【徹底解説】SanDiskはどこの国のメーカー?品質は?エンジニアがSSD・HDDの評判と本音をレビュー

こんにちは!「おやこプログラミング」のエンジニアブロガー、ろぼてくです。

私はエンジニアとして10年以上、電気製品の設計や品質保証の業務に携わってきました。自作PCの組み立ては趣味であり、仕事でも数えきれないほどのストレージ製品を評価してきました。家族の写真や動画のデータ管理から、仕事の設計データまで、私のデジタルライフは常にストレージと共にあります。

そんな中、多くの方が一度は手にしたことがあるであろう「SanDisk(サンディスク)」の製品。SDカードやUSBメモリ、そしてSSDなど、その名は広く知られています。しかし、「SanDiskって、一体どこの国のメーカーなの?」という疑問をよく耳にします。パッケージを見ると「Made in China」と書かれていたり、Western Digital(ウエスタンデジタル)という名前が出てきたりして、混乱している方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなSanDiskの正体に、製品品質を知り尽くしたエンジニアの視点から徹底的に迫ります。単なるスペック比較ではありません。その製品がどこの国で設計され、どこの工場で、どんな技術を使って作られているのか。そして、その品質は本当に信頼できるのか。長年の経験で培った知識と、実際のユーザーの評判を交えながら、皆さんの疑問にすべてお答えします。

この記事を書いた人
  • 電機メーカー勤務
  • エンジニア歴10年以上
  • 品質担当経験あり
ろぼてく
目次

結論:どこの国のメーカーか?

早速、核心からお答えします。

SanDiskは、アメリカの会社です 。1988年にカリフォルニア州のシリコンバレーで設立された、フラッシュメモリのパイオニア的存在の企業です 。  

しかし、話はここで終わりません。「アメリカの会社」というだけでは、SanDisk製品の品質の本質を見誤ってしまいます。なぜなら、その製品の心臓部である半導体メモリは、実は日本と非常に深い関わりがあるからです。

さらに、2016年に大手ストレージメーカーであるWestern Digital(ウエスタンデジタル、以下WD)に買収され、その傘下に入りましたが、2025年2月には再び独立した会社として分離(分社化)するという大きな動きがありました 。この複雑な背景が、SanDiskというブランドを理解する上で非常に重要なのです。  

結論:買うことをおススメできるか?

次に、皆さんが最も知りたいであろう「結局、SanDisk製品は買ってもいいの?」という問いにお答えします。

結論から言うと、**「はい、ただし製品カテゴリによって最適なブランドを見極める必要があります」**となります。

  • SSD、SDカード、USBメモリなどのフラッシュメモリ製品SanDiskはトップクラスに信頼でき、強くおすすめできるブランドです 。  
  • HDD(ハードディスクドライブ):こちらは現在、**Western Digital(WD)**の製品を選ぶことになります。2025年の分社化により、HDD事業はWDが、フラッシュメモリ事業はSanDiskがそれぞれ専門に担当することになったからです 。  

私自身、長年にわたりSanDiskのSSDを自作PCのシステムドライブとして、またポータブルSSDを動画編集の素材置き場として愛用してきました。その経験から言っても、特にフラッシュメモリ製品におけるSanDiskの信頼性には太鼓判を押せます。突然のデータ消失といった致命的なトラブルに見舞われたことは一度もなく、安定したパフォーマンスを提供し続けてくれています。

このメーカーの製品はよい製品か?

SanDiskの製品がなぜ「良い」と言えるのか。その理由は、同社が単なる「組み立てメーカー」ではない点にあります。

SanDiskの最大の強みは、**「垂直統合」**のビジネスモデルにあります。これは、製品の心臓部となる部品から最終製品までを一貫して自社(または緊密なパートナー)で開発・製造する体制のことです。

多くの安価なSSDメーカーは、コントローラー(SSDの頭脳)を他社から購入し、NANDフラッシュメモリ(データを記録する部品)も市場から調達して、それらを組み合わせるだけです。これは「水平分業」と呼ばれます。

一方でSanDiskは、SSDの性能と信頼性を決定づける最も重要な部品であるコントローラーと、それを制御するファームウェアを自社で開発しています 。これは車で例えるなら、エンジンとトランスミッション、そしてそれらを制御するECU(エンジンコントロールユニット)をすべて自社で一貫して設計・開発するようなものです。部品間の相性を知り尽くしているからこそ、最高のパフォーマンスと信頼性を引き出すことができるのです。  

もちろん、過去の一部のモデルではMarvell社製のコントローラーを採用していた例もありますが 、特に近年の主力製品では自社製コントローラーへのこだわりが強く見られます 。この技術的な深みが、SanDisk製品の品質を根底から支えているのです。  

このメーカーの生産地(工場)はどこか?

「でも、持っているSanDiskのSDカードには『Made in China』って書いてあるよ?」

その通りです。しかし、この「Made in XX」という表記は、製品の品質を判断する上でしばしば誤解を招きます。エンジニアの視点から、このラベルの裏側にある真実を解説しましょう。

ストレージ製品の品質を左右するのは、最終的にどこで組み立てられたか(アセンブリ)よりも、その中核をなす半導体チップがどこで、どのような技術で作られたかです。

SanDisk製品の心臓部であるNAND型フラッシュメモリのウェーハ(半導体の基板)は、日本の三重県四日市市と岩手県北上市にある世界最大級の工場で製造されています 。これらの工場は、NAND型フラッシュメモリの発明者である東芝から分社化した**キオクシア株式会社との長年にわたる共同事業(ジョイントベンチャー)**によって運営されています 。  

つまり、こういうことです。

  1. 最も重要で高度な技術を要する「NANDフラッシュメモリ」は、日本の最先端工場で、日米の技術を結集して製造される。
  2. そのメモリチップを使い、製品として最終的に組み立てる工程(パッケージング)が、人件費などのコスト面で有利な中国・上海などで行われる。  

したがって、パッケージに「Made in China」と書かれていても、その製品の「脳」にあたる部分は、アメリカの設計思想と日本の高い製造技術によって生み出されているのです 。これは、多くのグローバルな電子機器メーカーが採用している生産体制であり、最終組み立て地の表記だけで品質が劣ると判断するのは早計です。むしろ、SanDiskの場合は、世界最高水準の製造拠点に深く関わっていることが、高い品質の証左と言えるでしょう。  

設計はどこで行っているか?

SanDiskの強さは、そのグローバルな開発体制にもあります。

  • 本社・全体設計(アメリカ):製品のコンセプト、全体的なアーキテクチャ設計、そして市場戦略の策定は、カリフォルニア州シリコンバレーにある本社が中心となって行われます 。ここで、世界中のユーザーが求める製品の青写真が描かれます。  
  • 最先端半導体の開発・量産化開発(日本):一方で、製品の性能を決定づけるNANDフラッシュメモリの次世代技術の開発や、それを安定して大量生産するための量産化技術の開発は、主に日本の拠点が中心的な役割を担っています 。神奈川県にある大船事業所や藤沢分室などが、四日市や北上の工場と連携し、日々技術革新に取り組んでいます 。  

これは半導体業界では非常に合理的な分業体制です。市場のニーズを的確に捉え、製品の全体像を描くのは米国の本社。そして、世界最高峰の半導体製造技術を持つ日本で、その心臓部を開発・量産する。この強力な日米の連携こそが、SanDiskの競争力の源泉なのです。

品質は大丈夫か?

企業の成り立ちや生産体制を見てきましたが、ここからはより具体的に、製品の品質を技術的な側面から深掘りしていきます。

SSDの品質を支える技術:BiCS FLASH™

SanDisk製SSDの品質を語る上で欠かせないのが、パートナーであるキオクシアと共同開発した3次元フラッシュメモリ技術**「BiCS FLASH™」**です 。  

これを分かりやすく説明しましょう。 かつてのフラッシュメモリ(2D NAND)は、平屋の家を土地に敷き詰めるようなものでした。容量を増やすには、家をどんどん小さくして無理やり詰め込むしかなく、家同士が近すぎて干渉し、性能や信頼性の低下という問題(ご近所トラブル)が起きていました。

そこで登場したのが「BiCS FLASH™」という**高層マンション(3次元構造)**を建てる技術です 。メモリセルを水平方向ではなく垂直方向に積み上げることで、同じ土地面積(チップサイズ)でも、はるかに多くのデータを保存できるようになりました。  

この「高層化」には、素晴らしいメリットがあります。

  • 大容量化:同じ面積でより多くのデータを記録できます 。  
  • 高速化:一度に書き込めるデータ量が増え、転送速度が向上します 。  
  • 高信頼性:セル間の距離が広がるため、互いの干渉が減り、データの信頼性が向上します 。  
  • 低消費電力化:書き込み効率が上がることで、消費電力を抑えられます 。  

さらに、最新世代では「CBA(CMOS Directly Bonded to Array)」という新技術を導入。これは、メモリセル(高層マンション部分)と、それを制御するCMOS回路(地下のインフラ部分)を別々の最適な工程で作り、後から貼り合わせる技術です 。これにより、性能と信頼性をさらに高いレベルで両立させています 。  

このように、SanDiskのSSDは、世界最先端のパートナーと共に継続的な技術革新を続けることで、その高い品質を維持しているのです。

HDDの品質(Western Digital社の領域)

繰り返しになりますが、2025年の分社化以降、HDDはWestern Digital(WD)の専門領域です 。ここでは、WDブランドのHDDを選ぶ際に知っておくべき、品質に関わる重要な技術を解説します。  

CMR vs. SMR:HDD選びで最も重要な知識

HDDを購入する際、容量や回転数以上に重要なのが**「CMR」か「SMR」か**という記録方式の違いです。これを知らないと、用途によっては性能が著しく低下したり、トラブルの原因になったりします。

  • CMR(Conventional Magnetic Recording:従来型磁気記録) データを記録するトラックを、隣のトラックと重ならないように書き込む、昔ながらの方式です。上書きが容易で、書き込み速度が安定しているため、頻繁なデータ書き換えが発生する用途に最適です。特に、複数のドライブで同時に読み書きが発生するNAS(Network Attached Storage)では、CMR方式が必須とされています 。  
  • SMR(Shingled Magnetic Recording:瓦記録) 屋根の瓦のように、データトラックの一部を重ねて書き込むことで、記録密度を高めた方式です。これにより、同じプラッタ(円盤)でより大容量化でき、コストを抑えられるメリットがあります 。データアーカイブ(一度書き込んだら、あとは読み出しが中心)のような用途には向いています 。   しかし、弱点はデータの書き換えです。瓦の一部を書き換えるには、その上にある瓦を一度すべて剥がして書き直し、また元に戻すような複雑な処理が必要になります。そのため、ランダムな書き込みが大量に発生すると、キャッシュを使い果たして急激に速度が低下したり、NASのRAIDリビルド(故障したドライブの交換・復旧作業)に非常に時間がかかったり、失敗したりするリスクがあります 。  

【エンジニアからのアドバイス】 NASや動画編集の作業ドライブのように、頻繁な書き込みが発生する用途では、必ずCMR方式のHDDを選んでください。 WDの一般向けモデルである「WD Blue」シリーズは、CMRとSMRが混在しているため購入時に注意が必要です 。一方で、NAS向けの「WD Red Plus」や「WD Red Pro」シリーズは全モデルがCMR方式なので、安心して選ぶことができます。  

OptiNAND™:HDDの信頼性を高める新技術

WDの最新大容量HDDに搭載されているのが**「OptiNAND™」**技術です。これは、HDDにiNAND(SanDiskの組み込みフラッシュメモリ)を統合したものです 。  

注意してほしいのは、これは昔のハイブリッドHDD(SSDをキャッシュとして使うもの)とは全く違うということです。OptiNANDでは、フラッシュメモリにユーザーデータは保存しません。保存するのは、ドライブの動作を管理するための**「メタデータ」**です 。  

これにより、以下のようなメリットが生まれます。

  • 容量の増加:メタデータをフラッシュにオフロードすることで、より精密なヘッド制御が可能になり、トラック密度(TPI)が向上。結果として、HDDの記憶容量が増加します 。  
  • 信頼性の劇的な向上:これが最も重要です。PCが突然シャットダウンするような緊急電源オフ(EPO)が発生した際、HDDはプラッタの回転エネルギーを利用して、書き込みキャッシュに残っているデータを不揮発性であるNANDフラッシュメモリに退避させます。これにより、突然の電源断によるデータ損失のリスクを大幅に低減できるのです 。  

このOptiNAND技術は、HDDという成熟したデバイスを、フラッシュメモリの利点を取り入れて再構築する、非常にクレバーなアプローチと言えます。

このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

技術的な裏付けは十分にあることが分かりました。では、実際に使っているユーザーの評判はどうでしょうか。良い口コミと悪い口コミの両方から、その実像に迫ります。

良い口コミ

  • 圧倒的な転送速度:特にポータブルSSD「Extreme」シリーズは、クリエイターから絶大な支持を得ています。「4K動画の素材を大量に扱っても、転送が速くて作業が快適になった」「数十GBのプロジェクトファイルもあっという間」といった声が多数見られます 。  
  • 信頼性と安定性:「SanDiskは安心できるメーカー」「長年使っているがトラブルがない」といった、ブランドへの信頼に基づくレビューが多く見られます 。これは、重要なデータを預けるストレージにとって最高の褒め言葉です。  
  • 優れた携帯性と耐久性:ポータブルSSDは「手のひらサイズで軽い」「IP55の防滴・防塵性能や最大2mの耐衝撃性があるので、屋外でも安心して使える」といった点が、アクティブなユーザーに高く評価されています 。  
  • 簡単な使い勝手:「PCに繋ぐだけで認識される」「特別な設定が不要で初心者にも優しい」という、プラグアンドプレイの手軽さも好評です 。  

悪い口コミ & 頻出する問題

一方で、もちろんネガティブな評判も存在します。エンジニアとしては、これらの問題の原因を分析し、対策を考えることが重要です。

  • 物理的なデザインの問題:「Extreme Portable SSDの表面がサラサラしていて滑りやすく、落としそうになる」という声は散見されます 。また、「付属のUSBケーブルが短くて使いにくい」という指摘もあります 。これらは使い勝手に関わる部分で、改善が期待される点です。  
  • エントリーモデルの性能限界:「SSD PLUS」のような安価なモデルで、「大容量のファイルを書き込み続けると、急に速度が200MB/sくらいまで落ち込む」というレビューがあります 。これは、コストダウンのために搭載されていないDRAMキャッシュの代わりに使われる「SLCキャッシュ」が枯渇するために起こる現象です。軽い用途なら問題ありませんが、ヘビーな使い方をすると性能の限界が見えてきます。  
  • 突然の故障・認識しない問題:最も深刻なのが、「突然SSDが認識されなくなった」「1年ほどで壊れた」といった報告です 。特に、特定のモデル(例:WD Blue SA510)で故障報告が集中しているケースも見られます 。また、海外のフォーラムでは過去に特定の4TBモデルで問題が指摘されたこともありました 。  

これらの「認識しない」というトラブルは、製品の初期不良や特定のロットの欠陥である可能性もありますが、一方でユーザー側の環境に起因することも少なくありません。

【エンジニアによるトラブルシューティング】SSDが認識しないときのチェックリスト

もしSanDiskのSSD(特に外付け)が認識しなくなった場合、慌てずに以下の手順を試してみてください。

  1. 物理接続を確認する
    • USBケーブルはしっかり刺さっていますか?一度抜いて、もう一度差し込んでみてください 。  
    • 別のUSBケーブルや、PCの別のUSBポート(特に電力供給が安定している背面ポート)で試してみてください 。  
    • USBハブを使っている場合は、ハブを介さずにPC本体に直接接続してみてください。電力不足が原因の場合があります 。  
  2. PCを再起動する
    • 単純な再起動で、一時的なシステムエラーが解消されることがあります 。  
  3. デバイスマネージャーとドライバーを確認する (Windows)
    • 「デバイスマネージャー」を開き、「ディスクドライブ」の項目にSSDが表示されているか確認します。もし「!」や「?」マークが付いていたら、ドライバーに問題がある可能性があります。ドライバーの更新を試してみてください 。  
  4. ディスクの管理で状態を確認する (Windows)
    • 「ディスクの管理」を開き、SSDの状態を確認します。「未割り当て」や「RAW」と表示されている場合、ドライブが初期化されていないか、ファイルシステムが破損している可能性があります。ドライブレター(D:やE:など)を割り当てたり、初期化(※データは消えます)が必要な場合があります 。  
  5. BIOS/UEFIで認識されているか確認する
    • PC起動時に特定のキー(Del、F2など)を押してBIOS/UEFI画面に入り、ストレージデバイスの一覧にSSDが表示されているか確認します。ここで認識されていなければ、物理的な故障の可能性が高まります 。  

これらの手順を試しても解決しない場合は、製品の故障が考えられます。保証期間内であれば、サポートに連絡して交換を依頼しましょう。

このメーカーのおすすめ製品は?

ここまでの分析を踏まえ、エンジニアの視点から具体的なおすすめ製品を「SSD」と「HDD」に分けて、エントリー・ミドル・ハイエンドの3つのレベルでご紹介します。「なぜそれを選ぶべきか」という理由までしっかり解説しますので、ぜひあなたの用途に合った一台を見つけてください。

SSDのおすすめ

スクロールできます
製品カテゴリモデル名主な用途主な特徴ろぼてくのワンポイント
SSD (エントリー)SanDisk SSD PLUS古いPCのHDD換装、ライトユース高コストパフォーマンス、手軽な高速化大容量ファイルの連続書き込みでは速度低下の可能性あり。OSやアプリ起動用と割り切るのが吉。
SSD (ミドル)SanDisk Ultra 3D一般的なPC利用、ゲーム、写真編集優れた耐久性と安定した性能のバランスほとんどのユーザーにとって最適な「間違いのない」選択肢。TLCながら大容量書き込みに強い。
SSD (ハイエンド)SanDisk Extreme Portable V2動画編集、大容量データ持ち運び高速NVMe、IP55防塵防滴、耐衝撃クリエイターの現場で定番のモデル。速度と堅牢性を両立しており、投資価値は高い。

エントリーモデル:SanDisk SSD PLUS

  • こんな人におすすめ:古いノートPCやデスクトップPCのHDDを交換して、手軽に爆速化したい人。WebブラウジングやOfficeソフトの使用がメインのライトユーザー。
  • 分析:HDDからの換装であれば、OSの起動やアプリの立ち上がりが劇的に速くなり、感動的な体験ができます。最大の魅力は、そのコストパフォーマンスの高さです 。ただし、DRAMキャッシュを搭載しない設計のため、一度に数十GBといった大容量のデータを書き込むと、SLCキャッシュを使い果たして速度が大きく低下する特性があります 。  
  • 私の使い方:親の古いノートPCのHDDをこれに換装してあげたところ、「パソコンが新品になったみたい!」と大変喜ばれました。OSとアプリケーションの起動用と割り切れば、これ以上ない選択肢です。

ミドルレンジ:SanDisk Ultra 3D SSD

  • こんな人におすすめ:自作PCのメインドライブ、ゲームのインストール先、写真や動画の編集用など、幅広い用途に対応できる万能SSDを求める人。
  • 分析:これぞ、性能・耐久性・価格のバランスが最も優れた「スイートスポット」モデルです。3D NAND技術とDRAMキャッシュを搭載しており、大容量の連続書き込みでも速度が落ちにくいのが特徴です 。その性能は、一世代前の高価なMLCタイプSSDに匹敵するとも言われ、安定したパフォーマンスを発揮します 。発熱が少なく、耐久性も高いという評価も多く、安心して長期間使えます 。  
  • 私の使い方:私自身のメインPCのゲーム用ドライブとして長年愛用しています。ロード時間が短縮され、快適なゲームプレイ環境を支えてくれています。ほとんどのユーザーにとって、「これを選んでおけば間違いない」と断言できるモデルです。

ハイエンド:SanDisk Extreme Portable SSD V2 / Extreme PRO Portable SSD

  • こんな人におすすめ:プロのフォトグラファーやビデオグラファー。撮影現場で大量のデータを高速にバックアップし、そのまま編集作業に入りたいクリエイター。
  • 分析:中身は高速なNVMe SSD、そしてインターフェースはUSB 3.2 Gen 2(PROモデルはUSB4対応も)を採用し、実測で1000MB/sを超える圧倒的な転送速度を実現します 。さらに、IP55/IP65の防滴・防塵性能と耐衝撃性を備えた堅牢なボディは、過酷な現場での使用にも耐えられます 。  
  • 私の使い方:動画編集の仕事で、4Kの撮影データを扱う際にこのシリーズのポータブルSSDを使用しています。撮影後のデータバックアップにかかる時間が1/3以下になり、作業効率が劇的に向上しました 。時間は有限です。「データ転送の待ち時間を買う」という発想なら、これ以上の投資はありません。  

HDDのおすすめ(A Guide to Western Digital)

HDDはWDブランドから、用途に合わせた選び方が重要です。

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製品カテゴリモデル名主な用途主な特徴ろぼてくのワンポイント
HDD (NAS)WD Red PlusNAS、ファイルサーバーCMR方式採用、24時間稼働を想定した設計NASにはSMR方式は厳禁。安定稼働を最優先するならこのシリーズ一択。
HDD (パフォーマンス)WD Blackゲーム、高性能ワークステーション高速アクセス、大容量、長期保証ゲームのロード時間短縮や動画編集の作業ドライブに最適。動作音はやや大きめ。

NAS・常時稼働向け:WD Red Plus

  • こんな人におすすめ:自宅やオフィスでNASを構築し、大切なデータを安全に保管・共有したい人。24時間365日の連続稼働を前提とする使い方をする人。
  • 分析:このシリーズの最大の価値は、全モデルがCMR方式を採用していることです。これにより、RAID環境下でも安定した書き込み性能を維持し、リビルド時のトラブルリスクを最小限に抑えます 。また、NAS専用にチューニングされたファームウェア「NASware」が搭載されており、複数台での同時アクセスや振動対策など、NAS特有の環境に最適化されています。  
  • 私の使い方:自宅のNASには、迷わずこのWD Red Plusを入れています。家族の写真や動画、仕事のデータなど、失いたくない大切な情報を預けるからこそ、信頼性を何よりも優先すべきです。NASにSMRドライブを入れるのは、時限爆弾を抱えるようなもの。絶対に避けてください。

パフォーマンス・ゲーム向け:WD Black

  • こんな人におすすめ:大容量のPCゲームをたくさんインストールしたいゲーマー。動画編集の作業用ドライブなど、高速なアクセスが必要なクリエイター。
  • 分析:一般的な5400rpmのHDDと比べて高速な7200rpmの回転数と、大容量のキャッシュメモリを搭載し、データの読み書き速度を高めています 。これにより、ゲームのロード時間短縮や大容量ファイルの高速な読み込みに貢献します。また、長期保証が付いているのも、高い耐久性への自信の表れです。  
  • 私の使い方:数TBにもなるSteamのゲームライブラリを保存するために、WD Blackをデータドライブとして活用しています。大容量SSDはまだ高価なため、容量と速度を両立する現実的な解決策として非常に優れています。ただし、高性能な分、動作音や発熱はWD Blueなどのモデルより大きい傾向にあることは念頭に置いておきましょう。

まとめ

今回は、SanDiskというブランドを、エンジニアの視点から徹底的に解剖してきました。最後に、重要なポイントをまとめておきましょう。

  • SanDiskはアメリカの会社:1988年にシリコンバレーで生まれた、フラッシュメモリのパイオニアです 。  
  • 品質の心臓部は日本製:製品のコア技術であるNANDフラッシュメモリは、日本のキオクシアとの共同事業により、世界最先端の工場で製造されています 。  
  • 2025年からの新体制:分社化により、SanDiskはフラッシュメモリ専門Western DigitalはHDD専門の会社になりました。製品を選ぶ際は、この棲み分けを理解することが重要です 。  
  • 品質は技術に宿る:SSDの「BiCS FLASH™」や、WD製HDDの「CMR方式」「OptiNAND™」など、表面的なスペックには表れない高度な技術が、その高い品質と信頼性を支えています 。  

ストレージ選びは、単に安さや容量だけで決めるべきではありません。自分の大切なデータを預ける「金庫」を選ぶようなものです。どんな用途で、どんな性能を求めるのか。その目的に合わせて最適な技術が使われた製品を選ぶことが、後悔しないための唯一の道です。

この記事が、皆さんが自信を持って自分にぴったりの一台を選び、親子でのプログラミング学習や、クリエイティブな活動、大切な思い出の保存に役立てるための一助となれば、エンジニアとしてこれほど嬉しいことはありません。

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この記事を書いた人

現役エンジニア 歴12年。
仕事でプログラミングをやっています。
長女がスクラッチ(学習用プログラミング)にハマったのをきっかけに、スクラッチを一緒に学習開始。
このサイトではスクラッチ/プログラミング学習、エンジニアの生態、エンジニアによる生活改善について全力で解説していきます!

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