- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

結論:どこの国のメーカーか?

結論から言うと、Shokz(ショックス)は中国・深センに技術的な本拠地を置くメーカーです。
母体は2004年に設立された「Shenzhen Shokz Co., Ltd.(深圳市韶音科技有限公司)」です。当初は軍事・警察用のヘッドセットを開発していました。しかし、単なる中国企業という枠には収まりません。グローバル展開のために米国テキサス州オースティンにも本社機能を置き、マーケティングや販売戦略を主導しています。つまり、「深センの圧倒的な技術開発力」と「米国の洗練されたブランディング」を掛け合わせた、ハイブリッドなグローバル企業というのがエンジニアとしての正確な認識です。
結論:買うことをおススメできるか?

間違いなく「買い」です。
私は10年以上エンジニアとしてハードウェアの品質を見てきましたが、Shokzのビルドクオリティは頭一つ抜けています。安価なコピー品が出回っていますが、音質、耐久性、装着感のすべての次元が異なります。特に「2年間の長期保証」が標準で付帯している点は、自社製品の耐久性に対する絶対的な自信の表れです。仕事でのWeb会議から、過酷なランニングまで、生活の質(QOL)を確実に上げてくれる投資になります。迷っているなら、正規販売店で正規品を買うことを強く推奨します。
このメーカーのおすすめ製品は?

エンジニア視点で、用途と予算に合わせた「鉄板」の3モデルを紹介します。
- 【エントリー】OpenMove
- コスパ最強モデル。上位機種より多少プラスチック感はありますが、USB-C充電に対応しており、専用ケーブルを持ち歩く必要がないのが最大のメリットです。初めての骨伝導に最適。
- 【ミドルレンジ】OpenRun (旧Aeropex)
- 信頼性の王者。IP67の防塵防水性能を持ち、水洗いも可能。急速充電にも対応し、最もバランスが取れた「失敗しない」モデルです。
- 【ハイエンド】OpenRun Pro 2
- 最新の最高傑作。骨伝導と空気伝導のハイブリッドドライバーを搭載し、骨伝導の弱点だった「低音」と「振動」を劇的に改善しています。USB-C充電に対応した点も、エンジニアとしては高評価です。
このメーカーの製品はよい製品か?

極めて優れた工業製品です。 彼らは中国政府から「リトル・ジャイアント(専精特新)」という、高い技術力を持つ企業に与えられる認定を受けています。特許取得数は1,000件を超え、他社が追随できない「技術の城壁」を築いています。 骨伝導特有の「音漏れ」や「くすぐったい振動」を、逆位相の音波をぶつける技術やドライバーの配置角度の工夫で世代ごとに克服してきました。単なるオーディオ機器ではなく、周囲の音を聞きながら安全に行動するための「安全装備」としても機能する、非常に完成度の高い製品群です。
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

現在は**「中国(Made in China)」と「ベトナム(Made in Vietnam)」**の二拠点で生産されています。
世界的なサプライチェーンのリスク分散(チャイナ・プラス・ワン)の流れを受け、Shokzもベトナム生産を拡大しています。例えば、コストコ専売モデルのOpenRun SEや、量産が安定しているスタンダードモデルはベトナム製が多い傾向にあります。一方で、最新技術や複雑な防水加工が必要なハイエンドモデル(OpenRun Proシリーズの初期ロットなど)は、開発拠点に近い深センの工場で製造されることが多いです。
設計はどこで行っているか?

製品の心臓部である研究開発(R&D)と設計は、主に中国・深センで行われています。
深センは「ハードウェアのシリコンバレー」と呼ばれ、部品調達から試作までのスピードが世界一速い都市です。Shokzはこの地に巨大なR&Dセンターを構え、基礎研究から製品設計までを一貫して行っています。エンジニアとして見ると、設計部隊と製造現場が物理的に近いことは、品質改善のサイクルを回す上で圧倒的な強みとなります。オースティン側は主に市場のフィードバックを設計側に伝える役割を担っています。
品質は大丈夫か?

品質基準は非常に厳格です。 例えば、ヘッドバンドに使われているチタン合金フレームは、10,000回以上の屈曲テストをクリアする仕様になっています。ねじっても広げても元の形状に戻る「形状記憶合金」の特性を活かし、ラフな扱いにも耐えます。 また、汗に含まれる塩分による腐食を防ぐための「塩水噴霧テスト」も実施されています。特にマグネット充電モデルには「液体検知機能」があり、濡れた状態で充電しようとするとアラートが鳴って回路を保護する安全設計が組み込まれています。設計品質、製造品質ともに高いレベルで管理されています。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

概ね高評価ですが、エンジニア視点でのリアルな口コミを分析します。
良い口コミ
- 「着けていることを忘れる」:軽さと側圧のバランスが絶妙で、一日中装着していても耳が痛くなりません。
- 「低音がすごい(Pro 2)」:最新のOpenRun Pro 2では「これが骨伝導か?」と疑うほどリッチな低音が出ると評判です。
- 「家事が捗る」:耳を塞がないので、子供の声やインターホンを聞き逃さず、ながら聴きができる点が育児層にも支持されています。
悪い口コミ
- 「マルチポイントの切替が遅い」:PCとスマホを同時接続した際、切替に数秒のラグが発生する場合があり、ファームウェア更新が必須です。
- 「風切り音」:自転車などの強風下では、マイクが風の音を拾ってしまい、通話相手に不快感を与えることがあります。
- 「充電ポートのキャップが面倒」:Pro 2でUSB-C化されましたが、防水のためにキャップ開閉が必要な点に賛否があります。
まとめ

Shokzは、中国・深センのスピード感ある技術力と、グローバルな品質基準を併せ持つトップメーカーです。 製造国が中国であれベトナムであれ、その品質は厳格に管理されており、エンジニアの私から見ても設計思想が非常に理にかなっています。「謎の中華メーカー」とは一線を画す存在です。 特に最新のOpenRun Pro 2は、骨伝導の限界を突破した名機です。仕事の効率化、ランニングの安全性、そして毎日の音楽体験をアップデートしたいなら、Shokzは間違いなく「後悔しない選択」になるでしょう。

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