この記事のポイント
・海外駐在員になるために有利な意外な業界・職種を解説します。
・海外駐在員になるための具体的なステップを解説します。
- アメリカ駐在2年
- 大手メーカー勤務
- 転職経験有り
- エンジニア歴12年
- TOEIC850点
はじめに 海外駐在員になりたい方へ
私は日系大手電機メーカーに中途で入社し、20代でアメリカへの海外駐在員を経験しました。海外駐在員生活の中で、自身の経験や駐在先での他の多くの駐在員との交流経験があります。
そのような経験があるので、以下のような相談・悩みをよくいただきます。
「海外勤務がしたいんだけど、海外駐在・海外赴任できる企業・仕事ってどこなの?」
「海外駐在員になるにはどうすればいいの?」
そこで本記事では「海外赴任したい人が海外駐在員になる方法」を、元駐在員の私が実体験をもとにご紹介します。
結論から言うと、
「日系企業」で海外駐在員のポジションを勝ち取るには「世界展開しているメーカー」「生産系エンジニア」がおススメです。
この記事を読めば、海外駐在員を目指す正しいステップや、海外赴任・海外勤務をするために今やるべきことがわかります。
海外駐在員を目指すのに有利なのは新卒?中途?
結論:海外駐在員を目指すにあたって新卒入社、中途入社に有利・不利はありません。
ただし、配属先を狙って入社できる中途採用の方が海外駐在員になれる確率は高いと考えます。以下にその理由を説明します。
新卒入社でのリスク
新卒には配属ガチャなるものが存在して、希望の会社に入社はできたものの、海外駐在の可能性のない部署への配属となるケースが多々存在します。
私が新卒で入社したメーカーにおいても、優秀な同期が海外駐在のかなわない部署に配属され、転職してしまうケースがかなり多かったです。
中途入社は配属先を決めて入社ができる
対して、中途入社であれば選考の段階で配属先を決めることが一般的なので、海外駐在が可能な企業・部署に絞ってポジションを選ぶことができます。
従って、中途入社で海外駐在を目指す方が効率的です。
海外駐在員になるために選ぶべき企業は?
結論:世界展開をしている日系企業を選びましょう。
世界に商品、サービスを生産・販売している日系企業であれば、現地でのオペレーションが必ず必要です。このオペレーションを現地の人だけで回していくことは難しいです。
そのため、日本本社と現地企業とを結ぶための橋渡し存在が必ず必要になってきます。
従って、世界展開をしている日系企業は必ず駐在員を派遣しています。
業界としては、商社、メーカーの割合が多いです。
【リアル情報】私が現地で見てきた、実際に海外駐在できる業界や企業一覧
参考までに、私がお会いした実際にお会いした駐在していた方は、以下のような業界・企業の方がいました。やはり製造業の割合が多い印象です。
業種 | 実際にお会いした駐在員の方の企業 |
---|---|
総合商社 | 三菱商事、住友商事、三井物産、丸紅、伊藤忠商事、豊田通商、双日、兼松 |
専門商社 | マクニカ、明治電機、菱電商事、日本電計 |
自動車メーカー | トヨタ自動車、日産自動車、本田技術工業、いすゞ自動車、マツダ、スズキ、三菱自動車工業、SUBARU |
自動車部品メーカー | デンソー、アイシン精機、豊田紡織、豊田合成、豊田自動織機、ジェイテクト、ブリヂストン、住友ゴム、横浜ゴム、東洋タイヤ、住友電工、住友電装、矢崎総業 |
電機メーカー | 日立製作所、SONY、パナソニック、東芝、三菱電機、富士通、NEC、キヤノン、リコー、セイコーエプソン、オムロン、安川電機、キーエンス、ファナック、ダイキン工業 |
電子部品メーカー | 村田製作所、京セラ、日本電産、ミネベアミツミ、ミスミ、ホシデン |
食品メーカー | 味の素、キッコーマン、日清食品、東洋水産 |
建設 | 日揮、千代田化工、東洋エンジニアリング、鹿島建設、清水建設、大林組、竹中工務店、住友林業、大和ハウス工業 |
製薬 | アステラス製薬、武田薬品工業 |
機械 | コマツ、三菱重工業、川崎重工業、クボタ、ヤンマー、ヤマザキマザック、マキタ、DMG森精機、アマダ、オークマ、牧野フライス、東京エレクトロン、SCREEN、芝浦機械 |
素材 | AGC、日本製鉄、JFE、神戸製鋼、YKK |
化学メーカー | 東レ、富士フイルム、三菱ケミカル、旭化成 |
銀行 | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行 |
損保 | 三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険、SOMPO HD |
運輸 | 日本通運、ヤマト運輸、佐川 |
その他 | JETRO |
ここには挙げていませんが、名前は知られていないけれども世界的な製品を扱っている日本企業の方とも多くお会いしました。やはり製造業の方がとても多かったです。
海外駐在員になりやすい業界
結論:商社・日経大手メーカーです。特に総合商社、自動車、自動車部品、機械(工作機械・半導体製造装置)メーカーは海外駐在員が多いです。
総合商社は、資源開発や貿易等々の海外主体のビジネスを展開しています。従って、必然的に海外駐在にポジションが格段に多くなります。
自動車、自動車部品、工作機械・半導体製造装置メーカーは世界シェア一位の企業が数多く存在します。世界シェア一位の企業は海外の顧客と生産拠点を数多く有しているため、必然的に海外駐在のポジションが多くなります。
特におススメの業界
結論:自動車部品、機械(工作機械・半導体製造装置)メーカーです。
以下で理由を説明していきます。
理由1 圧倒的競争力・世界展開
自動車部品、工作機械・半導体製造装置メーカーは、数ある日本企業の中でも圧倒的に世界での競争力が大きいため、全世界でビジネスを展開しています。
また現地生産をしている企業も数多いため、駐在員を派遣する割合は比較的大きいです。
自動車部品メーカーは現地生産が基本となることが多いので海外に工場を多く持っています。そのためもちろんその工場で働く駐在員も多く存在します。
理由2 入社ハードルがそれほど高くない
海外駐在と言えば、総合商社や自動車完成品メーカーを思い浮かべる人が多いと思います。もちろんそれは正解で、どちらも多くの海外駐在員を世界中に派遣しています。
実際に私も駐在員時代に多くの総合商社・自動車メーカーの駐在員の方に会いました。特にアメリカ中西部の都市には本当に自動車メーカーの駐在員がたくさんいます!
ただし、総合商社や自動車完成品メーカーは、日本の中でも企業数が限られており、入社難易度も高い企業が多いです。まずそもそも日本の中でも入社するためのハードルが高いです。
それに対して、自動車部品メーカーや工作機械・半導体製造装置メーカーは、総合商社・自動車メーカーより企業数が多く、入社難易度も極端に高いわけではないので、まず企業に入社するという点での競争倍率が低くなります。
海外駐在員になりやすい職種
結論:エンジニアです。特に生産管理、サポートエンジニアの割合が多いです。
海外駐在員と言えば、その国の言語が堪能な文系の人が多いのではないのか?と思う方もいらっしゃるかと思いますが実際はそうではありません。
当たり前ですが、現地法人ではその国の言語が堪能なだけの方であればいくらでも存在します。現地法人で必要な人は、その現地法人でカバーできない専門的な知識を持った人です。
以下で詳細を説明していきます。
理由1 現地で求められる役割は生産と顧客技術サポート
メーカー現地法人の役割の多くは、「現地生産」と「顧客技術サポート」です。従って以下のような職種の方が海外駐在するケースが多いです。
特に生産系エンジニアの駐在率は非常に高く、入社後確実に1度は海外駐在の順番が回ってくる部署も存在しています。
- 生産管理エンジニア
- 生産設備導入・保守エンジニア
- 品質管理エンジニア
- フィールドサポートエンジニア
逆にエンジニアと言っても開発・設計エンジニアの職種では海外駐在のポジションを獲得するのは難しいです。
ちなみに、私は日本では「開発・設計エンジニア」でしたが、海外駐在員時代は「フィールドサポートエンジニア」の役割で赴任していました。
駐在先の客先に出張できるので旅行好きにはおススメです。
理由2 競争相手が少ない
エンジニアあるある、エンジニアは海外駐在したくない人の割合が結構多いです。
理系に進む人はそもそも技術志向で、あまり海外で働くことに興味がない人が多いのが事実です。従って、生産系エンジニアであれば、自ら応募すればかなりの高い確率で海外駐在のポジションを得ることができます。
対して、文系の方で大手企業に進むような方は、けっこうな割合で大学時代に留学しているなど海外志向の人が多いです。そのため、海外駐在のポジションの競争率は高く、希望していてもなかなか海外駐在をすることができない人が多いです。
実際、私が駐在したアメリカ勤務という駐在員の花形ポジションでも、先輩が辞退したことで私にチャンスが回ってきました。
エンジニアは国内で技術をやりたいという人が多いと思います。
エンジニアが駐在員になれる確率が高い理由 まとめ
駐在員のポジションが豊富 × 駐在員ポジションの倍率が低い。この2つの合わせ技のため、狙った企業・エンジニア職につければ高確率で駐在員になることができます。
海外駐在員になるための戦略
ここでは確率高く駐在員ポジションをゲットできる方法を各フェイズの人に分けて解説します。
新卒の方:大手総合商社、自動車・自動車部品・工作機械・半導体製造装置の大手メーカーへ就職しましょう
大手総合商社に入社することができれば、それだけで海外駐在の確率は高まります。しかし、大手総合商社は一般的に入社難易度が非常に高いです。
そのため、自動車・自動車部品・工作機械・半導体製造装置メーカーへの入社も視野に入れましょう。さらに、配属希望は生産系エンジニアとして入社することをおススメします。
では文系の人には駐在のチャンスは低いかと言うと、そんなことは全くありません。
実は文系からでも生産系エンジニアを目指すことが可能です。生産管理・生産計画等は文系の方でも活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。
社会人の方(社内に駐在員ポジションがない方):転職サービスを利用しましょう
あなたがすでに社会人で、かつ今の環境で海外駐在することが不可能な場合「転職」を通じて、日系のグローバル企業に転職することが必要です。
中途の転職の場合、ポジションごとに求人が出ています。そのため、転職先では狙ってグローバルな仕事につきやすいです。
ただし、中途採用では即戦力が期待されるため当然求められるスキルは高くなります。実際に求人を色々見てみて、足りない経験やスキルを補う必要があります。
以上の2つが、海外駐在・海外赴任を目指す方法です。どれもチャンスはありますが、簡単ではありません。
ですが行動次第でチャンスは十分掴めるので、是非ともチャレンジして見て欲しいと思います。
海外駐在を狙うために今から行うべきアクション
英語の勉強をする
エンジニアで専門性が高ければ、英語ができなくても海外駐在員ポジションをゲットできるかと言うと、やはり英語が出来る方が海外駐在員ポジションに近づくことができます。
会社によっては、海外駐在のための要件としてTOEICやTOEFLのスコアを要件としている会社もあるので、英語の勉強はするにこしたことはないです。
目指すべきスコアは一概には言えませんが、TOEICであれば700点以上あれば最低限のラインかと思われます。できれば800点以上あれば選考で有利になります。
私の会社の要件がTOEIC700点でした。そのため話を頂いてから死ぬ気で英語の勉強をしました。
今日から始められるおススメ英語・TOEIC勉強方法
今すぐ手軽に英語やTOEIC勉強を始めたいのであれば、
スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)を使うことがおススメです。
私自身TOEICの点数を底上げするために非常に活用させてもらいました。非常に使いやすいアプリでスキマ時間を活用してTOEIC勉強をできることが魅力です。今なら無料体験もできるので、今日から小さく英語学習をスタートするにはもってこいのサービスです。
エンジニアの英語学習には以下の記事も参考にしてみてください。
現職で実績を残す・マネジメントスキルを身につける
人事側はこの人を海外駐在員として派遣して、海外の慣れない土地で成果を出せる人材かどうかを見極めるために現職の実績をもちろん重視します。
現職でしっかり成果を残しているのであれば、人事も安心してその人を海外駐在員に推薦できるわけです。
また、海外駐在では基本的に現職のポジションより一つ上のポジションで派遣されることが多いです。従って、現地でのマネージメント・教育的ポジションで派遣されることが多いです。
従って、小さなチームでもよいので、マネージメントの経験を持っておくことは非常に重要な要素と考えられます。
転職情報サービスで情報を集める
並行して、早速今日から「情報収集」を始めましょう。良い海外求人に出会えるかどうかは、どれだけリサーチをし、良い準備をしたかに尽きます。
情報収集の方法としては、転職エージェント・転職サイト経由で情報を集めることが、1歩目としては望ましいです。
転職エージェントを活用する
特に「転職エージェント」は必ず利用しましょう。転職エージェントの場合、プロのコンサルタントがキャリア相談や海外求人紹介をしてくれます。その海外求人を見ながら、今のあなたに足りないスキルや実績を、彼らが教えてくれます。そのスキルや実績を、自主学習なり、現職で磨いていくと、効率が良いです。
ほとんどの転職エージェントや転職サイトは「無料」で利用できます。
客観的なプロの視点で自身の強み・弱みを掘り下げてくれるため、スキルを高めるにしてもムダが生じにくいです。
おススメの転職エージェントサービスはJACリクルートメントとdoda
特におススメのサービスはJACリクルートメントとdodaです。この2つ実際に私が転職する際にも利用させていただき、圧倒的にエージェントの質・対応がよかったです。
特にJACリクルートメントのエージェントの方は、かなり業界に精通している印象でした。この人の言うことなら間違いないだろうと思わせてくれる対応でした。
まとめ 海外駐在を戦略的に狙うなら 大手メーカーの生産系エンジニア職種です!
これまでの述べた通り、戦略的に狙って行動すれば、かなりの高い確率で海外駐在ポジションをゲットできます!
海外駐在員の経験は、はっきり言って人生最高の経験です。知らない土地での生活、最高の待遇、未知の経験が毎日できます。人生の経験値が爆上がりすることは間違いないです。
海外駐在員ポジションは決して簡単な道のりではないですが、今後の自分の市場価値向上や人生経験の広めるためにも、ぜひトライしてみ欲しいです。
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