こんにちは、「おやこプログラミング」のろぼてくです。私はエンジニアとして10年以上、様々な電気製品の設計や品質業務に携わってきました。その経験から、製品の「良い・悪い」を技術的な視点で見抜く勘所には自信があります。
「HUAWEI(ファーウェイ)の製品って、性能は良さそうだけど、どこの国のメーカーなの?」「品質は大丈夫?」「正直、買ってもいいの?」――店頭やネットでHUAWEI製品を見かけるたび、こんな疑問が頭をよぎる方は多いのではないでしょうか。
特にスマートフォンやWi-Fiルーターの分野で、一時期は市場を席巻するほどの勢いを見せたHUAWEI。しかし、昨今は様々なニュースが飛び交い、購入をためらってしまうのも無理はありません。
そこでこの記事では、そんなHUAWEIにまつわる全ての疑問に、技術者の視点から、そして一人のユーザーとしての体験談を交えながら、徹底的にお答えしていきます。この記事を読み終える頃には、あなたがHUAWEI製品を選ぶべきかどうかが明確になっているはずです。
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

結論:どこの国のメーカーか?

まず、最も基本的な疑問からお答えします。結論から言うと、
HUAWEIは中華人民共和国のメーカーです 。
1987年に任正非(ジン・セイヒ)氏によって設立され、本社は「中国のシリコンバレー」とも呼ばれる広東省深圳市にあります 。ここはアリババやテンセントといった中国を代表する巨大IT企業がひしめく激戦区で、その中で勝ち抜き、世界的な企業へと成長してきました。
元々は電話交換機の製造からスタートした会社ですが、今や通信インフラ、スマートフォン、PC、スマートウォッチ、そして最近では自動車関連技術まで手掛ける、世界有数の多国籍テクノロジー企業となっています 。その事業規模は凄まじく、世界170カ国以上で事業を展開し、世界の約3人に1人が何らかの形でHUAWEIの技術やサービスを利用していると言われるほどです 。
エンジニアの視点から少し補足させてください。「中国企業」と聞くと、漠然とした不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、HUAWEIは単なる「中国の巨大メーカー」ではありません。彼らは利益の多くを研究開発に投資する**「技術主導型」の企業**なのです 。この徹底した技術志向こそが、後ほど詳しく解説する製品の高い品質と、時として他社を圧倒するほどの性能の源泉になっています。
結論:買うことをおススメできるか?

次に、皆さんが最も知りたいであろうこの問いにお答えします。これも結論から。エンジニアとしての私の答えは**「製品カテゴリーと、あなたのITリテラシー次第で、強くおススメできる場合と、そうでない場合がある」**です。
非常に歯切れの悪い答えに聞こえるかもしれませんが、これが最も誠実な回答だと考えています。具体的に説明しましょう。
- Wi-Fiルーター製品:多くの方に強くおススメできる
- こちらは**「多くの方に強くおススメできる」**と断言できます。後述するソフトウェア的な制約がなく、技術的な完成度が非常に高い。それでいて、価格は他社の同等スペック製品より一段安いことが多く、コストパフォーマンスがずば抜けています。特別な知識がなくても、その高い性能を十分に引き出すことができます。
- スマートフォン製品:知識がある方向けの、趣味性の高い製品
- こちらは**「知識がある方向けの、趣味性の高い製品」**というのが私の見解です。ハードウェア、特にカメラ性能は今でも世界トップクラスです。しかし、後述する「GMS(Googleモバイルサービス)非対応」という、一般ユーザーにとっては致命的とも言える大きな制約があります。この問題を理解し、自分で対策や工夫ができる方にとっては、宝物のような一台になる可能性を秘めています。
私自身の話をすると、自宅ではHUAWEIのWi-Fiルーターを長年愛用しており、その安定性と速度には全幅の信頼を置いています。一方で、スマートフォンは過去に名機と言われた「HUAWEI P30 Pro」を使い倒しましたが、現在のGMS非対応モデルをメイン機として使うには、正直なところかなりの工夫と割り切りが必要だと感じています。このあたりの「リアルな使い勝手」も、この記事で包み隠さずお伝えしていきます。
このメーカーのおすすめ製品は?

ここでは具体的に、今(2025年時点)私がエンジニアの視点から自信を持っておすすめできるHUAWEI製品を「スマートフォン」と「ルーター」に分けて、エントリー・ミドル・ハイエンドの3つのカテゴリーでご紹介します。
スマートフォン(※注意点あり)
まず大前提として、非常に重要な注意点があります。米国の制裁により、2020年以降、HUAWEIは日本国内でスマートフォンの新製品をほとんど発売していません 。大手キャリアでの取り扱いも停止されたままです 。
そのため、ここでおすすめするのは、主に中古市場で優れたコストパフォーマンスを発揮する過去の名機たちです。そして、スマホ選びで最も重要な判断基準が「GMS(Googleモバイルサービス)に対応しているか否か」になります。
| カテゴリー | モデル名 | 主な特徴 | GMS対応 | 中古相場(目安) | こんな人におすすめ |
| エントリー | HUAWEI P30 lite | バランスの取れた性能と軽さ。今でも十分通用する普段使いモデル。 | 〇 (対応) | 8,000円~15,000円 | とにかく安く、そこそこ使えるスマホが欲しい方。GMS必須の方。 |
| ミドルレンジ | HUAWEI P30 Pro | Leica監修のカメラは今見ても圧巻。GMSが使える最後のハイエンド機。 | 〇 (対応) | 20,000円~35,000円 | 中古で最高のカメラ性能を求める方。GMSが必須な写真好きの方。 |
| ハイエンド | HUAWEI P40 Pro 5G | 圧倒的なカメラハードウェア性能。GMS非対応を乗り越えられる方向け。 | × (非対応) | 40,000円~70,000円 | GMS不要、純粋に最高のカメラハードウェアを安く手に入れたい技術者・マニア向け。 |
エントリーモデル:HUAWEI P30 lite
発売から数年経ちますが、約6.15インチのFHD+液晶、Kirin 710チップ、4GB RAMと、LINEやWeb閲覧、YouTube視聴といった日常使いでは今でも全く問題ないスペックです 。何より重要なのが、
GMSが標準で使えること。これにより、GoogleマップやGmail、Playストアからダウンロードする各種アプリも普通に使えます。中古市場で1万円前後で手に入るコストパフォーマンスは驚異的としか言いようがありません 。
ミドルレンジモデル:HUAWEI P30 Pro
これぞHUAWEIの名機。私自身もそのカメラ性能に惚れ込み、発売当時に購入して使い倒した一台です。ドイツの老舗カメラメーカーLeica(ライカ)が監修したクアッドカメラ、特に光学5倍のペリスコープ望遠レンズは、今のミドルレンジスマホでは到底太刀打ちできない圧倒的な描写力を持っています 。美しい有機ELディスプレイも搭載し、もちろんGMSもフル対応。中古でこのカメラ性能が手に入るのは、はっきり言って「破格」です 。写真好きで、GMSが必須な方には最高の選択肢でしょう。
ハイエンドモデル:HUAWEI P40 Pro 5G
5000万画素のメインセンサーを搭載し、カメラのハードウェアはP30 Proからさらに進化しています 。しかし、ここには
GMS非対応という非常に大きな壁が立ちはだかります。アプリはHUAWEI独自の「AppGallery」から探すか、「GBox」のようなサードパーティアプリを使って無理やり動かすことになります。これは万人向けでは到底ありません。しかし、「スマホは電話とLINE、あとは最高のカメラが使えればいい」と割り切れる方や、ガジェット好きで工夫すること自体を楽しめる方にとっては、このハードウェア性能をこの価格で手に入れられるのは非常に魅力的です。
ルーター
スマートフォンとは対照的に、ルーターは日本市場でも積極的に新製品が展開されており、非常に競争力があります。ソフトウェアの制約もないため、安心して選ぶことができます。
| カテゴリー | モデル名 | Wi-Fi規格 | 最大通信速度(理論値) | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
| エントリー | HUAWEI WiFi AX2 | Wi-Fi 6 | 1501Mbps | Wi-Fi 6を手頃な価格で。必要十分な性能。 | 一人暮らし、ワンルームや1LDKにお住まいの方。 |
| ミドルレンジ | HUAWEI WiFi AX3 | Wi-Fi 6 Plus | 2976Mbps | 高速・安定。コスパ最強のファミリー向けモデル。 | 戸建てや3LDK程度のマンションにお住まいのファミリー。 |
| ハイエンド | HUAWEI WiFi Mesh 7 | Wi-Fi 6 Plus | 6600Mbps | トライバンド対応。家全体をカバーするメッシュWi-Fi。 | 3階建てなど広い家で、どこでも高速通信をしたい方。 |
エントリーモデル:HUAWEI WiFi AX2
5,000円前後という価格で最新規格のWi-Fi 6に対応したルーターが手に入る、驚異的なコストパフォーマンスを誇るモデルです 。最大通信速度は1501Mbpsと上位モデルに比べると控えめですが、日本の多くの家庭で契約されている光回線の1Gbpsプランを考えると、性能を使い切れることはまずありません。Web閲覧や動画視聴がメインの単身者の方には、十分すぎる性能と言えるでしょう。
ミドルレンジモデル:HUAWEI WiFi AX3
私が「もし友人におすすめのルーターを聞かれたら、まずこれを挙げる」と断言する、現在のHUAWEIルーターの代表格です。クアッドコアCPUを搭載し、160MHzの広帯域幅に対応することで、多くのデバイスを接続しても速度が落ちにくいのが最大の特徴 。家族みんなでスマートフォン、PC、タブレット、ゲーム機などを同時接続するような現代の家庭環境でも、安定した高速通信を維持できます。1万円以下でこの性能は、他社製品と比較しても頭一つ抜けている印象です。
ハイエンドモデル:HUAWEI WiFi Mesh 7
「メッシュWi-Fi」とは、複数のルーター(親機と子機)が連携して、家中に網の目のようにWi-Fiエリアを構築する技術です。このモデルは、電波の帯域を3つ持つ「トライバンド」に対応しており、機器間の通信に専用の帯域を使うため、子機を増やしても速度低下が起きにくいのが強みです 。最大600㎡をカバーする性能は、鉄筋コンクリートの家や3階建ての戸建てなど、これまでWi-Fiの電波が届きにくかった場所でも、死角のない快適な通信環境を構築できます 。
このメーカーの製品はよい製品か?

「HUAWEIはよい製品を作っているか?」という問いに対して、エンジニアとしての私の答えは**「ハードウェアは紛れもなく一級品。しかし、ソフトウェア(エコシステム)がその足を大きく引っ張っている」**となります。
ハードウェアの卓越性
HUAWEIのハードウェア技術がなぜ優れているのか。その理由は、彼らの経営姿勢にあります。HUAWEIは年間売上の実に20%以上、日本円にして数兆円規模というとてつもない額を研究開発(R&D)に投じているのです 。これは並大抵の企業にできることではありません。この莫大な投資が、他社を凌駕するハードウェア技術の源泉となっています。
その象徴がスマートフォンのカメラ技術です。最新のPuraシリーズに見られる、スマートフォンとしては最大級の1インチセンサー、レンズの絞りを物理的に可変させる機構、さらにはレンズ自体が本体からせり出す「沈胴式」機構などは、その技術力の結晶と言えるでしょう 。もはやこれは「スマートフォンのカメラ」というより、「レンズ交換式カメラの機能を無理やりスマートフォンに詰め込んだ」というレベルの技術です。
この技術への執念は、逆境においてさらに研ぎ澄まされました。米国の制裁によってGoogleのOSや米国の半導体チップが使えなくなった際、多くの企業ならそこで立ち行かなくなります。しかしHUAWEIは、自社でOS「HarmonyOS」を開発し、半導体チップ「Kirin」や、ディスプレイ用の強化ガラス「Kunlun Glass」までも自社で開発・製造する道を選びました 。外部からの供給が絶たれるという最大の危機が、皮肉にも彼らのハードウェア技術をさらに進化させ、より独自性の高いものへと昇華させたのです。
ソフトウェアの課題
一方で、この制裁はHUAWEI製品に大きな足枷をはめることになりました。それが、先ほどから何度も触れているGMS(Googleモバイルサービス)の非対応です 。
これにより、Google Playストアが使えないため、普段私たちが当たり前に使っている多くのアプリ(特にゲームなど)がインストールできません。また、Gmail、Googleマップ、YouTubeといったGoogle製アプリも標準では動作しません。これは、日本の多くのユーザーにとって致命的な欠点と言わざるを得ません。ハードウェアがどれだけ素晴らしくても、それを活かすためのソフトウェア環境が整っていなければ、製品としての価値は半減してしまうのです。
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

HUAWEIの主要な生産拠点は、本社のある中国・深圳市とその周辺エリアに集中しています 。特に近年では、半導体の内製化という悲願を達成するため、深圳市に巨大な半導体工場群を建設中であることが報じられています 。また、湖北省武漢市にも同社初の自社半導体工場が完成しています 。
エンジニアとして注目すべきは、彼らが単なる組み立て工場だけでなく、製品の心臓部である半導体チップの製造まで自国で完結させようとしている点です。米国の制裁により海外からの部品調達が困難になったことを受け、彼らは「サプライチェーンの完全国産化」という壮大な目標を掲げました 。最新のスマートフォンでは、部品の国産化率が90%以上に達しているとも言われています 。これは、一企業の戦略を超えた、国家レベルのプロジェクトとも言えるでしょう。
そして、少し意外な話ですが、過去には千葉県船橋市に通信機器の工場を建設する計画もありました 。これは中国企業としては非常に珍しい動きで、日本市場への強いコミットメントと、日本の高い製造技術への評価を示すものと考えられます。品質管理に厳しい日本のエンジニアとしては、この動きには非常に注目していました。
設計はどこで行っているか?

HUAWEIはグローバル企業であり、研究開発拠点(R&Dセンター)は世界中に点在しています 。実は、日本にも神奈川県横浜市に研究所があります 。
しかし、その設計・開発の中核を担うのは、やはり中国国内の2つの巨大拠点です。一つは本社機能も持つ深圳市坂田基地 、そしてもう一つが、そこから車で1時間半ほどの場所にある
東莞市松山湖キャンパスです 。
特にこの松山湖キャンパスは、私たちの想像を絶する場所です。東京ドーム25個分以上という広大な敷地に、なんとヨーロッパの12の都市を模した美しい街並みが再現されているのです 。驚くべきことに、この壮大なキャンパスの設計を手掛けたのは、日本の大手設計事務所である日建設計です 。
なぜ、まるでテーマパークのような環境を作ったのか?そこには、創業者である任正非氏の「空気のきれいな落ち着いた場所の方が、研究開発に集中できる」という思想が反映されています 。これは、エンジニアが最高のパフォーマンスを発揮するための環境づくりに、HUAWEIがいかに投資を惜しまないかを示す象徴的な例です。最高の製品は、最高の環境から生まれる。彼らはそのことを深く理解しているのです。
品質は大丈夫か?

製品の品質保証業務に長年携わってきた私の視点から、この問いに答えます。結論として、HUAWEI製品のハードウェアの物理的な品質は、非常に高いレベルにあると言えます。
私が製品の品質を見るとき、まず注目するのは筐体の作りです。HUAWEIのスマートフォンを手に取ると、部品と部品の間の隙間(チリ)が非常に少なく、均一であることに感心させられます。安価なモデルでさえ、プラスチックの質感が安っぽくないという評価が多いのも特徴です 。これは、部品を作るための金型の精度や、工場での組み立て工程の管理レベルが非常に高いことを示唆しています。
また、設計段階での耐久性への配慮も見て取れます。例えば、Pura 70 Ultraのカメラレンズが物理的にせり出す機構は、一見すると壊れやすそうに思えます。しかし、これが30万回以上の伸縮に耐える設計であると公表されている ことは、厳しい耐久性試験をクリアしている証拠です。設計段階で故障しやすい箇所を予測し、それに対する対策をしっかりと講じていることが伺えます。
もちろん、完璧な製品はありません。ユーザーの口コミを見ると、「落としても画面が割れなかった」 という耐久性を評価する声がある一方で、「画面に傷がつきやすい」 、「アプリが頻繁に強制終了する」 といったソフトウェアの安定性に関する指摘や、特定のモデルでのバッテリー劣化の速さ など、個別の問題点も報告されています。
総じて、製品の中核となるハードウェアの設計・製造品質は信頼できます。ただし、ソフトウェアの最適化や、一部の部品の品質にバラつきが存在する可能性はある、というのが私の評価です。これはどのメーカーでも起こりうることですが、気になる方は購入前に特定のモデルの長期レビューなどを確認することをお勧めします。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

ここでは、インターネット上で見られるリアルな口コミを「良い評判」と「悪い評判」に分けて整理し、HUAWEI製品が世間でどのように評価されているのかを客観的に見ていきましょう。
良い口コミ
- 圧倒的なカメラ性能(スマートフォン)
- 「Pシリーズのカメラは暗所やズーム撮影のクオリティが特に高い」
- 「AI補正が優秀で、誰でもSNS映えする鮮やかな写真が撮れる」
- 「動いている子供やペットを撮ってもブレない。手ブレを気にしなくていいのが楽」
- 高いコストパフォーマンス(全体)
- 「値段で選んだが、軽さ・薄さ・使いやすさが最高だった」
- 「この性能でこの価格は、他のメーカーではありえない」
- ルーターは「安価で悪くない選択肢」 、「コスパが非常に高い」 という声が多数を占めています。
- 優れたハードウェアデザインと性能(全体)
- タブレットは「まるでミニシアターレベル」の画質・音質と絶賛されています 。
- スマートフォンの指紋認証が爆速で快適、という声は非常に多いです 。
- ルーターの通信速度と安定性は「素晴らしい性能」「文句なしのスピード」と、多くのユーザーが満足しています 。
悪い口コミ
- GMS非対応とアプリの制約(スマートフォン)
- これが最大の懸念点であり、最も多く見られる不満です。「Googleサービスが利用できないのが致命的」 。
- 「製品自体はすごく良いのに、Google Playが使えないせいで買い替えを断念した」という、製品の良さを認めつつも使えないジレンマを吐露する声が目立ちます 。
- セキュリティとプライバシーへの懸念(地政学的要因)
- 米政府などから「安全保障上の脅威」と指摘されている事実 を不安視する声は根強くあります。
- 「中国に情報が流出する可能性もゼロではないのでは」という漠然とした不安を感じるユーザーもいます 。
- これについてHUAWEI側は、スパイ活動などの具体的な証拠は提示されていないと主張しています 。しかし、一消費者としては無視できない点であり、最終的には個人のリスク許容度に応じて判断する必要があります。
- ソフトウェアの使い勝手やバグ
- 「LINEの通知がたまに遅延することがある」
- 「特定のアプリが理由なく強制終了することがある」
- スマートウォッチでは「専用アプリの使い勝手がイマイチ」「iPhoneとの連携機能が一部制限される」といった指摘があります 。
これらの評判をまとめると、HUAWEI製品は一種の「評価のパラドックス」に陥っていることがわかります。ハードウェアの性能だけを純粋に見れば、技術に詳しいユーザーからは絶賛の声が上がります。しかし、一般のユーザーにとっては、地政学的なニュースから来る漠然とした不安や、GMS非対応という非常に現実的な不便さが、その素晴らしいハードウェアの評価を上回ってしまうケースが多いのです。
あなたがHUAWEI製品を評価するとき、どちらの側面をより重視するか。それが、購入を判断する上での鍵となるでしょう。
まとめ

最後に、この記事の要点をまとめます。
- HUAWEIは、中国・深圳に本社を置く、世界トップクラスの技術力を持つテクノロジー企業です。
- 製品の品質、特にハードウェアの設計・製造技術は紛れもなく一級品です。これは、年間数兆円規模というとてつもない研究開発投資に支えられています。
- Wi-Fiルーター製品は、ソフトウェア的な制約がなく、高い性能と優れたコストパフォーマンスを両立しており、万人におすすめできる鉄板製品と言えます。
- スマートフォン製品は、カメラ性能などのハードウェアは最高峰ですが、GMS非対応という大きな制約があります。この点を理解し、自力で工夫や解決ができる技術に詳しい方向けの製品と言えるでしょう。ただし、中古市場にはGMSが使える過去の名機という魅力的な選択肢も存在します。
「HUAWEIは買うべきか?」という問いに対する、一人のエンジニアとしての私の最終的な答えは、こうです。
「家のインターネット環境をとにかく快適にしたいなら、HUAWEIのルーターは最高の選択肢の一つ。しかし、スマートフォンを何の気兼ねもなく便利に使いたいなら、残念ながら今は他のメーカーを選ぶのが賢明だろう。」
技術の世界の進歩は非常に速く、今日の常識が明日には変わっていることも珍しくありません。今後、HUAWEIがソフトウェアという大きな壁を乗り越え、再び日本のスマートフォン市場でその圧倒的な技術力を見せつけてくれる日が来ることを、一人のエンジニアとして、そして一人のガジェット好きとして、心から楽しみにしています。
この記事が、あなたの製品選びの一助となれば幸いです。

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