こんにちは!二児の父で、現役エンジニアの「ろぼてく」です。僕のブログ「https://oyako-programming.com/」へようこそ。
最近、保護者仲間と話していると、必ずと言っていいほど話題にのぼるのが「ChatGPT、どうしてる?」というテーマ。期待と不安が入り混じった、なんとも言言えない空気が流れますよね。
「子供の考える力がなくなるんじゃないか」、「夏休みの宿題を丸投げして、宿題代行業みたいになったらどうしよう」。そんなニュースや専門家の意見を見聞きすると、心配になるのは当然です。
エンジニアとしてAIの仕組みや可能性を知っているからこそ言えること。そして、二人の子供の父親として、皆さんと同じ目線で心配していること。その両方の視点から、今回はChatGPTを単なる「答えを出す機械」ではなく、子供の「思考を深めるパートナー」に変えるための、具体的で、今日からすぐ使える方法を余すところなくお伝えします。
- 現役エンジニア
- スクラッチ歴4年
- 2児パパ

なぜ私たちは不安なのか?ChatGPTが「敵」に見える3つの理由

まず、私たちが抱える漠然とした不安を、はっきりと言葉にしてみましょう。この正体不明の不安の輪郭を捉えることが、賢い付き合い方の第一歩です。
1.1. 思考力の低下という懸念:「答え」だけを得ることで失われるもの
保護者が抱く最も根源的な不安は、「子供が自分で考えなくなる」ことでしょう。専門家も、子供がChatGPTに直接答えを求めることで、自分で問題を解く能力が低下する可能性を指摘しています 。これは単に「楽を覚える」というレベルの話ではありません。学習において最も重要な「なぜそうなるのか?」を考え、試行錯誤するプロセスそのものが、ごっそり抜け落ちてしまう危険性があるのです 。計算ドリルの答えを丸写しするのとは質が違います。考える機会そのものが奪われることへの危機感が、この不安の正体です。
1.2. 「ズル」と公平性の問題:宿題代行と倫理観の揺らぎ
次に、倫理的な問題です。生成AIの登場で、読書感想文や自由研究を丸投げするといった「ズル」が、これまで以上に簡単かつ巧妙にできてしまう現実があります 。教育現場でも、AIが生成したものをそのまま提出するのは不正行為であり、本人のためにならないと指導しています 。このような安易な「ズル」が、子供の倫理観にどう影響するのか。また、AIを自由に使える家庭とそうでない家庭との間で「デジタルデバイド(情報格差)」が新たな教育格差を生むのではないか、という懸念も広がっています 。
1.3. 嘘や偏った情報のリスク:平然と嘘をつくAI(ハルシネーション)
最後に、情報の信頼性の問題です。エンジニアの視点から見ても、これは非常に厄介な点です。ChatGPTは、時に非常にもっともらしい文章で、平然と「嘘」をつきます。これは「ハルシネーション」と呼ばれる現象で、AIの仕組みに起因するものです 。AIの学習データには偏りが含まれている可能性があり、その判断プロセスも不透明な「ブラックボックス」であるため、出力された情報がなぜそうなったのかを検証するのは困難です 。子供は整った文章で提示されると、それが真実だと信じ込みやすい傾向があります 。誤った情報を正しい知識として記憶してしまうリスクは、思考力の低下と同じくらい深刻な問題なのです。
これら3つの不安は、それぞれ独立しているようで、実は深く結びついています。AIの答えを疑わずに受け入れる「思考停止」は、誤った情報を信じ込む「情報汚染」を加速させます。そして、楽して答えを得ることを悪いと思わなくなる「倫理観の揺らぎ」が、その思考停止を正当化してしまうのです。問題の根源は、子供の怠惰さだけでなく、AIが持つ技術的な特性そのものにあることを理解することが重要です。
「敵」を「味方」に変えるために:家庭で絶対に守るべき5つの「お約束」

では、どうすればいいのでしょうか。不安を煽るだけでなく、具体的な解決策の第一歩として、家庭で実践できる「ルール作り」を提案します。これは、文部科学省のガイドライン や専門家の意見 を、親子で理解できる平易な言葉に「翻訳」したものです。一方的に押し付けるのではなく、なぜこのお約束が必要なのかを親子で話し合い、一緒に決めるプロセスそのものが、最高の教育になります。
2.1. お約束①:年齢制限と保護者の同意(なぜ小学生は使えないの?)
まず大前提として、多くの生成AIサービスには年齢制限があります。例えばChatGPTは、利用規約で13歳未満の利用を禁止しており、13歳以上18歳未満の利用には保護者の同意が必要です 。これは「ルールだから」で終わらせず、「なぜ?」を説明することが大切です。その背景には、まだ判断力が十分でない子供の個人情報を守るという大きな目的があります 。「君の大切な情報を、悪い人から守るための大事なルールなんだよ」と、安全のためのお約束であることを伝えましょう。小学生が利用する場合は、必ず保護者のアカウントを使い、保護者の目の届く範囲で一緒に使うことを絶対条件にしてください。
2.2. お約束②:「じぶんのひみつ」は絶対に入力しない(個人情報ってなあに?)
「個人情報」という言葉を、子供にも分かるように説明しましょう。「君や、君の家族、お友達が『だれか』わかっちゃう情報のことだよ」といった具合です 。具体的には、名前、住所、電話番号、学校名、顔がわかる写真、家の近くのお店の名前などです 。これらの情報を入力すると、AIが学習してしまい、意図せず他の人に知られてしまう危険性があります 。国のガイドラインでも、個人情報保護の重要性は繰り返し強調されています 。
2.3. お約束③:AIは「相談相手」、決定するのは「自分」
AIを「なんでも知ってるすごい先生」ではなく、「物知りで、いろんなアイデアをくれるクラスメート」くらいに位置づけるのがコツです。文部科学省が示す「人間中心の原則」にもあるように、AIの出力はあくまで参考情報であり、最終的な判断は人間が行うべきです 。AIの提案を鵜呑みにするのではなく、「なるほど、そういう考え方もあるのか。でも僕はこう思うな」と考える主体性を育てましょう。「いろんな意見をくれるけど、最後にどれがいいか決めるのはキャプテンの君だよ」というように、子供に主導権があることを伝えてください。
2.4. お約束④:「本当かな?」を合言葉に(親子で探偵になろう!)
AIがもっともらしい嘘をつくことは、前述の通りです。そこで、「AIの答えは、まず『仮説』と考える」という習慣をつけましょう 。そして、「本当かな?」を合言葉に、親子で探偵ゲームのようにファクトチェック(裏付け調査)を楽しんでみてください 。AIが出した答えを、教科書や図鑑、信頼できる公式サイトなどで確認するのです 。この一手間が、情報の真偽を見抜く力(メディアリテラシー)を遊びながら育てます。URLの末尾が「go.jp」(政府機関)や「ac.jp」(大学など)で終わるサイトは信頼性が高い、といった簡単な見分け方も教えてあげると良いでしょう 。
2.5. お約束⑤:「答えを教えて」は禁止ワード
これが最も重要で、かつ実践が難しいお約束かもしれません。「この問題の答えを教えて」という聞き方は、思考を停止させる魔法の言葉です。これを「禁止ワード」に設定しましょう 。なぜなら、その一言が、考える冒険に出るチャンスを奪ってしまうからです。代わりに、「ヒントを3つ教えて」「この問題を解くための考え方を、ステップバイステップで説明して」といった、「思考を助ける聞き方」をするように、親子で練習することが不可欠です 。
これら5つのお約束は、単なる禁止事項ではありません。「安全を守るルール」と「思考力を育むルール」の両輪であり、AIと賢く付き合うための土台となるものです。
ChatGPTを「思考のパートナー」にする45の具体的な方法とプロンプト集

ルールを決めたら、いよいよ実践です。ここでは、ChatGPTを単なる検索エンジンや計算機ではなく、子供の思考力や創造力を引き出す「壁打ち相手」や「共同作業者」にするための具体的な使い方を45個、すぐに使えるプロンプト例とともに紹介します。
A. 宿題がはかどる「かしこい質問」編 (1-15)
目的は「答え」を得ることではなく、「理解」を深めることです。まずは、宿題でよくある「ダメな聞き方」を「かしこい聞き方」に変えることから始めましょう。
宿題がはかどる!「ダメな聞き方」VS「かしこい聞き方」変換表
| 宿題の場面 | ダメな聞き方(思考停止) | かしこい聞き方(思考のパートナー) | なぜ「かしこい」のか |
| 算数の文章問題 | この問題の答えを教えて。 | この文章問題を解くために、どんな手順で考えればいいか、ステップバイステップで教えて。答えはまだ言わないでね。 | 答えではなくプロセスに焦点を当て、子供が自分で解くための「考え方の地図」を手に入れられるから。 |
| 国語の読解問題 | この登場人物の気持ちを教えて。 | この場面の登場人物の気持ちについて、考えられる可能性を3つ、理由と一緒に教えて。 | 一つの正解を求めるのではなく、多角的な視点を持つ練習になり、読解が深まるから。 |
| 理科の用語 | 「光合成」って何? | 「光合成」の仕組みを、小学4年生の私がお母さんに説明できるように、たとえ話を使って教えて。 | 他者に説明することをゴールにすることで、表面的な理解ではなく、本質的な理解を促せるから 。 |
| 社会の調べ学習 | 徳川家康についてまとめて。 | 私は徳川家康について調べています。あなたが新聞記者だとして、家康にインタビューしたいことを5つ質問形式で考えてください。 | 一方的な情報収集ではなく、能動的な「問い」を立てる練習になり、探究心が刺激されるから 。 |
- わからない言葉を「たとえ話」で説明してもらう プロンプト例:
「慣性の法則」について、小学5年生にもわかるように、身近な乗り物を使ったたとえ話で説明してください。 - 算数の文章問題の「状況」を整理してもらう プロンプト例:
この算数の文章問題に出てくる情報を、箇条書きで整理して。何がわかっていて、何を求めればいいのかを明確にしたいんだ。 - 理科の実験の「次のステップ」を予測させる プロンプト例:
食塩水に電気を流す実験をしています。次に何が起こるか、考えられる変化を3つ予測してください。 - 社会の歴史上の人物になりきってインタビューする プロンプト例:
あなたは聖徳太子です。今から私がインタビューしますので、聖徳太子として答えてください。最初の質問です。「なぜ十七条の憲法を作ったのですか?」 - 国語の物語の登場人物の「気持ち」を分析させる プロンプト例:
物語「ごんぎつね」で、ごんが兵十に栗を届け続けた時の気持ちについて、考えられる感情を5つ挙げ、それぞれの理由を説明してください。 - 自分が解いた計算問題の「間違い探し」をさせる プロンプト例:
以下の計算をしましたが、どこかで間違えているようです。間違いの箇所を指摘し、なぜそれが間違いなのかを説明してください。[計算式を貼り付け] - 英作文を添削してもらい、より良い表現を提案させる プロンプト例:
以下の英語の文章を添削してください。文法的な間違いを直し、もっと自然で小学生らしい表現があれば3つ提案してください。[英文を貼り付け] - 漢字の成り立ちを物語にして教えてもらう プロンプト例:
「休」という漢字の成り立ちを、面白い短い物語にして教えてください。 - 苦手な単元の練習問題をレベル別に作ってもらう プロンプト例:
小学4年生の算数、「小数の割り算」の練習問題を作ってください。レベルは「簡単」「普通」「難しい」の3段階で、それぞれ3問ずつお願いします。答えもつけてください。 - 自由研究のテーマに関する「調べるためのキーワード」を挙げさせる プロンプト例:
自由研究で「アリの行列」について調べたいです。このテーマを深掘りするために、どんなキーワードで検索すれば良いか、10個提案してください。 - 読書感想文の「構成案」を3パターン提案させる プロンプト例:
「走れメロス」の読書感想文を書きます。構成に悩んでいるので、「友情」「信頼」「諦めない心」という3つの異なるテーマで、それぞれ序論・本論・結論の構成案を提案してください。 - 難しいニュースを「小学5年生がわかるように」要約させる プロンプト例:
以下のニュース記事を、小学5年生がクラスで発表することを想定して、300字以内で要約してください。専門用語は使わないでください。[記事を貼り付け] - 学習計画の相談相手になってもらう プロンプト例:
あなたは中学受験のプロの家庭教師です。算数の図形問題が苦手な小学6年生の僕のために、夏休みの1週間の学習計画を立ててください。平日は1時間、休日は2時間勉強できます。 - 調べた情報の「反対意見」を挙げさせて、多角的な視点を学ぶ プロンプト例:
「ペットボトルをリサイクルすべきだ」という意見について、あえて反対する立場から考えられる意見を3つ挙げてください。 - 自分の意見を、もっと説得力のある文章に書き直してもらう プロンプト例:
「学校の宿題は多すぎると思う」という僕の意見を、先生に提出する文章として、もっと説得力のある丁寧な言葉で書き直してください。理由は「遊ぶ時間がなくなるから」と「もっと探究学習がしたいから」です。
B. アイデアが広がる「発想の壁打ち」編 (16-25)
ゼロから1を生み出す創造的なプロセスを、AIとの対話で加速させます。
- 物語の主人公と設定を渡し、続きのストーリーを3パターン作らせる プロンプト例:
主人公は「時間を止めることができる小学生」、舞台は「お祭りの夜」。この設定で、ワクワクする冒険物語の続きを3つの異なるパターンで創作してください。 - 「空を飛ぶ魚」のようなお題で、新しい生き物をデザインさせる プロンプト例:
「砂漠に住む、氷でできた体を持つラクダ」という新しい生き物を考えてください。名前、性格、食べ物、特技などを詳しく設定してください。 - 新しいボードゲームのルールを考えさせる プロンプト例:
家族で遊べる新しいボードゲームのアイデアを考えています。テーマは「宇宙探検」です。ゲームの目的、基本的なルール、面白い特殊なルールを提案してください。 - 架空の国の文化や歴史を創作させる プロンプト例:
雲の上に浮かぶ島国「フワフワ王国」を創作してください。この国の政治、文化、食べ物、主な産業について、ユニークな設定を考えてください。 - 将来の夢について、その職業の「良いところ」と「大変なところ」をリストアップさせる プロンプト例:
僕は将来YouTuberになりたいです。YouTuberという職業の「やりがいや楽しいこと」と「大変なことや難しいこと」を、それぞれ5つずつ具体的にリストアップしてください。 - プレゼンテーションの聞き手を惹きつける「つかみ」のアイデアを出させる プロンプト例:
クラスで「地球温暖化」について発表します。みんなが「おっ!」と興味を持つような、最初の30秒で話す「つかみ」のアイデアを5つ提案してください。クイズ形式や意外な事実など、色々なパターンが欲しいです。 - 身の回りの問題の解決策を、突飛なものも含めて10個考えさせる プロンプト例:
学校の「給食の食べ残し」を減らすためのアイデアを10個考えてください。現実的なものだけでなく、SFのような突飛なアイデアも大歓迎です。 - 詩や俳句を作るための「季語」や「テーマ」のヒントをもらう プロンプト例:
夏の夕暮れをテーマにした詩を書きたいです。心に響くような美しい言葉や表現のヒントを20個ください。 - 図工の作品のアイデアを、材料から逆算して考えさせる プロンプト例:
図工の授業で、ペットボトルと牛乳パックだけを使って何かを作ります。この材料で作れる面白くてクリエイティブな作品のアイデアを5つ、作り方の簡単な説明付きで提案してください。 - 架空のインタビュー記事を作成する プロンプト例:
もしも発明家のエジソンが現代にタイムスリップしてきたら、という設定で、彼にスマートフォンについてインタビューする架空の記事を書いてください。
C. スキルが身につく「対話トレーニング」編 (26-35)
AIを相手に、言語能力や論理的思考、プログラミング的思考などを鍛えるトレーニングです。
- 英語でのロールプレイングの相手をさせる プロンプト例:
Let's practice English conversation. You are a clerk at a hamburger shop, and I am a customer. I will start. "Hello, I'd like to order." - 簡単なテーマでディベートの相手をさせる プロンプト例:
これから「小学校に制服は必要か」というテーマでディベートをします。あなたは「必要だ」という立場で、私は「必要ない」という立場で議論します。まず、あなたの主張を理由を3つ挙げて述べてください。 - プログラミングのコードの間違い(バグ)を見つけさせ、理由を説明させる プロンプト例:
以下のPythonコードは、1から10までの数字を足すプログラムのはずですが、うまく動きません。どこが間違っているか(バグ)を指摘し、正しいコードを提示してください。[コードを貼り付け] - しりとりやなぞなぞの相手をさせる プロンプト例:
今からなぞなぞを出し合って遊びましょう。私から出しますね。「パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?」 - 水平思考クイズ(ウミガメのスープ)の出題者になってもらう プロンプト例:
水平思考クイズ(ウミガメのスープ)を出題してください。私は「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしますので、あなたはそれに答えてください。 - 面接官になってもらい、自己紹介の練習をする プロンプト例:
あなたは中学校の入学試験の面接官です。今から私が自己紹介をするので、それに対していくつか質問をしてください。 - 特定のテーマについて、対話を通じて深掘り質問をさせる プロンプト例:
「なぜ勉強するのか」というテーマについて、私と対話してください。私が答えたら、その答えに対して「なぜそう思うの?」というように、どんどん深い質問を投げかけて、私の考えを整理する手伝いをしてください。 - 自分の考えを、論理的に矛盾がないかチェックさせる(論理の番人) プロンプト例:
あなたは優秀な論理学者の「論理の番人」です。私がこれから書く文章に、論理的な矛盾や飛躍がないかチェックしてください。[文章を貼り付け] - ある主張に対して、わざと意地悪な質問(批判的思考)をさせる プロンプト例:
私は「ゲームは勉強の役に立つ」と主張します。あなたはその主張に対して、批判的な視点から、わざと意地悪な質問を3つしてください。 - 架空の会議のシミュレーション プロンプト例:
これから「クラスの文化祭の出し物を決める」というテーマで、架空のクラス会議をシミュレーションします。あなたは司会者役です。私(Aさん)、Bさん、Cさんの3人の意見をうまくまとめながら、会議を進めてください。
D. 創造力を刺激する「親子で楽しむ創作」編 (36-45)
AIを共通の遊び道具にして、親子のコミュニケーションを深めながら創造性を育みます。
- 親子で主人公を交代しながら、リレー小説を書く プロンプト例:
親子でリレー小説を書きます。私が書いた続きの文章を要約して、次の人が書きやすいように「次はどうなる?」と問いかけてください。最初の文章:「むかしむかし、空飛ぶじゅうたんに乗った猫がいました。」 - 家族旅行のユニークなプランを立てさせる プロンプト例:
この夏、家族で京都に2泊3日の旅行に行きます。小学3年生の息子が楽しめるような、「忍者修行」をテーマにしたユニークな旅行プランを提案してください。 - 週末の料理のメニューを、子供が好きな食材から考えさせる プロンプト例:
週末の夕食のメニューを考えてください。子供が好きな「鶏肉」「チーズ」「じゃがいも」を使って、親子で一緒に作れる簡単なレシピを3つ提案してください。 - オリジナルのキャラクター(名前、性格、必殺技)を一緒に作る プロンプト例:
「雷」をモチーフにしたヒーローのキャラクターを一緒に考えてください。私が「名前は?」と聞いたら名前の候補を、私が「必殺技は?」と聞いたら必殺技のアイデアを出してください。 - ペットを主人公にした絵本のプロットを考える プロンプト例:
我が家の犬「ポチ」が主人公の絵本を作りたいです。ポチが夜中にこっそり冒険に出かける、というテーマで、起承転結のあるストーリーのプロットを考えてください。 - 家族のルールを、面白い理由をつけて憲法風に書いてもらう プロンプト例:
我が家のルール「夜9時までには寝る」「ゲームは1日1時間」を、まるで国の憲法のように、面白くて格式高い文章で書いてください。それぞれの条文に、ユーモラスな理由もつけてください。 - 替え歌の歌詞を一緒に作る プロンプト例:
「きらきら星」のメロディーで、今日の遠足の出来事を歌にする替え歌の歌詞を考えてください。キーワードは「お弁当」「バス」「水族館」です。 - 部屋の模様替えのアイデアを3Dモデルのように説明させる プロンプト例:
子供部屋の模様替えをしたいです。机とベッドの最適な配置を、部屋を上から見た図のように、言葉で説明してください。 - オリジナルのクイズ大会の問題と司会進行台本を作らせる プロンプト例:
家族でクイズ大会をします。「我が家の歴史」に関するクイズ問題を10問作ってください。また、私が司会をするための、面白い進行台本も作成してください。 - 今日の出来事を「ヒーローの冒険譚」風に語らせる プロンプト例:
今日の僕の出来事を、壮大なファンタジー小説のヒーローの冒険譚のように書き直してください。出来事:「学校でテストがあった。体育でドッジボールをした。給食はカレーだった。」
【エンジニアパパの豆知識】なぜChatGPTは平気で嘘をつくの?
ここまで読んでくださった方は、「AIってすごい!でも、やっぱり嘘をつくのが怖い…」と感じているかもしれません。その不安を解消するために、エンジニアの視点から「なぜAIが嘘をつくのか」を簡単に解説します。この仕組みを知ることで、AIを過度に恐れたり、逆に万能だと誤解したりすることなく、冷静に付き合えるようになります。
4.1. AIの頭の中は「確率」でできている
ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)は、実は人間のように言葉の「意味」を理解しているわけではありません 。彼らの頭の中は、膨大なテキストデータを学習して作られた「次に来る単語の確率マップ」のようなものです 。
たとえるなら、「世界中の本を全部暗記したけれど、その内容の意味は一切わかっていない物知り」です。彼らは「『私の職業は』という言葉の後には、『医者です』や『会社員です』が来る確率が高い」というパターンを無数に知っています 。そのため、人間が読んで自然に聞こえる文章を作るのは非常に得意ですが、その内容が「事実かどうか」を判断する能力は、もともと持っていないのです 。
4.2. 「ハルシネーション」はバグではなく「仕様」
AIがもっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」は、プログラムのバグや故障ではありません。それは、AIの「仕様」つまり、そういう仕組みだということです 。確率的に最もそれらしい単語を繋げていくという性質上、事実と異なる情報が生成されてしまうのは、ある意味で避けられないのです。
この「仕様」を理解することが、AIとの付き合い方で最も重要です。AIの答えは、常に「本当かな?」と疑ってかかる姿勢(お約束④)がなぜ必要なのか、その技術的な根拠がここにあります。
結局、一番大切なこと:AI時代に親ができること

ここまで、ChatGPTのリスク、ルール、そして具体的な活用法についてお話ししてきました。しかし、結局のところ一番大切なのは、ツールそのものではなく、それを使う私たち親子のあり方です。
5.1. 道具に使われるのではなく、道具を使いこなす
ChatGPTは、包丁や火と同じ「道具」です。使い方次第で、料理を豊かにする便利な道具にも、人を傷つける危険な凶器にもなります。重要なのは、AIという道具の特性(得意なこと、苦手なこと、危険なこと)を親子でしっかり理解し、「何のために使うのか」という目的を明確にすることです 。そして、その目的を子供と一緒に考えるプロセスこそが、最高の教育になります。
5.2. 「勉強しなさい」から「面白いこと見つけた?」へ
AIの登場は、親の関わり方を見直す絶好の機会かもしれません。これまでの「勉強しなさい」という一方的な命令は、子供のやる気を削いでしまいがちです 。それよりも、「今日はAIとどんな話をしたの?」「何か面白いこと、教えてくれた?」と、子供の発見や学びに興味を示し、寄り添う声かけをしてみてはどうでしょうか 。子供が頑張ったプロセスを認め、結果だけでなく努力を褒めることが、自己肯定感を育みます 。ChatGPTとの対話が、親子の対話のきっかけにもなるのです。
5.3. 答えのない問いに向き合う力を育む
これからの社会で本当に価値を持つのは、AIが簡単に出せる「正解」ではありません。むしろ、人間しか生み出せない「ユニークな問い」や「創造性」、「他者への共感」といった能力の価値が、相対的に高まっていきます 。ChatGPTを上手に使いこなし、思考のパートナーにすることは、まさにこの「答えのない問いに向き合う力」を育むための、最高のトレーニングになるのです。
結論
ChatGPTは、子供の宿題の味方か、敵か。
その答えは、私たちの使い方の中にあります。思考停止を招き、安易なズルに使えば、それは間違いなく「敵」となるでしょう。しかし、今日お話しした5つのお約束を土台とし、AIを「思考を深めるパートナー」として活用すれば、これ以上ない強力な「味方」になります。
AIを恐れて遠ざけるのではなく、親子で一緒にその可能性と限界を学び、試行錯誤していく。そのプロセス自体が、これからの時代を生きる子供たちにとって、何よりの財産になるはずです。
さあ、今日はお子さんと一緒に、どんな「かしこい質問」をAIに投げかけてみますか?

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