こんにちは!元・電気製品の設計屋で、今は親子でプログラミングを楽しむエンジニアブロガーの「ろぼてく」です。
「最近よく聞くHiKOKI(ハイコーキ)って、どこの国のメーカーなんだろう?」 「プロ用の工具メーカーみたいだけど、家庭用の掃除機ってどうなの?」
DIYや家の掃除に関心を持つと、必ずと言っていいほど目にする緑色のボディのHiKOKI製品。私自身、仕事で10年以上も製品の設計や品質業務に携わってきたので、新しいメーカーや製品を見ると、つい中身の技術や品質のことが気になってしまいます。
そこで今回は、そんな皆さんの疑問に答えるべく、エンジニアとしての知識と経験を総動員して、HiKOKIというメーカーと、そのコードレス掃除機の実力を徹底的に掘り下げていきたいと思います!
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

どこの国のメーカー 総まとめ
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結論:HiKOKIは「日本」のメーカーです

まず、皆さんが一番知りたい結論から。HiKOKIは、紛れもなく「日本」のメーカーです 。
より正確に言うと、HiKOKIは「工機ホールディングス株式会社」という日本の企業が展開するブランド名です 。本社は東京都港区にあり、1948年設立という70年以上の長い歴史を持つ、由緒正しい日本のものづくり企業なんですよ 。
「あれ?でも昔は日立(HITACHI)じゃなかった?」と気づいた方は、かなり鋭い!
その通り、HiKOKIはもともと「日立工機」という、あの日立グループの電動工具部門でした 。プロの職人さんたちの間では、「日立のインパクトは壊れない」と絶大な信頼を得ていたブランドです。
では、なぜ名前が変わったのか? 2017年に日立グループから独立し、米国の投資会社KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)の傘下に入りました 。そして2018年に、グローバルにブランドを展開していくために、社名を「工機ホールディングス」、ブランド名を「HiKOKI」に一新した、という経緯があります 。
ここで大事なのは、「外資の傘下になったから、もう日本のメーカーじゃないの?」という疑問です。 これは、現代のグローバル企業を理解する上で非常に興味深いポイントです。資本、つまり会社のオーナーは海外になりましたが、製品開発の心臓部である研究開発拠点や主力工場は、今も茨城県ひたちなか市にあります 。
つまり、日立工機時代から受け継がれてきた日本の高い技術力や品質管理の哲学、いわば**「ものづくりの魂」は、そのまま日本に残っている**んです。資本はグローバル、魂はジャパン。これが現在のHiKOKIの姿だと、私は理解しています。
結論:【買うべき?】エンジニア視点で見るHiKOKIの掃除機

では、本題の「HiKOKIの掃除機は買うべきか?」という問いに対する私の結論です。
「『圧倒的なパワー』と『プロ仕様の耐久性』、そして『バッテリーの互換性』を重視するなら、強くおすすめします。ただし、家電メーカーのような『軽さ』や『デザイン性』を最優先するなら、その特性を理解した上で選ぶ必要があります。」
これが、元設計者としての私の率直な答えです。
HiKOKIの掃除機は、単なる「家電」ではありません。それは、過酷な建設現場で使われることを前提に作られた「プロ用の電動工具」のDNAを受け継ぐ、「掃除”ツール”」 なのです。
そのため、家庭で使うにはオーバースペックとも言えるほどの吸引力と、ちょっとやそっとじゃ壊れない頑丈さを誇ります。特に、後述する「マルチボルトバッテリー」のシステムは、DIYなどで他のHiKOKI製品を持っている方にとっては、この上ないメリットになります 。
一方で、その設計思想は「パワーと耐久性」に振り切っているため、一部のユーザーレビューで見られるように、家電メーカー製品に比べて「重い」「バランスが手元に偏る」といった声があるのも事実です 。この「プロ用ツールならではの割り切り」を理解できるかどうかが、満足度を分けるポイントになるでしょう。
用途別!HiKOKIのおすすめコードレス掃除機3選

「じゃあ、具体的にどれを選べばいいの?」という方のために、私がエンジニア目線で「これは!」と思う3つのモデルを、用途別に厳選しました。
エントリーモデル:10.8V コードレスクリーナ R12DC
こんな人におすすめ:
- ちょっとした食べこぼしやホコリをサッと掃除したい
- 車の中や作業場の掃除用として
- パワフルなセカンド掃除機が欲しい
まず初めにおすすめしたいのが、この10.8Vモデルです。最大の魅力は、1.1 kgという軽さと、30Wという必要十分なパワーの絶妙なバランス 。
実際に使ってみると、その手軽さに驚かされます。思い立った時にヒョイと手に取って掃除できるので、掃除のハードルがぐっと下がりますよ。ユーザーレビューでも、この「手軽さ」と「猫砂も吸える吸引力」が高く評価されています 。価格も本体だけなら1万円を切ることが多く、HiKOKIの世界に足を踏み入れる最初の一台として最適です 。
ミドルレンジ:18V コードレスクリーナ R18DC
こんな人におすすめ:
- 家のメイン掃除機として十分使える性能が欲しい
- DIYもするので、他の18V工具とバッテリーを共有したい
- パワーと長時間の稼働を両立させたい
次にご紹介するのが、HiKOKI製品の中で最もラインナップが豊富な18Vシリーズのモデル。まさに**「一家に一台」の万能選手**と言える存在です。
吸込仕事率は40Wにアップし、標準モードで約48分という長い連続使用時間を実現しています 。これだけあれば、家中をしっかり掃除できますね。私もこのモデルを愛用していますが、バッテリーの持ちが良く、フローリングの髪の毛やホコリなら標準モードで十分すぎるほどです 。
特筆すべきは、従来モデルに比べて大幅に静音化されている点 。パワフルなのに動作音が抑えられているのは、ご近所が気になる集合住宅では嬉しいポイント。HiKOKIの主力である18Vバッテリーを使い回せるため、コストパフォーマンスも抜群です 。
ハイエンド:36V マルチボルト コードレスクリーナ R36DB
こんな人におすすめ:
- コード付き掃除機はもう手放したい
- 吸引力こそ正義!パワーに一切の妥協をしたくない
- カーペットや絨毯の奥のゴミまでしっかり吸い取りたい
「コードレスは吸引力が物足りない」という常識を覆したのが、この36Vマルチボルトシリーズのフラッグシップモデルです。
その吸込仕事率は、なんと驚異の155W 。これは、家庭用のコード付きキャニスター掃除機に匹敵するレベルのパワーです。ユーザーレビューでも「コンセント式と遜色ない」「メイン掃除機として使える」という絶賛の声が多数寄せられています 。
このパワーのおかげで、他のコードレス掃除機が苦手とする絨毯やカーペットの掃除でも、ぐいぐいゴミを掻き出してくれます。価格はフルセットで4万円前後と高価になりますが 、その性能は価格以上の満足感をもたらしてくれるはず。まさに「究極のコードレス」を求める方のための1台です。
スペック比較表
一目で違いがわかるように、おすすめ3機種のスペックをまとめてみました。
| 特徴 | エントリーモデル (R12DC) | ミドルレンジモデル (R18DC) | ハイエンドモデル (R36DB) |
| 電圧 | 10.8V | 18V | 36V (マルチボルト) |
| 吸込仕事率 (最大) | 30W | 40W | 155W |
| 連続使用時間 (標準) | 約27分 | 約48分 | 約30分 |
| 質量 (バッテリー装着時) | 1.1 kg | 1.7 kg | 1.6 kg |
| 価格帯 (本体のみ) | 約6,000円 – 9,000円 | 約9,000円 – 14,000円 | 約15,000円 – 22,000円 |
| 最適な用途 | サッと掃除、車内、セカンド機 | 家中の掃除、DIY作業 | メイン掃除機、徹底的な掃除 |
HiKOKIは「良い製品」を作るメーカーか?技術者の魂を探る

私がHiKOKI製品を評価する上で、特に注目しているのが、その根幹を支える2つのコア技術です。これを知れば、HiKOKIがただの工具メーカーではないことがわかるはずです。
The Power Source: マルチボルト (Multi-Volt) Battery Technology
HiKOKIの強さを象徴するのが、この「マルチボルトバッテリー」です 。これは単なる大容量バッテリーではありません。
最大の特徴は、装着する工具に合わせて電圧を36Vと18Vで自動的に切り替えるインテリジェントな機能にあります 。これにより、ハイパワーが必要な36V製品(掃除機R36DBなど)と、膨大な数の既存18V製品の両方で、同じバッテリーが使えるのです 。
エンジニア的に解説すると、これは非常に画期的です。電力(W)は電圧(V)と電流(A)の掛け算(P=V×I)で決まります。同じパワーを出すなら、電圧を18Vから36Vに倍にすることで、流れる電流は半分で済みます。電流が少ないとモーターの発熱が抑えられ、エネルギー効率が上がり、高負荷な作業でも性能が落ちにくくなるのです 。
この技術は、ユーザーに「互換性」という利便性と、「高効率」という性能の両方を提供します。まさにHiKOKIの技術力の高さを物語るテクノロジーと言えるでしょう。
The Engine: ACブラシレスモーター (AC Brushless Motor)
もう一つの心臓部が「ブラシレスモーター」です 。従来のモーターには「ブラシ」という消耗部品があり、これが摩耗すると性能が落ちたり、交換が必要になったりしました。
ブラシレスモーターは、その名の通りブラシがないため、メンテナンスフリーで長寿命、かつエネルギー効率が非常に高いのが特徴です 。
HiKOKIのすごいところは、単にブラシレスモーターを搭載するだけでなく、独自の制御技術を組み合わせている点です。負荷がかかっても回転数が落ちないように制御したり、電圧が不安定な環境(長い延長コードを使った時など)でも性能を維持したり、さらには刃物が挟まった時にモーターを瞬時に止めて事故を防ぐ「キックバック軽減システム」といった安全機能まで盛り込んでいます 。
これは、HiKOKIが単に製品を設計するのではなく、バッテリーからモーター、制御システムまで含めた「一つのプラットフォーム」として開発している証拠です。掃除機を買うことは、その高性能なシステムの一部を手に入れることと同じ。このシステム思考こそが、製品の高い信頼性と性能を生み出しているのです。
設計と製造の拠点:品質はどこで生まれるのか
製品の品質を語る上で、どこで設計され、どこで作られているかは非常に重要です。
設計・研究開発 – 日本の頭脳

前述の通り、HiKOKIの技術開発の心臓部は、茨城県ひたちなか市にある**「勝田工場」** です 。ここで、マルチボルトバッテリーやブラシレスモーターといった革新的な技術が生まれ、製品の基本設計が行われています。
設計開発の拠点を国内に置いていることは、品質へのこだわりと、日本の高い技術力を維持しようとする強い意志の表れです。私が品質担当だった頃も、開発拠点と製造現場が近いことで、いかに細やかな品質改善が可能になるかを何度も経験しました。これは、製品の信頼性における大きなアドバンテージです。
グローバルな製造ネットワーク

一方で、製造に関しては、中国やマレーシアなどにも工場を持つグローバルな生産体制を敷いています 。これは、世界中に製品を安定供給し、価格競争力を保つためには当然の経営判断です。
重要なのは、どの工場で作られようと、品質基準は日本の開発拠点が厳格に管理しているという点です。日本の「頭脳」が生み出した設計と品質基準が、世界中の工場で忠実に再現される。これにより、どこで生産された製品であっても、高いHiKOKI品質が保たれているのです。
品質管理は大丈夫?元・品質担当の視点

元・品質担当の視点から、HiKOKIの品質について一言。
私が製品の品質を見極める時、一つの指標にしているのが**「その製品が、どんな環境で使われることを想定して作られているか」** です。
HiKOKIの製品は、基本的にプロの職人が使う電動工具です。それは、ホコリまみれの建設現場、雨の中の屋外作業、一日に何百回もスイッチを入切するような過酷な環境を想定しています。
そんな環境で壊れないように作られた製品が、家庭の室内で使う掃除機として、どれほど頑丈か。想像に難くないですよね。いわば、家庭で使うには「オーバースペック」なほどの耐久性が、標準装備されているのです。
日立工機時代から70年以上にわたって培われてきた、この「プロの現場で壊れない」ための品質管理ノウハウは、社名やブランド名が変わっても揺らぐことはありません 。この歴史と実績こそが、HiKOKI製品の品質を何よりも雄弁に物語っています。
ユーザーの生の声:HiKOKI掃除機の評判を徹底調査

最後に、実際に使っているユーザーのリアルな声を見ていきましょう。E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点からも、ここは非常に重要です。
良い口コミ
- 圧倒的な吸引力: 「コード付きと変わらないパワー」「現場の粉塵もグングン吸う」など、特に36Vモデルの吸引力を絶賛する声が圧倒的に多いです 。
- バッテリーの汎用性: 「他の工具とバッテリーを使い回せるのが最高」「本体だけ買えばいいのでコスパが良い」といった、HiKOKIユーザーならではの満足度の高い声が目立ちます 。
- 頑丈さ・安心感: 「作りがしっかりしている」「簡単には壊れなさそう」という、プロ用ツールならではの堅牢性に対する評価も高いです 。
- 手軽さ: 10.8Vなどの軽量モデルでは、「気づいた時にサッと掃除できるようになった」「掃除の頻度が上がった」という声が多く、生活を便利にしてくれる点が評価されています 。
悪い口コミ
- 重さとバランス: 「バッテリーが手元にあるので、長時間使うと腕が疲れる」「重心が高くて少し振られる感じがする」など、重量に関する指摘は最も多いネガティブな意見です 。
- カーペット性能: 「標準ノズルだと絨毯に張り付いて進まない」「ブラシ付きヘッドが欲しい」という声。パワーはあっても、ヘッドがシンプルな構造のため、毛足の長いカーペットには不向きと感じる人がいるようです 。
- ゴミ捨ての手間: 「ゴミを捨てる時にホコリが舞う」「フィルターの掃除が少し面倒」といった、ダストカップのメンテナンス性に関する指摘も見られます 。
- フィルターの目詰まり: 特に石膏ボードの粉など、細かい粉塵を吸う現場では、フィルターが目詰まりしやすく、こまめな清掃が必要になるというプロユーザーからの声もあります 。
これらの口コミを分析すると、一つの興味深い傾向が見えてきます。良い評価は「パワー」「耐久性」「バッテリーシステム」といった**「道具」としての性能に集中し、悪い評価は「重さ」「使い勝手」「メンテナンス性」といった「家電」としての洗練さ**に関連する部分に集まっているのです。
これはまさに、HiKOKIの掃除機が持つ「プロ用ツール」と「家庭用アプライアンス」の二面性を表しています。この製品の本質を理解し、自分の価値観と照らし合わせることが、購入後に後悔しないための最大のポイントと言えるでしょう。
まとめ:HiKOKIの掃除機は、こんな人におすすめ

さて、ここまでHiKOKIというメーカーと、その掃除機について深く掘り下げてきました。最後に、これまでの情報を総括して、「HiKOKIの掃除機は、どんな人におすすめなのか」を明確に示したいと思います。
HiKOKIは、日立工機時代からの歴史を受け継ぐ、日本の誇るべき技術者集団です。 その製品は、マルチボルトバッテリーやブラシレスモーターといった最先端技術に支えられた、プロ仕様のパワーと耐久性を誇ります。
その上で、HiKOKIのコードレス掃除機は、以下のような方にこそ、最高のパートナーとなるでしょう。
- すでにHiKOKIの工具を持っている方: バッテリーを共有できるメリットは絶大です。本体のみを追加購入すれば、驚くほど高いコストパフォーマンスで、超高性能な掃除機を手に入れることができます。これは「買い」以外の選択肢はありません。
- パワーを最優先する方: 「コードレスの吸引力には満足できない」と感じているなら、ぜひ36Vモデルを試してみてください。その圧倒的なパワーは、あなたの掃除機に対する価値観を変えるかもしれません。作業場やガレージのタフな掃除にも最適です。
- 長く使える良いものを求める方: 流行りの機能や軽さよりも、堅牢な作りと長期間にわたる信頼性を重視する方。HiKOKIの掃除機は、その期待に応えてくれるはずです。少々重くても、その質実剛健な作りに愛着が湧くタイプの方にぴったりです。
究極的に言えば、HiKOKIの掃除機を買うことは、単なる家電製品を買うというより、一つの高性能な「プロ用装備」に投資するようなものです。もし、その哲学に共感できるのであれば、あなたはきっと、この頼れる相棒に大きな満足感を得られることでしょう。

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