufacturers Association)が定める、安全性、耐久性、機能性に関する規格のことです 。この認証を取得するためには、第三者の試験機関で、以下のような非常に厳しいテストをクリアする必要があります 。
- 耐久性試験: 椅子に荷重をかけたまま何万回も座面を動かしたり、デスクを昇降させ続けたりする。
- 安定性試験: 家具が転倒しないか、デスクが高位置でもぐらつかないかを評価する。
- 強度試験: 想定外の力がかかった際に、製品が破壊されないかを確認する。
FlexiSpotは、自社の製品がBIFMA認証を取得していることを積極的にアピールしています 。例えば、人気スタンディングデスクの「E7 Pro」はBIFMA認証取得を謳っており 、一部の製品ページでもCE、ROHSといった他の国際規格と共に記載が見られます 。
BIFMA認証は、その製品が「業務用レベルの強度と耐久性を持つ」ことの客観的な証明です。特に、モーターや可動部を持つ電動昇降デスクや多機能オフィスチェアにおいて、この認証は品質を見極めるための信頼できるお墨付きとなります。
安全機能:設計に組み込まれた思想
品質は、耐久性だけでなく安全性も重要です。FlexiSpotの製品には、安全性を高めるための機能が設計段階から組み込まれています。
- 障害物検知機能: デスクが昇降中に障害物(下の棚や窓など)にぶつかると、モーターが自動で停止し、数センチ逆方向に動く機能です 。これにより、製品や家具の破損、挟み込み事故を防ぎます。
- ロック機能: 小さなお子さんやペットがいる家庭で、誤って操作パネルに触れてもデスクが動かないようにするチャイルドロック機能です 。
これらは単なる付加機能ではなく、ユーザーの安全を守るための重要な「フェイルセーフ設計」であり、メーカーの安全意識の高さを示すものです。
保証期間:メーカーの自信の表れ
最後に、メーカーが提供する保証期間も、品質に対する自信を測るバロメーターになります。FlexiSpotは、スタンディングデスクの主要部品(モーター、フレーム)に5年間、一部のハイエンドモデル(E7など)には15年間という長期保証を提供しています 。オフィスチェアもモデルによりますが3年または5年の保証が付いています 。
この価格帯の製品で5年保証というのは、非常に手厚いと言えます。これは、BIFMA認証などの厳しいテストをクリアしている耐久性への自信の裏付けとも考えられます。
ただし、忘れてはならないのは、これらの客観的な品質指標と、手元に届く製品の「初期品質」にはギャップがある可能性です。設計上の品質は高くても、製造上のばらつきによって初期不良品が届くリスクは、依然として存在します。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

製品の本当の姿を知るには、実際に使っているユーザーの声を聞くのが一番です。FlexiSpotの評判を調べると、絶賛の声と厳しい批判の両方が見つかりました。この両面をしっかり見ることで、リアルな評価が浮かび上がってきます。
良い口コミ・評判
良い評価の多くは、やはりその圧倒的なコストパフォーマンスと機能性に集中しています。
- 驚異的なコストパフォーマンス: 「この価格でこの機能はありえない」「10万円以上する高級チェアと遜色ない機能が半額以下で手に入った」といった声が多数見られます 。
- 豊富な調整機能と快適性: 「4Dアームレストやランバーサポートのおかげで、自分の体に完璧にフィットさせることができた」「腰痛が劇的に改善した」など、多機能性がもたらす快適さを評価する声が多いです 。
- 高い安定性と静かな動作音: スタンディングデスクについては、「一番高い位置にしても揺れが少なく安定している」「モーター音が静かでスムーズ」といった、基本性能の高さを称賛するレビューが目立ちます 。
- スタイリッシュなデザイン: 「安っぽさがなく、部屋のインテリアに馴染む」「デザインが気に入っている」など、見た目に関する満足度も高いようです 。
悪い口コミ・評判
一方で、悪い評価は主に「品質管理」と「サポート対応」の2点に集約されています。
- 品質管理の問題(初期不良): これが最も深刻かつ頻繁に報告される問題です。「天板に傷があった」「ネジ穴がずれていて組み立てられない」「届いた時点で部品が割れていた」など、検品体制を疑うようなレビューが散見されます 。
- 組み立ての難しさ: 「一人で組み立てるのは非常に重くて大変」「説明書が分かりにくい」といった声もあります 。特にオフィスチェアは複雑なため、苦労する人がいるようです。
- 残念なカスタマーサポート: これも大きな不満点です。「問い合わせても返信が遅い」「日本語が通じにくい外国人スタッフが対応することがある」「不良品の交換に何度もやり取りが必要で疲れた」など、万が一の際のサポート体制に不安を感じさせる声が少なくありません 。
- 細部の仕上げの甘さ: 「機能は良いが、塗装やプラスチック部品の仕上げが雑」「調整レバーが少しぐらつく」など、細部の作り込みに価格なりの甘さを感じるという指摘もあります 。
評判から見える「FlexiSpotのリスク」
これらの評判を総合すると、FlexiSpotの購入には「くじ引き」のような側面があることがわかります。大多数の人は問題のない良品を手にし、そのコストパフォーマンスに満足しています。しかし、一定の確率で初期不良品を引き当ててしまう「ハズレくじ」が存在するのです。
そして、ハズレを引いてしまった場合、今度は「サポートくじ」を引くことになります。運が良ければスムーズに交換対応してもらえるかもしれませんが、そうでなければ、時間と労力を消耗する根気のいる戦いが待っているかもしれません。
この「製品品質のくじ」と「サポート対応のくじ」、二重のリスクを許容できるかどうかが、FlexiSpot製品を満足して使えるかどうかの分水嶺になると言えるでしょう。
このメーカーのおすすめ製品は?

ここまでの分析を踏まえ、具体的にどのオフィスチェアがおすすめなのか、主要モデルを比較しながら解説します。FlexiSpotは多くのモデルを展開していますが、今回は特に人気の高い「C7シリーズ」「C2」「BS12」に注目します。
まずは、各モデルの特徴が一目でわかる比較表をご覧ください。
FlexiSpot 主要オフィスチェアモデル比較
| 特徴 | C7 Pro | C7 Lite | C2 | BS12 Pro |
| 座面素材 | メッシュ | メッシュ | モールドウレタン | ファブリック |
| アームレスト | 4D | 4D | 4D | 3D |
| ランバーサポート | 上下・前後調整 | 前後調整 | 前後調整 | 上下調整 |
| 座面前傾機能 | ○ | × | × | × |
| オットマン | ○ (オプション) | ○ (標準) | × | × |
| 耐荷重 | 130kg | 136kg | 136kg | 136kg |
| 保証期間 | 3年 | 3年 | 5年 | 5年 |
| 価格帯 | 約5~6万円 | 約4万円 | 約3~4万円 | 約4~5万円 |
| 想定ユーザー | 機能全部盛りが欲しい人 | 白基調・オットマン重視の人 | コスパと日本人体型フィット重視の人 | ファブリックの質感を好む人 |
C7シリーズ (C7/C7 Air/C7 Pro):機能性を追求するフラッグシップ
- 特徴: FlexiSpotのオフィスチェアで最も多機能なシリーズです。座面がウレタンの「C7」、メッシュの「C7 Air」、そして最上位の「C7 Pro」があります 。最大の特徴は、この価格帯では非常に珍しい 座面前傾チルト機能(C7 Proに搭載)です 。PC作業で前かがみになる際の姿勢をサポートしてくれる、まさに高級チェアの機能です。4Dアームレストや細かく調整できるランバーサポートも備え、機能性では他の追随を許しません。
- こんな人におすすめ: とにかく最高の調整機能を求める方。予算を少し上げてでも、エルゴノミクスを最大限に享受したい「プロシューマー」向けのモデルです。
- 注意点: 一部のユーザーからは「ランバーサポートの当たりが強すぎる」という声や、「リクライニングのロックレバーが座ったままでは操作しにくい」という指摘があります 。
C2:日本人にフィットする高コスパモデル
- 特徴: C7シリーズよりも一回りコンパクトで、日本人の体型にフィットしやすいと評判のモデルです 。座面にはヘタリにくい高密度のモールドウレタンを採用し、快適な座り心地を実現 。4Dアームレストなど主要な機能は押さえつつ、価格を抑え、さらに 保証期間が5年と長いのが魅力です 。
- こんな人におすすめ: 最高のコストパフォーマンスを求める方。特に平均的な体格の方や女性には、C7シリーズよりこちらの方がフィットしやすい可能性があります。初めて本格的なオフィスチェアを買う方には、最もバランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
- 注意点: 座面前傾チルト機能はなく、ランバーサポートの調整範囲もC7 Proほどではありません 。
BS12 Pro:上質なファブリックを好む人へ
- 特徴: メッシュやウレタンではなく、韓国の有名ブランド「wintex」製の**高品質なファブリック(布地)**を使用しているのが最大の特徴です 。メッシュの硬さやウレタンの蒸れが苦手な方に最適です。3Dアームレストや座面スライド機能など、基本的な調整機能はしっかり備わっており、組み立てが簡単というレビューもあります 。
- こんな人におすすめ: ファブリックならではの優しい座り心地や質感を重視する方。
- 注意点: 海外のレビューでは、ランバーサポートの効きが他の高級チェアに比べてマイルドであるとの指摘があります 。
まとめ

今回は、エンジニアの視点からFlexiSpotというメーカーを徹底的に解剖してきました。最後に、重要なポイントをもう一度整理します。
- 出身国: FlexiSpotは**中国の巨大エルゴノミクス企業「Loctek」**のグローバルブランドです。中国で製造し、日本を含む世界各国で販売する巧みな戦略をとっています。
- 製品思想: 自社で設計・開発・製造までを一貫して行い、ユーザーの声を反映しながら、市場の常識を覆す高機能・高コスパな製品を次々と生み出す、革新的なメーカーです。
- 品質とリスク: BIFMA認証や長期保証など、設計品質の高さを示す客観的な指標はあります。しかし、製造現場の品質管理にはばらつきがあり、初期不良のリスクと、万が一の際のサポート対応への不安は無視できません。
これらを踏まえた上で、私の最終的なアドバイスは、やはり冒頭の結論に帰結します。
FlexiSpotのオフィスチェアは、「多機能・高コスパ」という抗いがたい魅力と、「品質のばらつき・サポートへの不安」という無視できないリスクを併せ持っています。
このトレードオフを理解した上で、ご自身の予算、絶対に譲れない機能、そして「もしも」の時に自分で対処する覚悟があるかどうかを天秤にかけてください。
FlexiSpotは頻繁にセールを行っており、価格が大きく変動します 。この記事で興味を持ったモデルがあれば、公式サイトをこまめにチェックし、お得なタイミングを狙うのが賢い買い方かもしれません。
あなたのデスク環境がより快適になる、後悔のない一脚を見つけられることを願っています。

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