こんにちは!「おやこプログラミング」のろぼてくです。
ホームセンターや家電量販店で、驚くほど手頃な価格の「オーム電機」製品を見かけて、「これって海外のメーカーなのかな?安くて嬉しいけど、品質は大丈夫?」と疑問に思ったことはありませんか?
実は僕も、電気製品の設計と品質業務に10年以上携わっているエンジニアとして、同じような疑問を持ったことがあります。だからこそ、今回はその疑問に専門家の視点から、どこよりも詳しく、そして分かりやすくお答えします。
この記事では、オーム電機がどこの国のメーカーかという結論はもちろん、エンジニアだからこそ分かる品質の実態、ユーザーのリアルな評判、そして具体的なおすすめ照明製品まで、徹底的に掘り下げていきます。
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

どこの国のメーカー 総まとめ
みんなが気になるあのメーカーの国籍と製品レビューがわかります!100社以上を徹底調査しています!

結論:どこの国のメーカーか?

結論から言うと、株式会社オーム電機(OHM ELECTRIC INC.)は日本のメーカーです 。本社は東京都豊島区にあり、企画開発や物流の拠点となる事業本部を埼玉県吉川市に構えています 。1958年に創業した、60年以上の歴史を持つ日本の企業です 。
しかし、ここで非常に重要な注意点があります。実は「オーム電機」という名前の会社は日本に2つ存在し、多くの人がこの2社を混同しています。これを理解することが、オーム電機製品を正しく評価するための第一歩です。
- 株式会社オーム電機 (OHM ELECTRIC INC.)
- 拠点: 東京都・埼玉県
- 事業内容: 照明、AVアクセサリ、理美容家電、PC周辺機器など、一般消費者向けの家電製品を幅広く企画・販売 。
- 特徴: 私たちが普段、家電量販店やホームセンターで見かけるのは、こちらの会社です。自社工場を持たないファブレスメーカーとして、企画・開発を日本で行い、製造を海外の協力工場に委託することで、高いコストパフォーマンスを実現しています 。
- オーム電機株式会社 (OHM ELECTRIC CO., LTD.)
- 拠点: 静岡県浜松市
- 事業内容: 制御盤用クーラー、配線パーツ(「キャプコン」が有名)、工場向けの環境機器など、法人向けの産業用機器を開発・製造 。
- 特徴: 「創造開発による社会との共生」を掲げ、自社での一貫生産体制を持つ技術志向のメーカーです 。
Wikipediaのページでも、この2社が全くの別会社であることが明記されています 。この記事でレビューしていくのは、もちろん前者、
一般消費者向けの製品を扱う東京のオーム電機です。この違いをしっかり認識しておきましょう。
結論:買うことをおススメできるか?

これも結論から。エンジニアとしての僕の答えは、「何を買うかを理解していれば、非常におすすめできる」です。
オーム電機製品の最大の魅力は、その「圧倒的なコストパフォーマンス」にあります。同等の機能を持つ大手国内メーカー品と比較して、半額近い価格で手に入ることも珍しくありません 。
僕の仕事で言う「コスト設計(Design to Cost)」という考え方があるのですが、これは「この価格で、これだけの機能を実現する」という目標を立てて製品を開発することです。オーム電機は、まさにこの達人。限られたコストの中で、ユーザーが求める機能を最大限に盛り込むのが非常に上手いのです。
ただし、その価格を実現するために、プレミアムブランドの製品とは異なる点もあります。例えば、筐体(ボディ)のプラスチックの質感や、内部の部品の耐久性など、見えにくい部分でコストの最適化が図られています。
ですから、「パナソニックのような最高級の品質や質感を、半額で手に入れたい」という期待で購入すると、少し違うかもしれません。しかし、「この価格で、調光・調色機能付きのLEDシーリングライトが手に入るなんて最高だ」と考えられるユーザーにとっては、これ以上ない選択肢となるでしょう。
このメーカーのおすすめ製品は?

オーム電機の強みは、特に「照明器具」の分野で発揮されています。ここでは、僕がエンジニア目線で価格、機能、そしてユーザーレビューを分析し、自信を持っておすすめできる製品を「エントリー」「ミドルレンジ」「ハイエンド」の3つのクラスに分けてご紹介します。
| クラス | 製品カテゴリ | モデル例 | 価格帯の目安 | 主な特徴・スペック | こんな人におすすめ |
| エントリー | シーリングライト | LE-Y24D6G-W4 | 3,500円~5,000円 | ~6畳用、3000lm、調光のみ、リモコン付 | とにかく安く、基本的な照明機能が欲しい。廊下や納戸、子供部屋などに最適。 |
| エントリー | デスクライト | DS-LS16D-W | 2,000円~2,500円 | コンパクト、500lm、タッチ式スイッチ、基本的な機能 | ちょっとした作業や、補助的な灯りとして。高い機能は不要な方向け。 |
| ミドルレンジ | シーリングライト | LE-Y37T8G-W1 | 6,000円~8,000円 | ~8畳用、3800lm、10段階調光&11段階調色 | リビングや寝室に。調光・調色機能で生活シーンに合わせたいコスパ重視の方。 |
| ミドルレンジ | デスクライト | ODS-LDC6K-W | 6,000円~9,000円 | JIS規格AA形準拠、高輝度2200ルクス、無段階調光&3段階調色、タイマー付 | 本格的な勉強や在宅ワークに。高価なモデルに匹敵する性能を求める方。 |
| ハイエンド | シーリングライト | LE-Y45DBG-W5 | 8,500円~10,000円 | ~12畳用、5000lm、広い部屋を照らす大光量、4段階調光 | 広いリビングなど、とにかく明るさを最優先したい方向けのパワフルモデル。 |
| ハイエンド | デスクライト | ODS-LDC6K-W | 6,000円~9,000円 | ミドルレンジと同じ | オーム電機の最上位モデル。プレミアムな機能をミドルレンジの価格で実現しており、同社のミドル~ハイエンドを兼ねる製品。 |
各モデルの深掘り解説
- エントリー (シーリングライト LE-Y24D6G-W4): まさに「これで十分」を形にしたモデル。調色機能はありませんが、4段階の調光とリモコンが付属し、6畳の部屋を照らすには十分な3000lmの明るさを持っています 。この価格でリモコン付きの基本性能が手に入るのは驚異的です。
- ミドルレンジ (シーリングライト LE-Y37T8G-W1): 僕がほとんどの方に一番おすすめするのがこのクラスです。10段階の明るさ調整(調光)に加えて、11段階の色味調整(調色)が可能です 。これにより、日中の活動的な時間は白い光(昼光色)、夜のリラックスタイムは暖かい光(電球色)といった使い分けができます。このフル機能が1万円を大きく下回る価格で手に入ることこそ、オーム電機の真骨頂です。
- ハイエンド (シーリングライト LE-Y45DBG-W5): 正直なところ、オーム電機はスマート機能や高級素材を使った「プレミアム市場」では戦っていません。彼らの「ハイエンド」は、純粋なパワーで定義されます。このモデルは12畳に対応する5000lmという圧倒的な光量が特徴 。広いリビングを隅々まで明るくしたい、というニーズに低コストで応えるための製品です。
- デスクライト (ODS-LDC6K-W): このデスクライトは、オーム電機製品の中でも特に優れた一品です。通常、倍以上の価格帯の製品でなければクリアが難しい、JIS規格の「AA形」に準拠しています 。これは、学習や読書に十分な明るさが、広い範囲に均一に届くことを示す規格です。無段階調光や3段階調色、タイマー機能まで備えており、本格的な学習やデスクワークのための「道具」として十分な性能を持っています 。
このメーカーの製品はよい製品か?

エンジニアの視点から「よい製品」を定義すると、「ターゲットとするユーザーのニーズを、彼らが納得する価格で的確に満たしている製品」となります。この定義に照らし合わせれば、オーム電機の製品は非常に「よい製品」だと言えます。
彼らの企業理念の一つに、「生活に必要な良い商品を適正な価格で提供することで、人々の暮らしを支えていく」というものがあります 。彼らは最高級品を目指しているのではなく、誰もが手に入れやすい価格で、生活を豊かにする便利な機能を提供することを使命としているのです。
例えるなら、自動車のトヨタのような存在です。メルセデス・ベンツのような高級感はありませんが、価格に対して非常に高い機能性と信頼性を提供し、多くの人々の生活を支えています。オーム電機は、家電業界におけるそのようなポジションを目指しているメーカーと言えるでしょう。
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

前述の通り、一般消費者向けの製品を扱う株式会社オーム電機は、自社工場を持たないファブレスメーカーです。
採用情報を見ると、商品の企画開発職の説明に「海外出張も発生します」「海外の協力工場への技術的なアドバイス」といった記述があります 。また、製造拠点を中国だけでなく世界各地に展開し、高い技術力と安価なコストを両立できる体制を整備しているとの情報もあります 。
これらの情報から、生産は主に中国やその他のアジア諸国にあるパートナー工場に委託されていることがわかります。これは現代の家電メーカーとしては非常に一般的なビジネスモデルで、企画開発という得意分野にリソースを集中させ、製造は専門の工場に任せることで、コストを抑えながら効率的に製品を生み出すことができます。
設計はどこで行っているか?

生産は海外ですが、製品の企画、設計、開発は日本国内で行われています。
その中心となっているのが、埼玉県吉川市にある事業本部です 。実際に、「LED照明器具の企画・開発・バイイング職」といった開発関連の求人は、この吉川本部で募集されています 。そこでは、日本の市場調査に基づいた商品企画や開発が行われており、日本のユーザーのニーズに合わせた製品作りがされているのです 。
つまり、製品のコンセプトや機能、デザインといった「頭脳」の部分は日本にあり、それを形にする「手足」の部分が海外の工場という分業体制が採られています。これは品質を考える上で非常に重要なポイントです。
品質は大丈夫か?

「安かろう悪かろう」ではないのか? ここが一番気になるポイントですよね。エンジニアとして、品質管理の観点から多角的に分析します。
ファブレスメーカーとしての品質管理
まず、自社工場を持たないファブレス経営では、品質管理が大きな課題となります。製造を外部に委託するため、生産ラインを直接管理することができないからです 。
この課題に対し、オーム電機は日本国内に品質管理部門を置き、担当者が海外の協力工場に技術指導を行ったり、品質基準書を作成したりすることで、品質の維持・向上に努めています 。これは、ユニクロや任天堂といった他の優れたファブレス企業も採用している手法で、外部委託のリスクを管理するための重要な仕組みです 。
法的な安全基準「PSEマーク」
日本の法律では、電気製品を販売する際に「PSEマーク」の表示が義務付けられています。これは、製品が国の定めた安全基準を満たしていることを証明するマークです 。
もちろん、オーム電機が国内で販売する製品にはこのPSEマークが付いています 。エンジニアの視点から言えば、PSEマークは「通常の使用において、感電や火災といった重大な事故が起きない」という、安全性の最低ラインを保証するものです。つまり、
法的な安全性は確保されていると考えて問題ありません。
自信の表れ「LED照明5年保証」
オーム電機が品質に自信を持っていることを示す、最も強力な証拠が「LED照明5年保証」制度です 。
LED照明の寿命は、LEDチップそのものだけでなく、電気を供給する電源回路の寿命に大きく左右されます。低価格な製品では、この電源回路の部品(特にコンデンサ)のコストを削ることがあり、それが原因でLEDチップより先に製品が故障するケースが散見されます。
5年という長期保証を付けるということは、こうした電源回路の部品も含めて、長期間の使用に耐える設計と部品選定を行っているというメーカーの意思表示です。「安くても、すぐに壊れるような作りにはしていませんよ」という、消費者に対する力強いメッセージと言えるでしょう。
誠実な対応が信頼を生む「リコール対応」
完璧な製品というものは存在せず、どんなメーカーでも問題が発生する可能性はあります。重要なのは、問題が起きた時にどう対応するかです。
2023年に、オーム電機は充電式のLEDデスクライトの一部ロットにおいて、内蔵充電池の不具合により発煙・焼損の恐れがあるとして、リコール(無償交換)を発表しました 。
このような情報を隠さず、速やかに公表して対策を講じる姿勢は、企業として信頼できる証拠です。問題が起きてもきちんと対応してくれるという安心感は、製品を選ぶ上で非常に重要な要素です。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

最後に、実際に製品を使っているユーザーのリアルな声を見ていきましょう。エンジニアとして製品の仕様書を見るのと同じくらい、僕はユーザーレビューから見えてくる「実世界での性能」を重視しています。
良い口コミ
- 圧倒的なコストパフォーマンスへの称賛 やはり最も多いのは、「この価格でこの機能はすごい」「安くて明るくてコスパ最高」といった、価格と性能のバランスを絶賛する声です 。特にシーリングライトは、「取り付けも簡単で、十分すぎるほど明るい」と、価格以上の満足度を得ているユーザーが多いようです 。
- 十分な機能と使いやすさ デスクライトについては、「アームが自由に動かせて便利」「明るさや色の調整ができて目が疲れにくい」といった、機能面での高評価が目立ちます 。シーリングライトのリモコン操作や調光機能についても、問題なく便利に使えているという声が多数派です 。
悪い口コミ
- 公称寿命より早く故障した 一部のユーザーからは、「40000時間もつはずのLED電球が1年で切れた」といった、早期故障の報告が見られます 。
- エンジニアの視点: これは先述の通り、LEDチップではなく電源回路の部品が先に寿命を迎えた可能性が高いケースです。製品の個体差や、浴室のような高温多湿な環境での使用(製品が対応していない場合)も寿命を縮める原因になります 。まさにこのようなリスクをカバーするのが「5年保証」の役割です。購入時のレシートや領収書は必ず保管しておきましょう 。
- 質感のチープさ 「質感が安っぽい」という意見も散見されます 。
- エンジニアの視点: これはコスト設計のトレードオフです。筐体のプラスチックを薄くしたり、シンプルな構造にしたりすることで、あの低価格が実現できています。機能に影響のない部分でのコスト削減であり、ある意味で価格相応と言えます。
- 性能のばらつきや物足りなさ 「人感センサーの反応が悪い時がある」「デスクライトがデスク全体を照らすにはパワー不足」といった声もあります 。
- エンジニアの視点: これらは、コストを抑えるために性能マージンが少ない部品が使われている可能性を示唆します。例えば、センサーは理想的な条件下では機能するものの、少し条件が悪くなると反応が鈍くなる、といった具合です。また、リモコンの感度が悪いという指摘 も、より安価な赤外線送受信パーツを使っていることが原因と考えられます。
まとめ

最後に、今回の調査結果をエンジニアブロガーとして総括します。
- オーム電機は日本のメーカー 私たちが家電量販店で目にする株式会社オーム電機は、東京に本社を置く日本の企業です。静岡の産業機器メーカーとは別会社です。
- 企画は日本、製造は海外のファブレス企業 製品の設計開発は日本のユーザーニーズに合わせて国内で行い、生産は中国などの海外工場に委託することで、高いコストパフォーマンスを実現しています。
- 最大の武器は「圧倒的なコスパ」 同価格帯の他社製品を上回る機能、または同機能の製品を他社より安く提供することに長けています。
- 品質は「保証」でカバー PSEマークによる法的な安全性はクリア。品質管理は日本から行われており、万が一の故障リスクに対しては、特に照明製品で「5年保証」という強力なセーフティネットを用意しています。
- 割り切りも必要 低価格を実現するため、外装の質感や一部部品の性能マージンは、高級ブランド品には及ばない場合があります。
最終的なおすすめ オーム電機は、「プレミアムな価格を払わずに、現代的な便利な機能を手に入れたい」という、賢い消費者にとって最高の選択肢の一つです。
製品の質感などについては過度な期待をせず、その分、5年保証を賢く利用するというスタンスで購入すれば、非常に満足度の高い買い物ができるでしょう。もし10年以上の完璧な信頼性が求められるような使い方をするのであれば、パナソニックなどの国内上位ブランドを検討する価値はありますが、ほとんどの家庭の日常使いにおいて、オーム電機の提供する価値は非常に大きいと、僕は結論付けます。
この記事が、あなたの照明選びの助けになれば幸いです!もしオーム電機製品を使った経験があれば、ぜひコメントで教えてくださいね。

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