この記事のポイント
エンジニアに必要な英語力レベルとそのおススメ勉強方法を説明します。
- エンジニア歴12年
- TOEIC 550→850を3か月で達成
- 米国駐在経験あり
はじめに
近年グローバル化が進み、海外の人が日本を訪れる、海外の人と仕事をする、当たり前のように海外の人とウェブミーティングをするということが増えてきました。また、日本製品の存在感が相対的に低くなり海外製品を使う場面も多くなってきています。
そのような状況では理系中の理系職種であるエンジニアですら英語力が求められます。様々な場面で英語を使用する頻度が増えてきています。
正直英語に触れない日はほぼないです。
この記事ではエンジニアに求められる英語力とその英語力レベル別におススメの方法を解説します。これからエンジニアを目指す人、今エンジニアで英語に困っている人のお役立ちになれば幸いです!
エンジニアに必要な英語力 レベル分け
エンジニアに必要な英語のレベルは以下のようになります。
- レベル1 国内開発エンジニア (読み書きレベル) TOEIC:500程度
- レベル2 ときどき海外出張エンジニア (日常英会話レベル) TOEIC:600程度
- レベル3 国内常駐 海外顧客サポートエンジニア (ビジネス英会話レベル) TOEIC:800程度
- レベル4 海外駐在エンジニア(ビジネス英会話レベル+α) TOEIC:850程度
携わる業務に応じてレベル感はまちまちですが、ほぼすべてのエンジニアに英語力が求められるのは間違いないです。
レベル1 国内開発エンジニア
国内のみで開発しているエンジニアなので英語は不要かと言うとそんなことはまったくありません。エンジニアリングはグローバルで行われる活動です。その波はさらに広がっています。国内開発エンジニアでも英語が必要なシーンを以下のような場合があります。
- 製品マニュアル・特許文献の読み込み 頻度:ほぼ毎日
- 海外部品メーカとのやり取り 頻度:月1回程度
- 海外開発委託先とのやりとり 頻度:開発案件による
- 海外顧客とのやりとり 頻度:開発案件による
- 海外認証機関とのやりとり 頻度:月1回程度
理系の私がまさかこれほど英語に触れることになるとは。。。と思うくらい英語に触れます。
以下に各ケースの詳細を説明します。
マニュアル・特許文献が英語
まず第一に挙げられるのが製品マニュアルが英語で記載されているということです。最近では海外ベンダの部品を使う頻度が増えています。特に半導体製品では日本製のものが少なくなってきて、海外ベンダ製品に頼らざるを得ない状況です。かつ近年では日本市場のプレゼンスが下がってきており、日本語ドキュメントを用意してくれていないメーカもドンドン増えています。
ひと昔前は海外ベンダも日本語マニュアルを用意してくれていました。その代わりに中文マニュアルが増えています。こんなところでも日本の国力低下を感じます。
また、製品開発をする場合には、開発する製品が他社特許に抵触していないかを確認する必要があります。もちろん製品を販売する国の特許も調査する必要があるので、英語で書かれた特許をたくさん読む必要があります。さらに特許独特の言い回しにも慣れなければいけません。
特許調査では1000件以上の文献を読むとかはざらにあります。
従って、英文のリーディングスキルはエンジニアはほぼマストと言っても過言ではないです。
海外部品メーカとのやりとり
使う部品・製品が海外製ということも多くなってきています。体感で言うと1つの製品の中で5~6割は海外製部品が占めているような感じです。もちろんこれは作る製品によっては異なります。
マニュアルに記載がないレベルの情報(実力値や製品テスト方法等)や、特別な使用方法をしたい場合などはやはりその製品開発者に直接確認をしたり、打ち合わせが必要となってきます。
メールでの確認の場合は、ライティングのスキルが必要となります。さらには英語メールの型というのも知っている必要があります。
英語には敬語がないからラクチン!と思っているあなた。それは間違いです。英語にもビジネスに合った丁寧な表現というものは存在するのでメールライティングも気を付けてください。
打ち合わせの場合は、リスニングのスキルが重要になってきます。ただしこの場合はあくまでお客さんなので、商社の方や日本法人のフィールドエンジニアが間に入ってくれて通訳をしてくれたりするので、比較的気楽に構えることができます。
しかし、商社の方や日本法人の方も英語のプロフェッショナルというわけではないので完璧に通訳してくれるわけではないです。ちょっと怪しいなと思った時には、その点だけ深堀りしたり、打ち合わせ後にメールで再度しっかり確認するということが重要になってきます。
コロナが落ち着いてきたので、ここ数年やりとりがなかった海外部品メーカの訪問がとても増えています!
海外顧客とのやりとり
逆の立場でこちらが海外のお客さんの質問に対応しないといけない場合や営業に同行させられて技術プレゼンをすることがあります。こちらもメールでの対応や打ち合わせ対応が必要となってきます。
打ち合わせの場合では、英語ができる営業の方が同席してくれることも多いですが、技術的な細かい話になると営業の方では対応できないことが多いです。こちらからのプレゼンの場合は、しっかり台本を作ってから望むことが重要です。
海外開発委託先とのやりとり
最近では、開発自体を海外のベンダに依頼することも多いです。この場合に重要となってくるのは、英語で仕様書を書くことです。この場合はライティングスキルが重要となってきます。それに加えて、その業界独特の単語や言い回しも存在するので、それらを学習することが重要です。
前任者が作成した仕様書がある場合は、それを熟読することが大切です。
海外認証機関とのやりとり
メーカ設計者によくある業務ですが、海外規格を取得する業務があります。
ULやCEマーキング等が有名です。
この場合、取得する規格の内容を理解するために英語のドキュメントを読む必要がありますし、認証機関に提出するドキュメントはもちろん英語になります。さらには認証のための打ち合わせや立ち合い試験もあります。
ただし一応こちらがお客さんという扱いにはなるので、非常にわかりやすい英語で説明してくれますし、日本法人の方も同行してくれることが多いです。
基本的にはしっかりとした読み書きと認証独特の言い回しを覚える必要があります。
必要な英語レベル 読み書き
国内開発エンジニアでもこのように多くの英語を使うケースがあります。しかし、このレベルであれば「読み書き」スキルさえしっかりしていればまったく問題ありません。基本的には時間をかけてでも読んで内容を理解し、文章を書いて相手に伝えれればOKです。
最近では人工知能のおかげで翻訳ツールのレベルも格段に向上していますのでこれらも有効活用しましょう!
ときどき海外の人と打ち合わせがあるレベルで重要なスキルは、流ちょうな英語を話すことではなく、台本をしっかり作ってそれを説明することです。なのでこの場合はライティングスキルが重要になってきます。
読み書きのスキル向上のための学習方法
読み書きスキルの向上に役立つのはやはりTOEICの勉強となります。
なんだそんな当たり前のことを、と思われると思いますが、ビジネス英語の読み書きスキルの学習とその効果確認においては、TOEICほどコスパがよく、教材がそろったシステムは他にありません。従って、TOEICスコアの向上を目標に勉強することをおススメします。
おススメの教材
公式TOEIC問題集
TOIEC学習のためのおススメ教材はなんといってもTOIEC公式問題集です。はっきり言ってこれ1つをやりこんでおけばTOEICスコアアップには間違いはないです。
スタディサプリ L&R TEST対策コース
TOEICテスト対策のアプリと言えばこれ一択と言っても過言ではありません。私のTOEICスコア向上に間違いなく寄与したアプリです。
- TOEICテスト20回分の問題を繰り返し学習可能
- ディクテーション、シャドーイングのレッスンが可能、リスニング能力を大きく向上できる
- カリスマTOEIC講師 関先生の授業をいつでも閲覧可能
- AIによるランク判定、問題最適化により効率良く学習ができる。
これだけの機能が備わって月当たり2728円(年払い)はコスパが良すぎます。1回飲み会をガマンすれば払えてしまいます。
私がこのアプリですごいと感じた点はTOEICテスト問題が本番にマッチしすぎていた点です。もはや本番そのものではないかと驚きました。また、ディクテーションとシャドーイングもできるのでリスニング力向上につながり、英語での打ち合わせにも役に立ちます。
以下リンクからスタディサプリをお試しすることができます。7日間無料なのでぜひ試してみてください!
レベル2 ときどき海外出張エンジニア
海外生産拠点の立ち上げや海外顧客巡回等エンジニアが海外出張するケースは多々あります。年1~2回の海外出張は多くのエンジニアが経験することになると思います。
私は海外顧客の製品開発案件を担当していたときは、3か月に1回海外出張していました。
海外出張が発生するケースの例は以下のようなケースがあります。
- 海外生産拠点の立ち上げ
- 海外顧客マーケティング巡回
- 海外展示会視察
- 海外部品メーカ工場監査
必要な英語レベル 日常英会話
このレベルの出張では現地でアテンダントがつくことが多く、その方が通訳を担当していくれることが多いです。そのためビジネス現場では意外と困ることはありません。
しかし、ビジネスの場以外のホテル滞在や会食の場では通訳の方がついてくれることはありません。従って、こういった場では日常英会話ができないと困ってしまいます。そのために日常英会話でコミュニケーションできるレベルになっていないといけません。
日常英会話のスキル向上のための学習方法
日常英会話のスキル向上には
スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)がおススメです。さきほどのスタディサプリTOEIC L&Rコースの日常会話版となります。
有用な日常のユースケースを題材に教材が作りこまれており、こういったシーンではこれを覚えておけば大丈夫といったことを網羅してくれています。また、題材も飽きがこない楽しい作りになっています。
スマホでいつでもスキマ時間を使って学習ができる、コスパが良い、毎日継続させやすい学習管理といったスタディサプリのメリットがこちらにもありますので、本当におススメの神アプリです。
以下リンクからのお試しすることができますのでぜひトライしてみてください。
レベル3 国内常駐 海外顧客サポートエンジニア
近年はMicrosoft TeamsやZoomといったオンラインミーティングツールが拡充され、海外顧客サポートも国内から実施することがかなり増えてきました。このケースになるとほぼ海外駐在している場合と変わりないビジネス英会話レベルが求められます。
必要な英語レベル ビジネス英会話
相手の質問・要求を正確に把握して、それに対して的確な返答をする必要がでてきます。こういった顧客サポートに最も求められるものは間違いなく「リスニングスキル」です。打ち合わせをするのであれば「スピーキングスキル」が大事ではないのか?と思う方もいると思いますが、圧倒的に「リスニングスキル」の方が重要になってきます。
まずケースから考えると相手はお客さんとなります。その関係上、お客さんはこちらを気を使って話してくれるということはありません。従って、ネイティブスピーカーであればとんでもない弾丸トークを繰り出してきますし、非ネイティブスピーカーは結構メチャクチャな文法の英語で話してきます。
また、お客さんに対して、英語が分からなかったのでもう一回言ってくださいとはなかなか言いづらいということもあります。
それでも英語が分からなかったら聞きましょう!私もお客さんに3回聞き返して現地スタッフに止められたことがあります(笑)。しかし理解できないよりはマシですし。こちらの本気度も伝わります。
対してこちらのスピーキングは単純でレベルの低い英語でもとにかく内容が伝わればいいので、スピーキングは比較的高いレベルがなくても問題になりません。
リスニングの必要なレベルは相手次第というところがあるため、リスニングを重点的に鍛えるほうが間違いなくよいです。
そもそも相手の言いたいことが理解できなければ何も始まりませんよね。非ネイティブの英語学習の本質はリスニングであると考えます!
リスニングスキルを向上させるための学習方法
結論:まちがいなくシャドーイングです。
これは私の駐在自体の実体験上もっとも効果のあると感じたリスニング向上策です。
シャドーイングとは、耳から聞いた英語の文章を続けて即座に口から出すトレーニングです。シャドーイングはもともと同時通訳者のためのトレーニング方法です。
私的にシャドーイングのもっとも効果のある点は、「音声を集中して聞かざるを得なくなる点」だと考えています。よく英語のリスニング向上の勉強方法として、海外ドラマやYoutubeを見るといったことがあります。これも良い学習方法とは思いますが、流し見、流し聞きの状態になってしまい学習密度は低くなりがちです。対して、シャドーイングは聞いた音声を口から出す必要があるので、一言一句真剣に聞かざるをえません。これが学習密度を高くすることにつながり、短期間でリスニング力の向上につなげることができます。
どうせやるなら効率のよい学習がイイですよね!私は海外駐在中は通勤の車の中でシャドーイングをやっていました。
おススメの教材・サービス
スティーブ・ソレイシィの英会話シリーズ
ビジネス英会話の言い回しで本当にこれだけ押さえておけば完璧というフレーズをまとめてくれた至高の一冊です。本当に使えるフレーズのみが抽出されており、海外駐在中もこれでほぼ乗り切ったと言っても過言ではありません。なぜ英会話スクールや他の参考書が載せないのかと思えるくらい頻出の表現がまとまっています。これは海外駐在中に本当に実感しました。
海外駐在前に通っていた語学教室のネイティブの先生が最後にくれた本の内の一冊です。いや最初から渡せよと言いたくなるくらい使える一冊でした。
EnglishClass101.com
シャドーイングは無料の英語教材を使ってやっても問題はありません。私は有料でしたが、「EnglishClass 101.com」のプレミアムコースのリスニング教材でずっとシャードイングを行っていました。ネイティブのスピーキングと、英語文法を英語で学ぶことができるリスニング教材もあるので一石三鳥くらいのよい教材です。EnglishClass 101.comのサイトは以下となります。無料アカウントでも質の良いリスニング教材がありますのでぜひそちらで試してみてください。
シャドテン
海外駐在時代にこれがあれば間違いなく使っていただろうと思えるサービスです。
「PROGRIT」というマンツーマン英語コーチングサービスを展開している会社がより多くの人の英語力向上を図るために考案されたサービスです。
特徴は毎日シャドーイングの添削を行ってくれるというほぼマンツーマンレッスンに近い内容をお手頃な価格で提供してくれる点です。
独学のシャドーイングレッスンの唯一の問題点はフィードバックを受けることができないということです。シャドーイングの効果自体は間違いなくあるのですが、独学で行っていると自身で気づかない問題点(例えば発音やリズム)は修正することができません。また自身の成長度合いも客観的に評価することができません。そこでこのシャドテンを利用することで、客観的なフィードバックを得ることができ、改善点をデイリーで受け取ることができるため学習の問題点を即座に修正することができ、独学よりも格段の成長速度を実感することができます。
シャドテンは以下リンクからお試しすることができます。7日間無料体験が可能なのでぜひ試してみてください!
オンライン英会話レッスン Native Camp
最後はオンライン英会話レッスンです。英語の実践力を磨くには間違いなく素晴らしいサービスです。自分の英語が外国の方に通じるかの確認使うことをおススメします。逆を言えばそれ以外には特に使い道はないかと思います。
正直サービス・レッスンレベルはどこもレベルは同じだと感じました。私自身は3つのオンライン英会話レッスンを試した結果、本気で時間をかけれる人であれば「Native Camp」一択だと感じました。
ネイティブキャンプNative Campの特徴は以下です。
- レッスン回数無制限!(コスパバグってる)
- 英語瞬発力を鍛えることができる「カランメソッド」のレッスン可能(追加料金必要)
- ネイティブスピーカーとの話し放題コースあり
正直講師の方のレベルはほぼ横並びなので、レッスン回数無制限というのはかなり魅力的です。これで月々6480円は安すぎます。もはや運営側の人件費どうなってるのと思えるレベルの内容です。実際には忙しいビジネスパーソンは予約レッスンが必須だと思いますので、月々+1000円くらいの出費になると思います。
実は私は米国駐在中もこのNativeCampのサービスを使っていました。米国からでもオンライン英会話でやりとり遅延を感じなかったことも重要なポイントでした。
アメリカにいるなら現地人とコミュニケーション取って英語学べるじゃん、とツッコミがありそうですが、就業時間後に時間取って付き合ってくれるアメリカ人はいません。なぜなら皆さん家に帰って家族と過ごすからです。(特にカントリーサイド)
Native Campは今なら無料お試しができます。以下リンクからお試しください!
レベル4 海外駐在エンジニア
海外駐在エンジニアもビジネス英会話に関して言えば、基本的にはレベル3と状況は変わりません。ですがやはり現地でより快適に生活を送るとなると、「英語の瞬発力」を高めることが非常に重要であると感じました。現地の人より密度の高いコミュニケーションを取ろうとすると会話のスムーズさはとても大切です。
英語の瞬発力を向上させるための学習方法
私が英語の瞬発力を向上させるために行っていた学習は「瞬間英作文」です。
私たち非ネイティブは英語を話す時には基本的には、日本語で考えて→それを英語にして話す という作業必ず挟みます。どれだけ英語でコミュニケーションができるよになると言っても、思考はやはり母国語なのです。正直これはどれだけ現地で生活していても変わらない事実です。
この瞬間英作文は、「日本語で考えたことを瞬時に英語に翻訳する」作業を徹底的に鍛えてくれるものになります。シャドーイングの日本語を聞いて英語にするバージョンだと思ってもらえれば問題ありません。日本語の文章が流れてきて、それを瞬時に英語に翻訳するというトレーニングです。上記でおススメするペレ出版の「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」には音声教材CDがついており、これを使って上記トレーニング可能となります。
これによりお客さんとの打ち合わせや、はたまた会食の場と言ったところでも英語で発言することに躊躇することなくなりました。
これも通っていた語学学校の先生が最終日に教えてくれた方法です。いや最初に教えてよ、というくらい素晴らしいメソッドだと感じました。
さいごに 英語はとにかく継続力
各エンジニアレベル別に必要な英語力とその対策方法を説明してきました。私自身英語が苦手だったころから英語を使わざるえない環境に適応するためにいろいろとトレーニングしてきた経験に基づいてたどり着いた方法です。
しかし最終的に英語力向上で必要なことは、どこでも言われていますが結局は「継続力」です。とにかく毎日英語をやる。これに勝る向上方法はありません。
エンジニアは技術力だけでも素晴らしい存在ですが、英語力も身につけてさらに世界で活躍できる存在になりましょう!皆さんがより世界で活躍できるようになることを願っています!
エンジニアスキル×英語力で無敵の人材になりましょう!
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