この記事のポイント
- 変数が何かを説明します。
- 変数の使い方を説明します。
はじめに
前回は、Ptyhonでの演算の方法を説明しました。
ただし、数字を直接入力して演算をするやり方では、プログラムの見た目上何をしているのかわかりづらくなってしまいます。
例えば、200円のリンゴを10個と、100円のミカンを5個の合計の個数はいくつか? という問題があった場合、10+5とプログラムに直接書いてしまうと、プログラムを後から見た人は何をしているのかさっぱりわかりません。
後から見た「本人」も何を意味しているのか忘れます。
プログラミングあるあるです。
また、リンゴ10個の合計の値段を計算したい場合も、リンゴの個数を思い出して、200×10と記載するのは面倒ですし、間違いも起こりやすくなります。
リンゴとミカンの2種類だけであればよいですが、100種類の果物を管理するとなるととても覚えていられないですね。
これらの問題は「変数」という概念を使って上記問題を解決していきます。
前回の記事
Pythonでの演算方法を説明しました。
変数とは?
【結論】変数とは、値を一時的に保存しておく箱です。
変数を使うと、パソコンの中にあるメモリという記憶装置(箱)に、一時的に値を保存することができます。
イメージはこのような感じです。
変数には以下のような特徴があります。
- いつでも読み出すことができる。
- いつでも書き換えることができる。
変数を使ってみる
変数に値を入れる
一番最初に変数に値を入れることを「宣言」と言います。
また、一度宣言した変数に値を入れることを「代入」と言います。
ここでは、リンゴの数を記憶しておく変数を「appleNum」、ミカンの数を記憶しておく変数を「orangeNum」とします。
変数に値を入れるには、以下のように「変数 = 値」と書きます。
appleNum = 10
orangeNum = 5
変数の中身を確認する
変数の値を確認したいときは、print()関数に変数を入れればOKです。
変数を使った四則演算
変数を使った四則演算もできます。
例えば、リンゴの個数とオレンジの個数の合計を計算したいとき、200円のリンゴの10個の合計代金を計算したいときは、以下のように記載します。
また、変数には以下のように計算結果を入れることもできます。
変数の書き換え
一度値を入力した変数はいつでも中身の値を書き換えることができます。
1回目のappleNumは10が表示されます。
2回目のappleNumは20が表示されます。
途中でappleNumの内容を書き換えることができました。
変数のルール 変数に入れれるもの
変数には、整数だけでなく、実数も文字列も入れることができます。
前回の記事で説明しましたが、文字列を代入するときには、「””」ダブルクォーテーションで囲みます。
変数名のルール
変数名には基本的には好きな名前がつけることができますが、ルールがあります。このルールを守って変数名をつけないとエラーとなっていまします。
- 半角アルファベット、半角数字、半角アンダースコア(_)だけを使うことができる
- 最初の文字は、アルファベット、アンダースコアにする
- アルファベットの大文字と小文字は区別される。
また、上記を守って使うことのできない「予約後」というものが存在します。
予約後は「Python」で予め定められている重要なキーワードです。予約後は以下のように確認できます。
【小ネタ】マジックナンバー
マジックナンバーとは、プログラム上に現れる何を意図しているかわからない数字です。
例えば、以下のようなプログラムがあるとします。
a = 10 + 5
print(a)
このプログラムは一体何を表しているか想像できるでしょうか?10と5を足し合わしていますが、一体なぜこのようなことをしているかさっぱりわかりません。
これが例えば、以下のように記載してあるとします。
apple_num = 10
orange_num = 5
total_fluit_num = apple_num + orange_num
print(total_fluit_num)
このプログラムは、リンゴの数が10個でミカンの数が5個でそれを足し合わすプログラムなのだなと想像がつきますね。結果は同じですが、こちらの方がプログラムの意味を把握できますね。
このように他の人が書いたプログラムをコードを見ただけでわかるようにすることは、複数人でプログラムを作成する場合には非常に重要です。
こういった作業をコードの可読性を上げるといいます。
コーディングルールがキチンと整備されていない時代のプログラムを再利用するときには、プログラムの内容を理解するのにとても時間がかかります。
【小ネタ】動的型付け・静的型付け
Pythonは動的型付けのプログラミング言語となります。
動的型付けとは、変数を宣言するときにその変数の型を決める必要がないということが特徴です。
たとえば、pythonでは、以下のような記載をしても問題なくプログラムは動きます。
a = 10
print(a)
対して、C言語などの静的型付けのプログラミング言語では、以下のように記載しないといけません。ポイントとなるのは「int a」と記載している部分です。ここで変数aをint型と定義しないとプログラムを正しく動かすことができません。
#include <stdio.h>
int main(void){
int a;
a = 10;
printf("%d\n", a);
return 0;
}
そもそもPythonの記述って他の言語に比べてかなりスッキリしているのがよくわかりますね。
そして、型付けを間違えるとそれだけでエラーとなってしまいます。例えば、文字列を入れたい変数に整数型をつけてしまうと、文字列をその変数に入れることができなくなってしまいます。
プログラミング初心者にはこの型付けのイメージがわかなくて、プログラミングを挫折してしまう原因の一つになってしまっています。
なのでこの型付けを気にする必要がないPythonはプログラミング初心者に非常に向いているのです。
次回 条件分岐
次回は、プログラミング3大要素の1つ「条件分岐」を説明します。条件分岐が使えるようになると一気にプログラミングの世界が広がります。
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