Blackviewはどこの国のメーカー?品質は?エンジニアが評判と実態を徹底解説【2025年版】

こんにちは!当ブログ「親子プログラミング」を運営している、エンジニアブロガーの「ろぼてく」です。私は普段、電気製品の設計や品質保証の業務に10年以上携わっています。

最近、Amazonや通販サイトで「Blackview」というメーカーのスマートフォンをよく見かけませんか?「ゴツゴツしてて頑丈そうだけど、一体どこの国のメーカーなんだろう?」「価格がすごく安いけど、品質は大丈夫なのかな…」と、気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、製品品質のプロであるエンジニアの視点から、このBlackviewというメーカーの正体、製品の品質、そして本当に「買い」なのかを、世の中の評判や技術的な背景を交えながら、徹底的に掘り下げていきたいと思います!

この記事を書いた人
  • 電機メーカー勤務
  • エンジニア歴10年以上
  • 品質担当経験あり
ろぼてく
目次

結論:どこの国のメーカーか?

早速、結論からお伝えします。Blackviewは中国のメーカーです 。  

2013年に実業家のXu Ming(David Xu)氏によって設立された、比較的新しいテクノロジー企業です 。運営母体は「  

Shenzhen Doke Electronic Co., Ltd. (深圳市多科電子有限公司)」という会社で、その名の通り、中国・深圳(しんせん)市に拠点を置いています 。深圳は「ハードウェアのシリコンバレー」とも呼ばれ、世界中の名だたるエレクトロニクス企業が集まる、まさに製造業の中心地ですね。  

一方で、公式サイトの会社概要などを見ると「DOKE COMMUNICATION (HK) LIMITED」として香港の住所が記載されていることがあります 。これを見て「拠点がはっきりしないけど、怪しい会社なのかな?」と不安に思う方もいるかもしれません。  

しかし、ご安心ください。これはグローバルに事業を展開する多くの中国企業が採用する一般的な手法です。技術開発や製造の拠点を中国本土の深圳に置き、国際的な貿易や金融の窓口として税制などで有利な香港法人を構えることで、ビジネスを円滑に進めているのです。Blackviewが世界80カ国以上に製品を輸出できているのも、こうした巧みなビジネス戦略があるからこそと言えるでしょう 。  

結論:買うことをおススメできるか?

次に、皆さんが一番知りたいであろうこの問い。「結局、Blackviewのスマホは買ってもいいの?」

私の結論は、**「特定の目的を持つ人には、非常におすすめできる」**です。

▼こんな人におすすめ

  • アウトドア活動(キャンプ、登山、釣りなど)が趣味の人
  • 建設現場、運送業、農業など、屋外や過酷な環境で仕事をする人
  • 過去にスマホを落として画面を割った経験があり、とにかく頑丈さを求める人
  • 最新の3Dゲームはあまりしないが、バッテリー持ちを最優先したい人
  • コストパフォーマンスを重視し、サーマルカメラのような尖った機能に魅力を感じる人

▼あまりおすすめできない人

  • 軽さや薄さ、スタイリッシュなデザインを最優先する人
  • スマートフォンのカメラでプロ並みの写真を撮りたい人
  • スピーカーの音質にこだわり、高音質で音楽や動画を楽しみたい人
  • ブランドのステータスやリセールバリューを重視する人

エンジニアの視点から言えば、Blackviewの製品設計は「全部入り」を目指すのではなく、「一点突破型」の思想で作られています。つまり、「堅牢性」と「大容量バッテリー」という2つの柱に開発リソースを集中させ、その代わりカメラ性能やスピーカー音質といった部分は価格相応に抑えるという、非常に明確なトレードオフが存在するのです 。この「割り切り」を理解し、自分の使い方に合っていると判断できる方にとっては、これ以上ない最高のパートナーとなり得るでしょう。  

このメーカーの製品はよい製品か?

「よい製品」の定義は人それぞれですが、設計思想という観点から見れば、Blackviewは「目的が明確な、よい製品」を作っているメーカーだと言えます。

「タフネス」への徹底的なこだわり

Blackviewの代名詞は、なんといってもそのタフネス性能です。業界でも先進的なダブルインジェクション成形技術(二色成形)を用いており、多くのモデルで以下の規格をクリアしています。

  • IP68 & IP69K:これは防水防塵性能を示す等級で、最高レベルの保護性能を意味します。「IP68」は「水深1.5mに30分間沈めても浸水しない」レベル、「IP69K」はさらに「高温・高圧の水流をあらゆる方向から受けても耐える」という非常に厳しい基準です 。  
  • MIL-STD-810G/H:これは米国国防総省が定める、米軍の調達品に求められる耐久性の規格です。落下、衝撃、振動、高温、低温、多湿など、様々な過酷な環境下でのテストをクリアした証となります 。  

品質業務に携わる者として言えば、これらの規格をクリアするには、設計段階から入念なシミュレーションと、数えきれないほどの物理的な破壊テストを繰り返す必要があります。これは「生活防水」といったレベルを遥かに超え、「業務用特殊機材」に匹敵する品質へのこだわりを示しています。

大容量バッテリーは正義

多くのモデルで、一般的なスマートフォン(約3,000〜5,000mAh)の1.5倍から2倍以上にもなる大容量バッテリーを搭載しています 。例えば、後述するBL9000 Proは8800mAh、過去には11000mAhというとてつもないバッテリーを搭載したモデル(P10000 Pro)もありました 。これは、電源の確保が難しい屋外での長時間使用を前提とした、実用性を最優先する設計思想の明確な表れです。  

尖った機能への挑戦

Blackviewは単なるタフネススマホメーカーに留まりません。「世界初の5G対応タフネススマホ(BL6000 Pro)」や、折りたたみ式でありながら低価格を実現した「HERO 10」など、ニッチな市場でも先進的な機能やユニークな製品を積極的に投入するチャレンジ精神を持っています 。  

このメーカーの生産地(工場)はどこか?

Blackviewの生産工場は、前述の通り中国にあります。

公式サイトの情報によれば、中国国内に8,500平方メートル規模の自社工場を保有していると公表されています 。拠点が深圳にあることから、部品の調達から製品の組み立てまで、世界最大級の電子機器サプライチェーン網が集積する広東省、特に深圳周辺の地域で行われていると考えるのが自然でしょう 。  

この「深圳エコシステム」の中に身を置いていることは、メーカーにとって非常に大きな強みです。最新の部品を安価かつ迅速に調達でき、試作品の製造や改良もスピーディーに行えます。品質管理の観点から見ても、部品メーカーと組立工場が地理的に近いことは、問題発生時の連携や品質改善サイクルの高速化に繋がり、大きなメリットとなります。Blackviewが多様なモデルを比較的短期間で市場に投入できるのも、この地の利を最大限に活かしているからに他なりません。

設計はどこで行っているか?

製品の心臓部である設計・開発(R&D)の拠点も、中国の深圳と北京に置かれています 。  

ハードウェアとソフトウェアの両方の開発を自社で行っており、特に製造拠点である深圳にR&Dセンターを構えることで、設計部門と製造現場が密に連携し、アイデアを素早く形にすることが可能です 。これは製品開発のスピードとコスト競争力に直結する、非常に重要なポイントです。また、中国の首都であり、多くのIT企業や研究機関が集まる北京にも拠点を置いていることから、ソフトウェアやAIといった分野の最先端技術も積極的に取り入れていることが伺えます。  

品質は大丈夫か?

「安かろう悪かろう」ではないのか?これは中華スマホに対して誰もが抱く疑問だと思います。エンジニアとして、この点を多角的に分析してみましょう。

結論から言うと、**「物理的な耐久品質は非常に高い。一方で、ソフトウェアや一部コンポーネントの品質は価格相応。ただし、日本市場で使う上での安全基準はクリアしており、安心して使える」**となります。

①構造品質(物理的な頑丈さ)

これはBlackviewが最も得意とし、最もコストをかけている部分です。前述のMIL-STD-810H準拠やIP68/IP69K防水防塵は、その品質の高さを客観的に証明しています 。筐体に使われるアルミ合金や硬質プラスチック、衝撃を吸収するために厚く設計されたコーナー部分など、物理的なダメージから内部の精密機器を守るための工夫が随所に見られます。これは、まぎれもなく「高品質」と言っていいでしょう。  

②部品品質(中身のパーツ)

スマートフォンの性能を左右するCPU(SoC)には、主に台湾の半導体メーカーMediaTek社のものが採用されています 。また、カメラセンサーにはSamsung製やSony製、SK Hynix製といった、世界中の多くのスマートフォンで採用実績のある大手メーカーの部品が使われています 。これらの部品自体は信頼性が高く、決して粗悪なものではありません。ただし、採用されているのは主にミドルレンジ向けのチップセット(例:Helio G99)や、少し前の世代のセンサーであることが多く、これは性能とコストのバランスを考えた上での意図的な選択です。  

③ソフトウェア品質

OSはAndroidをベースに、Blackviewが独自にカスタマイズした「DokeOS」を搭載しています 。基本的な操作感は素のAndroidに近いですが、ゲームモードや便利な独自機能も追加されています。一方で、口コミを見ると、時折動作が不安定になったり、特定のアプリとの相性問題が発生したりするケースも報告されています 。メジャーアップデートの提供頻度や長期的なソフトウェアサポートの面では、やはり世界のトップメーカーには一歩譲る可能性があることは念頭に置くべきでしょう。  

④安全・規制に関する品質(日本の技適・PSE)

私が製品の品質を見る上で、最も重要視しているのがこの点です。 Blackviewは日本市場を明確にターゲットとしており、国内で販売されている多くのモデルで**技術基準適合証明(通称:技適マーク)**を取得しています 。  

技適マークは、日本の電波法で定められた基準をクリアした無線機器であることを証明するものです 。このマークがないスマートフォンを日本国内で使用すると、電波法違反になる可能性があります。私たちがAmazon.co.jpなどでBlackview製品を安心して購入できるのは、メーカーが正規の手続きを経て技適を取得しているからです。  

同様に、スマートフォンに付属するACアダプターにはPSEマークの表示が義務付けられています 。これは日本の電気用品安全法に準拠している証であり、感電や火災といった事故のリスクがない安全な製品であることを示しています 。  

私が品質保証の業務で様々な海外製品を見てきた経験上、メーカーが日本の認証(特に技適)を正式に取得するには、少なくない手間とコストがかかります。それでもBlackviewがこれを行っているという事実は、「日本市場で真面目にビジネスを展開しようとしている」というメーカーの誠実な姿勢の表れに他なりません。これは、単なるスペック表からは読み取れない、メーカーの信頼性を示す非常に重要な「品質指標」だと私は考えています。

このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

製品の長所と短所をしっかり理解した上で購入するのであれば、全く問題ありません。実際に使っているユーザーからの評判も、「尖った長所」と「分かりやすい短所」に評価がはっきりと分かれる傾向にあります。

良い口コミ

  • 圧倒的な頑丈さ:「現場で何度も落としているが全く壊れない」「雨の中や風呂で使っても平気だった」など、そのタフネス性能を絶賛する声が最も多く見られます。アウトドア愛好家や現場仕事の方々にとっては、かけがえのない相棒となっているようです 。  
  • 驚異的なバッテリー持ち:「普通に使って3日間充電なしでいけた」「モバイルバッテリーを持ち歩かなくてよくなった」など、大容量バッテリーによる安心感を評価する声が多数あります 。  
  • 卓越したコストパフォーマンス:「この性能と頑丈さでこの価格は信じられない」「大手メーカーなら倍以上の値段がしそう」といった、価格に対する満足度が非常に高いのが特徴です 。  
  • 付属品が充実している:多くのモデルで、最初から画面保護フィルムが貼り付けられていたり、専用の保護ケースが付属していたりします。追加のアクセサリーを買う必要がなく、箱から出してすぐに使える手軽さが喜ばれています 。  

悪い口コミ

  • カメラ性能は価格相応:「写真は撮れるが、画質はあまり良くない」「色が不自然に鮮やかすぎる」「暗い場所での撮影は厳しい」など、カメラの画質、特にソフトウェアによる画像処理に不満を持つ声が見られます。記録用としては十分ですが、美しい写真を撮りたい方には向いていません 。  
  • スピーカーの音質が低い:「音がこもって聞こえる」「モノラルスピーカーなので迫力がない」など、音質はあまり期待できないという評価が一般的です。動画視聴や音楽鑑賞を重視する方は、Bluetoothイヤホンやスピーカーの使用が前提となりそうです 。  
  • 重くて大きい(特にタフネスモデル):頑丈さとの引き換えに、一般的なスマートフォンの1.5倍から2倍近い重量と厚みがあります。「ズボンのポケットに入れると重さでずり落ちる」「片手での操作は不可能」といった意見は、タフネスモデルの宿命とも言えるでしょう 。  
  • 充電が遅いモデルがある:大容量バッテリーを搭載しているにもかかわらず、充電速度が10W程度と遅いエントリーモデルも存在し、バッテリーが空の状態から満充電までかなりの時間がかかるという指摘があります 。  
  • 画面の解像度や輝度が低いモデルがある:エントリークラスの製品では、画面の解像度が低く文字が少し滲んで見えたり、屋外の明るい場所では画面が暗くて見えにくかったりする場合があります 。  

このメーカーのおすすめ製品は?

Blackviewのスマートフォンは非常にラインナップが豊富ですが、ここでは「エントリー」「ミドルレンジ」「ハイエンド(タフネス)」の3つのカテゴリから、2024年現在特におすすめできるモデルを厳選し、その特徴をエンジニア目線で解説します。

【表】Blackview おすすめスマートフォン スペック比較

スクロールできます
モデル (Model)カテゴリ (Category)主な特徴 (Key Feature)CPU耐久性 (Durability)こんな人におすすめ
Blackview SHARK 8エントリー120Hz液晶と十分な性能。普段使いに最適な高コスパ機MediaTek Helio G99標準 (タフネス非対応)安価でもサクサク動くスマホが欲しい人。ゲームもそこそこ楽しみたい人。
Blackview N6000ミドルレンジ (タフネス)4.3インチの小型タフネス。性能も十分な万能機MediaTek Helio G99MIL-STD-810H, IP68/IP69K頑丈さは欲しいが、大きなスマホは嫌だという人。バイクや自転車のナビ用にも最適。
Blackview BL9000 Proハイエンド (タフネス)5G対応&サーマルカメラ搭載。プロ向け特殊ツールMediaTek Dimensity 8020MIL-STD-810H, IP68/IP69K建設、電気、設備点検などのプロ。災害対策や本格的なアウトドア活動で使いたい人。

エントリーモデル:Blackview SHARK 9

「エントリーモデル」と言いつつ、その性能は侮れません。CPUにはミドルレンジの定番で非常に評価の高い「MediaTek Helio G99」を搭載し、AnTuTuベンチマークスコアは約40万点を記録します 。これは、LINEやWebブラウジングはもちろん、多くの3Dゲームも設定次第で快適にプレイできるレベルです。  

さらに、この価格帯では珍しいリフレッシュレート120Hzの滑らかなディスプレイや、33Wの急速充電に対応した5,000mAhバッテリーを搭載しており、日常使いでの満足度は非常に高い一台です 。タフネス性能は必要ないけれど、安くてサクサク動くスマートフォンが欲しい、という方に最適なモデルと言えるでしょう。  

ミドルレンジ(タフネス):Blackview N6000

私が個人的に最も注目しているのが、このユニークなモデルです。MIL規格に準拠したトップクラスのタフネス性能を持ちながら、4.3インチという異例のコンパクトさを実現しています 。  

CPUにはSHARK 8と同じく高性能なHelio G99を搭載しており、動作は非常に軽快です 。巨大化が進むスマートフォン市場において、「頑丈で、高性能で、コンパクト」という、他にはない唯一無二の価値を提供してくれます。作業着の胸ポケットや、バイクのスマホホルダーにもすっきりと収まるサイズ感は、多くの現場で重宝されるはずです。大きなスマートフォンが苦手な方にとって、まさに救世主のような一台と言えるかもしれません。  

ハイエンド(タフネス):Blackview BL9000 Pro

Blackviewの技術力の結晶とも言える、フラッグシップ・タフネスモデルです。これはもはや単なるスマートフォンではなく、「現場のプロフェッショナルツール」と呼ぶべき存在です 。  

最大の特徴は、FLIR社製の高精細なサーマル(熱画像)カメラを搭載している点 。これにより、肉眼では見えない熱源を可視化できます。例えば、電気設備の異常発熱箇所の特定、建物の断熱材の欠損調査、配管の水漏れチェック、さらには夜間の野生動物の観察など、その用途は無限大です。  

CPUも非常に高性能な「MediaTek Dimensity 8020」を搭載し、高速な5G通信に対応 。8800mAhの超大容量バッテリーと、わずか1時間で満充電可能な120Wの超急速充電も備え、まさにプロの過酷な要求に応えるための「全部入り」最強タフネススマホです 。  

まとめ

最後に、今回の調査結果をまとめます。

  • Blackviewは中国・深圳を拠点とする、タフネススマホを中核に据えるテクノロジー企業です。
  • 製品の品質は**「物理的な頑丈さはトップクラス、その他の性能は価格相応」**という、非常に分かりやすい特徴を持っています。
  • 日本の技適マークやPSE認証をしっかり取得しており、国内で安全かつ合法的に使用できる、信頼性の高いメーカーです。
  • 「軽さ」や「カメラ画質」よりも、「壊れない安心感」や「バッテリーの心配がない自由」を求める人にとっては、大手メーカー製品にはない唯一無二の価値を提供してくれる、非常に面白い選択肢と言えるでしょう。

この記事が、あなたのスマートフォン選びの参考になれば幸いです。製品の「スペック」だけでなく、その裏にある「設計思想」や「品質への取り組み」を理解すると、テクノロジーはもっと面白くなりますよ!

以上、エンジニアブロガーのろぼてくでした!

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この記事を書いた人

現役エンジニア 歴12年。
仕事でプログラミングをやっています。
長女がスクラッチ(学習用プログラミング)にハマったのをきっかけに、スクラッチを一緒に学習開始。
このサイトではスクラッチ/プログラミング学習、エンジニアの生態、エンジニアによる生活改善について全力で解説していきます!

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