こんにちは!「おやこプログラミング」の、ろぼてくです。
僕は現役で10年以上、電気製品の設計と品質保証の仕事に携わっています。最近、わが家でも「揚げ物をヘルシーに、しかも手軽に作りたい!」という声が高まり、人気のノンフライヤー(エアフライヤー)が気になっていました。
中でも、デザインもおしゃれで口コミも多い「COSORI(コソリ)」というブランド。読者の方からも「COSORIって、どこの国のメーカー?」「品質は信頼できるの?」といった質問をいただくことが増えました。
そこで今回は、僕の職業柄である「製品品質の勘所」をフル活用して、COSORIというメーカーを技術者の視点から徹底的に調査・分析してみました。単に「どこの国か」という情報だけでなく、設計思想、生産背景、そして最も重要な「品質と安全性」について、どこよりも詳しく解説していきます。
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

結論:どこの国のメーカーか?

早速、結論からお伝えします。COSORIは、アメリカ発の家電メーカーのブランドです 。
より正確に言うと、COSORIは「VeSync Co., Ltd」というグローバル企業が展開するキッチン家電ブランドの一つです。このVeSync社は2011年にアメリカのカリフォルニア州で設立されました 。
VeSync社はCOSORIの他に、空気清浄機で有名な「Levoit(レボイト)」や、スマートホームガジェットの「Etekcity(イテクシティ)」といったブランドも展開しており、特にアメリカのオンライン市場では非常に高い評価を得ています。例えば、Amazon USではノンフライヤー部門で売上ランキング2位、小型家電全体でも3位という実績を持つ、実力派のメーカーです 。
日本には2019年に進出しており、東京の千代田区に日本法人が設置されています 。
COSORI / VeSync 企業概要
| 項目 | 内容 |
| ブランド名 | COSORI (コソリ) |
| 親会社 | VeSync Co., Ltd |
| 設立年 (VeSync) | 2011年 |
| 本社所在地 (VeSync) | アメリカ カリフォルニア州 アナハイム |
| 事業内容 | 小型家電製品、スマートホームデバイス |
| 日本法人 | Vesync Japan株式会社 |
| 日本法人所在地 | 東京都千代田区 |
ここで一つ、エンジニアとしての補足です。「アメリカのメーカーなのに、製品の箱にはMade in Chinaと書いてあるけど?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
これは現代の家電メーカーではごく一般的なグローバル体制です。VeSync社も、アメリカ本社で製品の企画やブランド戦略を立て、中国の深圳(しんせん)にある開発拠点で具体的な製品設計や開発を行い、世界最高水準の製造インフラを持つ中国の工場で生産するという分業体制をとっています 。これは、AppleのiPhoneなど、世界のトップ企業が採用しているのと同じ、効率的で質の高い製品を開発するための最適なモデルなのです。
結論:買うことをおススメできるか?

これも結論から。はい、日本の市場で正規に販売されている製品であれば、自信をもっておススメできます。
「え、でも海外でリコールがあったって聞いたけど…」と心配される方もいるでしょう。その点については、後の「品質は大丈夫か?」の章で、僕が「なぜ日本の製品なら大丈夫だ」と判断したのか、技術的な根拠を詳しく解説します。
製品の設計思想、機能性、そして日本市場における安全性への取り組みを総合的に評価した結果、COSORIは非常にコストパフォーマンスに優れた、良い選択肢であると判断しました。
このメーカーのおすすめ製品は?

COSORIのノンフライヤーはラインナップが豊富ですが、どれを選べばいいか迷いますよね。わが家でも「子どももいるし、容量はどれくらいがいい?」「機能はシンプルな方がいい?」と議論になりました。
ここでは、家族構成や使い方に合わせて、僕がエンジニア目線で選んだ3つのモデルをご紹介します。
エントリーモデル:一人暮らしや夫婦二人、サブ機にも最適
COSORI Lite 2.0L ミニノンフライヤー (COLI211C)
- 特徴: A4サイズほどのコンパクトさで、置き場所に困りません。容量は2.0Lで、1〜2人分の調理にぴったり。唐揚げなら6個程度、食パンも1枚焼けるサイズ感です 。
- エンジニアの視点: このモデルの注目点は、消費電力が900Wと低めに抑えられている点です 。これは、多くのポータブル電源の定格出力内で動作可能ということ。つまり、家庭内だけでなく、キャンプや車中泊といったアウトドアシーンでも活躍できる、隠れた実力を持っています 。
ミドルレンジ:ほとんどの家庭にフィットする万能モデル
COSORI PRO LE 4.7L ノンフライヤー (CAF-L501)
- 特徴: 3〜5人家族に最適な4.7Lの大容量モデル。9つの調理プリセット機能が搭載されており、ボタン一つで様々な料理に対応できます 。
- エンジニアの視点: このモデルの強みは、最高温度が230℃と高いこと 。高温で一気に加熱できるため、肉の表面をカリッと焼き上げたり、揚げ物のサクサク感をより強く引き出したりできます。また、COSORI独自の技術で運転音が55dB以下に抑えられており、リビングと一体化したキッチンでも会話を妨げにくい静音性も、日々の使いやすさを左右する重要な品質です 。
ハイエンド:大家族や料理好きのための高機能モデル
COSORI TurboBlaze 6.0L ノンフライヤー (CAF-DC601)
- 特徴: 6.0Lの超大容量で、一度にたくさんの調理が可能。9つの調理モードには、ノンフライヤーでは珍しい「発酵」や「ドライ(乾燥)」機能も含まれており、パン生地の発酵や自家製ドライフルーツ作りも楽しめます 。
- エンジニアの視点: この製品の心臓部は、高性能な「DCモーター」です 。一般的なACモーターと違い、DCモーターはファンの回転数を精密に制御できます。この技術により、30℃という低温から230℃の高温まで、幅広い温度設定が可能になりました。これは単に容量が大きいだけでなく、調理の幅を格段に広げる、まさに「次世代機」と呼べる技術的な進化です。
COSORI おすすめノンフライヤー比較
| モデル | Lite 2.0L | PRO LE 4.7L | TurboBlaze 6.0L |
| 型番 | COLI211C | CAF-L501 | CAF-DC601 |
| 容量 | 2.0L | 4.7L | 6.0L |
| 推奨人数 | 1~2人 | 3~5人 | 3~5人以上 |
| 消費電力 | 900W | 1230W | 1500W |
| 温度範囲 | 75℃~205℃ | 75℃~230℃ | 30℃~230℃ |
| 特徴 | コンパクト、低消費電力 | 高温調理、静音設計 | DCモーター搭載、多機能(発酵・ドライ) |
| こんな人におすすめ | 一人暮らし、夫婦、アウトドア利用 | ほとんどの家庭、揚げ物の仕上がりにこだわりたい人 | 大家族、料理好き、パンやヨーグルトも作りたい人 |
このメーカーの製品はよい製品か?

COSORIの製品は、単に機能的なだけでなく、使う人の体験(ユーザーエクスペリエンス)を重視して設計されている点が特徴です 。
その証拠に、世界的に権威のあるデザイン賞を数多く受賞しています。例えば、ドイツの「レッド・ドット・デザイン賞」や、そして日本の「グッドデザイン賞」も受賞しています(PRO LE 4.7Lモデル) 。
製品設計者として言わせてもらうと、これらのデザイン賞は見た目の美しさだけで選ばれるわけではありません。使いやすさ(操作性)、安全性、素材の品質、革新性といった、人間工学に基づいた厳しい基準をクリアした製品にのみ与えられます。つまり、デザイン賞の受賞歴は、その製品が「ユーザーにとって本当に使いやすいか」を徹底的に考えて作られた、優れた工業製品であることの客観的な証明なのです。
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

前述の通り、COSORI製品の主な生産地は中国です 。
これはVeSync社が公式に発表している情報でも確認できます。同社のサプライヤー(部品や製品を供給する会社)のほとんどは中国にあり、製品の製造もそこで行われています 。
繰り返しになりますが、これは品質が低いという意味では全くありません。現代において、高品質な家電を安定して大量生産できる最も優れた環境が中国に整っているからです。重要なのは「どこで作られたか」ではなく、「どのような品質管理基準でつくられたか」です。その点、VeSync社はサプライヤーに対して行動規範を設け、定期的な監査を行うなど、責任あるメーカーとしての品質管理体制を構築しようと努めています 。
設計はどこで行っているか?

COSORI製品の設計・開発は、アメリカと中国の拠点が連携して行うグローバル体制が採られています。
- アメリカ本社(カリフォルニア州): ブランド全体の戦略、製品コンセプトの立案、マーケティングなど、ブランドの根幹を担っています。「アメリカ発」というブランドイメージはここから生まれています 。
- 中国・深圳オフィス: VeSync社は「製品の設計、開発、能力を強化するため」に、深圳に専門のオフィスを設立しました 。ここは最先端の技術が集まる場所で、アメリカで生まれたコンセプトを、実際の製品として形にするための技術開発や詳細設計を行うR&D(研究開発)ハブとなっています。
この体制は、アメリカの消費者のニーズやトレンドを的確に捉えつつ、深圳の持つスピーディーな開発力と製造技術を融合させるという、非常に戦略的なものです。これにより、COSORIはグッドデザイン賞を受賞するような、デザイン性と機能性を両立した製品を効率的に市場に投入できているのです。
品質は大丈夫か?

さて、ここが最も重要なポイントです。特に、海外でのリコール情報を耳にしたことがある方は、品質や安全性に不安を感じているかもしれません。僕も品質保証のプロとして、この点を最も厳しくチェックしました。
北米市場でのリコール問題
まず、事実を正確に把握しましょう。2023年2月、VeSync社はアメリカとカナダ、メキシコで販売された一部のノンフライヤー約200万台の自主回収(リコール)を発表しました 。
- 原因: 製品内部の「特定の配線接続部が過熱し、火災や火傷の危険性がある」という製造上の不具合でした 。
- 対象: 2018年6月から2022年12月までに北米で販売された、特定の型番の製品に限られます 。
日本の消費者にとって最も重要な「PSEマーク」
このリコール問題を受けて、僕が日本のCOSORI製品を調査した結果、非常に重要な事実が分かりました。
このリコールは、日本国内で正規販売されている製品には適用されていません 。
なぜ断言できるのか。それは、日本で電気製品を販売するために法律で義務付けられている**「PSEマーク」**の存在があるからです 。
COSORIの日本向け製品は、このPSEマークを取得済みであることが公式に明記されています。届出事業者名は「ETEKCITY株式会社(現Vesync Japan株式会社)」です 。
エンジニアの視点:なぜPSEマークが安全の証なのか
ここが僕の専門分野です。PSEマークは、単なるシールではありません。日本の電気用品安全法に基づき、製品が国の定めた厳格な安全基準を満たしていることを証明するものです。この認証プロセスでは、まさにリコールの原因となったような配線の安全性、絶縁性能、異常な温度上昇が起きないかなど、火災や感電につながるリスクがないかを第三者機関が厳しく検査します 。
つまり、こういうことです。
- 北米でリコール対象となった製品には、特定の配線接続部に不具合があった。
- 日本で販売される製品は、PSE認証の取得が必須であり、その検査項目には配線接続部の安全性も含まれる。
- 日本でリコールが起きていないという事実は、日本市場向けの製品が**「①そもそも不具合のある部品や構造を使用していない」か「②PSE認証の過程で問題が発見され、安全な仕様に変更されている」**かのいずれかであることを強く示唆します。
このことから、北米でのリコールは深刻な品質問題であった一方、それは逆説的に**「日本の安全基準(PSE)がいかに厳格で、日本の消費者を守るための有効な砦となっているか」**を証明したと言えます。だからこそ、僕はPSEマークの付いた日本国内正規品は安心して使えると判断しています。
さらに、COSORIは日本国内で2年間のメーカー保証を付けています 。これは製品の耐久性に対する自信の表れです。また、調理に使うバスケットなどの部品は、健康への影響が懸念される化学物質を含まない
BPAフリーの素材が使われており、食の安全にも配慮されています 。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

最後に、実際に使っているユーザーの口コミを、エンジニアの視点で分析してみましょう。製品の本当の実力は、日々の利用者の声に表れます。
良い口コミ:利用者が絶賛するポイント
- 圧倒的な調理性能(「カリカリになる!」): 「お惣菜の天ぷらが揚げたてのように復活した」「鶏肉の皮がパリパリ、中はジューシーに焼ける」といった声が最も多く見られました 。これは、庫内の熱風を高速で循環させる技術が優れている証拠です。
- 手軽さと健康(「ヘルシーで楽」): 油を使わずに調理できるヘルシーさに加え、「調理中はほったらかしでOK」「油の処理やコンロ周りの掃除から解放された」という時短・家事楽のメリットを評価する声が多数あります 。これは忙しい家庭にとって、何よりの魅力でしょう。
- 簡単な操作性(「操作が簡単」): 多くのモデルでタッチパネルとプリセット機能が採用されており、「説明書を読まなくても直感的に使えた」という口コミも多く、機械が苦手な方でも安心して使える設計になっています 。
悪い口コミ:エンジニアが診断するその原因
どんな製品にも、ネガティブな意見はつきものです。しかし、その原因を正しく理解すれば、購入後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。
- 「動作音が大きい」
- エンジニア診断: これはノンフライヤーの宿命とも言える点です。ノンフライヤーは「小型の強力なコンベクションオーブン」であり、高温の熱風を高速で循環させるために強力なファンを搭載しています 。このファンの音が動作音の正体です。つまり、「音がする」のは「しっかり仕事をしている証拠」とも言えます。電子レンジや換気扇と同程度の音は発生するもの、と理解しておくと良いでしょう。
- 「思ったより大きくて場所を取る」
- エンジニア診断: これは物理的な問題です。十分な量の食材を、熱風がしっかり循環するスペースを確保して調理するためには、ある程度の庫内容量と本体サイズが必要になります。特にファミリー向けの4.7L以上のモデルは存在感があります。購入前に、必ず設置したい場所の寸法を測り、製品サイズ(比較表に記載)と照らし合わせることが失敗しないコツです。
- 「期待したほどカリッと仕上がらない」
- エンジニア診断: これは、使い方と期待値のズレが原因であることが多いです。ノンフライヤーは油で揚げるのではなく、高温熱風で「焼く」調理器具。本物の揚げ物とは食感が少し異なります。上手に仕上げるコツは、「①バスケットに食材を詰め込みすぎない」「②途中で一度バスケットを振って食材を混ぜる」「③冷凍ポテトなど油分が少ないものは、調理前にオイルスプレーを軽く吹きかける」ことです。この一手間で仕上がりは格段に向上します 。
- 「操作パネルが複雑」
- エンジニア診断: 多機能なモデルほど、最初はボタンの多さに戸惑うかもしれません。まずは「ポテト」「鶏肉」などのプリセット機能から使ってみるのがおススメです。慣れてくれば、マニュアルで温度や時間を微調整することで、自分好みの仕上がりを追求できるようになります。
まとめ

今回の徹底調査で分かったことを、最後にまとめます。
- COSORIはアメリカの会社?
- はい、アメリカのVeSync社が展開するブランドです。設計はアメリカと中国が連携し、生産は中国で行うグローバル体制です。
- 製品の品質は?
- 国際的なデザイン賞を受賞するなど、設計思想は高く評価されています。
- 安全性は大丈夫?
- 北米でリコールがありましたが、日本で正規販売されている製品は対象外です。日本の厳格な安全基準であるPSEマークを取得しており、安全性は確保されていると判断できます。
- 結論として「買い」か?
- はい、自信をもっておススメできます。特に、ライフスタイルに合わせてモデルを選べるのが魅力です。
- 一人暮らし・夫婦なら: コンパクトな**「Lite 2.0L」**
- 3人以上の家庭なら: バランスの取れた万能機**「PRO LE 4.7L」**
- 料理好き・大家族なら: 発酵もできる高機能な**「TurboBlaze 6.0L」**
- はい、自信をもっておススメできます。特に、ライフスタイルに合わせてモデルを選べるのが魅力です。
エンジニアの視点から見ても、COSORIのノンフライヤーは、ユーザーの使いやすさを考え抜かれたスマートな製品です。そして何より、日本の高い安全基準をクリアしているという事実が、購入を後押しする最大の安心材料と言えるでしょう。
この記事が、あなたのノンフライヤー選びの参考になれば幸いです。

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