エンジニアが徹底解説!Soundpeatsはどこの国のメーカー?品質・評判とおすすめイヤホンまで完全ガイド

こんにちは、製品の設計・品質業務に10年以上携わっているエンジニアブロガーの「ろぼてく」です。

最近、通勤電車やカフェで「Soundpeats(サウンドピーツ)」のイヤホンを使っている人を本当によく見かけるようになりました。驚異的なコストパフォーマンスで話題沸騰中ですよね。

でも、その安さから「安かろう悪かろうじゃないの?」「そもそも、どこの国のメーカーなの?」と、品質に疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、日々さまざまな電気製品の内部構造を見ている”製品品質のプロ”として、このSoundpeatsというメーカーを技術的な視点から丸裸にしていきます!

この記事を書いた人
  • 電機メーカー勤務
  • エンジニア歴10年以上
  • 品質担当経験あり
ろぼてく
目次

結論:Soundpeatsはどこの国のメーカーか?

結論から申し上げますと、Soundpeatsは2010年に設立された中国・深圳(しんせん)に本社を置くオーディオブランドです 。  

「なんだ、中国メーカーか…」と不安に思った方、少し待ってください。この「深圳」という場所が、Soundpeatsの強さを理解する上で非常に重要なキーワードになります。

深圳は、世界中の名だたる企業が開発・生産拠点を構える「ハードウェアのシリコンバレー」とも呼ばれる電子産業の中心地です 。最新の技術や部品がこの街に集まるため、製品開発のスピードが圧倒的に速く、コストも抑えやすいという大きな地の利があります。  

Soundpeatsの本社は「深圳市星科启创新科技有限公司」という名称で、深圳に拠点を構えています 。また、千葉県には日本法人である「株式会社SOUNDPEATS」も設立されており、日本市場への強いコミットメントがうかがえます 。  

ちなみに、一部の海外データベースではアメリカの企業として紹介されていることがありますが 、これはおそらくアメリカの販売代理店などの情報が誤って登録されたものでしょう。公式サイトやプレスリリース、法人情報など、信頼性の高い一次情報源はすべて「中国・深圳」を拠点としていることを示しています 。  

結論:買うことをおススメできるか?

これも結論から。エンジニアとしての私の答えは**「コストパフォーマンスを最優先するなら、間違いなく“買い”」**です。ただし、いくつか知っておくべき注意点があります。

Soundpeatsの製品を技術的に分析すると、彼らの賢い製品戦略が見えてきます。それは、音質を決定づける核となる部品(ドライバー、チップセット、対応コーデック)には徹底的にコストをかけ、それ以外の部分(最高レベルのノイズキャンセリング、マイク性能、高級な筐体素材など)では意図的にコストを抑えるというものです。

この「選択と集中」により、1万円以下の価格帯でありながら、2万円クラスの製品に匹敵するほどの「音の体験」を提供することに成功しています。

こんな人におすすめ

  • 1万5千円以下で、とにかく良い音のイヤホンが欲しい人
  • 高価な製品は手が出せないが、アクティブノイズキャンセリング(ANC)やハイレゾ級コーデック(LDACなど)を試してみたい人
  • 初めてワイヤレスイヤホンを買う人

こんな人にはあまりおススメできない

  • 飛行機内などで騒音を完璧に消したいなど、最高レベルのノイズキャンセリング性能を求める人
  • 仕事のWeb会議などで、クリアな通話品質が必須な人
  • SonyやAppleのような、ブランドのステータスや所有感を重視する人

このメーカーのおすすめ製品は?

Soundpeatsの魅力は、ユーザーの多様なニーズに応える豊富なラインナップにあります。ここでは私のエンジニア目線で「これは!」と思ったモデルを、エントリー・ミドル・ハイエンドの3つのカテゴリでご紹介します。

エントリーモデル:SOUNDPEATS Clear (実売価格:約3,980円)

初めてのワイヤレスイヤホンに最適なモデルです 。派手な機能はありませんが、音質の基本となる12mmダイナミックドライバーを搭載し、接続も安定したBluetooth 5.3に対応しています 。4,000円以下でこの基本性能の高さは、無名ブランド品とは安心感が違います。まずはワイヤレスイヤホンの便利さを体験したい、という方にぴったりです。  

ミドルレンジモデル:SOUNDPEATS Air4 Pro (実売価格:約8,480円)

Soundpeatsの戦略が最もよく表れている「スイートスポット」と言えるモデルです。13mmの大口径ダイナミックドライバー、最大45dBを謳う強力なアクティブノイズキャンセリング(ANC)、そしてこの価格帯では破格のハイレゾ級コーデック「aptX Adaptive Lossless」に対応しています 。複数デバイスと同時接続できるマルチポイント機能も搭載。  

レビューを見ると、ANC性能はトップブランドに一歩及ばず、ケースの質感も価格相応という声もありますが 、この価格でこれだけの機能と音質が手に入るのは驚異的です。高級機の8割の性能を、半額以下で手に入れたいという方に最適です。  

ハイエンドモデル:SOUNDPEATS Opera 05 (実売価格:約13,999円)

ブランドの顔となる旗艦モデルです。この製品の最大の特徴は、通常は数万円クラスの高級イヤホンに採用される**ハイブリッドドライバー構成(ダイナミックドライバー×1、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー×2)**を採用している点です 。これにより、迫力のある低音から繊細で伸びやかな高音まで、幅広い音域を高い解像度で再生します。  

さらに高音質コーデック「LDAC」にも対応し、数々のレビューで「音質コスパモンスター」と絶賛されています 。もちろん、ANC性能が最高レベルではなかったり、筐体が少し大きいと感じられたりする点はトレードオフですが 、1万5千円以下で純粋な音の良さを追求するなら、これ以上の選択肢はなかなか見つかりません。  

【番外編】ながら聴きに最適:オープンイヤーモデル

ランニング中やオフィスでの「ながら聴き」には、耳を塞がないオープンイヤー型もおすすめです。特に「GoFree2」は、16.2mmという巨大なドライバーとLDAC対応で、オープンイヤー型とは思えないほどのしっかりしたサウンドを聴かせてくれます 。  

おすすめSoundpeatsイヤホン スペック比較表

スクロールできます
モデル価格帯ドライバー対応コーデックANC機能防水性能再生時間 (イヤホン単体/ケース込み)こんな人におすすめ
SOUNDPEATS Clear約4,000円12mmダイナミックSBC, AACなしIPX4約7時間 / 約40時間初めてワイヤレスイヤホンを使う人、コスパ最重視の人
SOUNDPEATS Air4 Pro約8,500円13mmダイナミックSBC, AAC, aptX Adaptive, aptX Losslessあり (最大-45dB)IPX4約6.5時間 / 約26時間機能と音質のバランスを求める人、マルチポイントが欲しい人
SOUNDPEATS Opera 05約14,000円12mmダイナミック×1, BA×2SBC, AAC, LDACあり (最大-30dB)IPX4約9時間 / 約33時間1万円台で最高の音質を追求したいオーディオファン
SOUNDPEATS GoFree2約8,000円16.2mmダイナミックSBC, AAC, LDACなしIPX5約9時間 / 約35時間ランニングや家事をしながら安全に音楽を楽しみたい人

このメーカーの製品はよい製品か?

「価格を考えれば、非常によくできた良い製品」と断言できます。

彼らの強みは、最新技術をいち早く低価格帯の製品に投入するスピード感と、音質に関わる部分にコストを集中させる割り切りの良さにあります。その品質は客観的にも評価されており、日本の権威あるオーディオビジュアルアワード「VGP」を数多く受賞しています 。例えば、旗艦モデルの「Opera 05」は「VGP 2023 SUMMER」で金賞を受賞しており、これは日本の厳しい市場でその品質と価値が認められた証拠です 。  

技術的な面を見ても、Qualcomm社の最新チップセット や、LDAC、aptX Adaptive Losslessといったハイレゾ級の高音質コーデックを積極的に採用しています 。これは、音質を左右するデジタル信号処理と伝送路を最優先するという、エンジニアリング的に非常に合理的な設計思想の表れです。  

このメーカーの生産地(工場)はどこか?

Soundpeatsは、自社で工場を所有しない「ファブレス」と呼ばれる経営形態をとっています 。これは、Appleをはじめとする多くの巨大テック企業も採用している非常に効率的な手法です。  

製品開発のプロセスは以下のようになっています。

  1. 設計・企画:深圳の本社(深圳市星科启创新科技有限公司)で行われます 。  
  2. 製造:隣接する東莞(とうかん)市などにある、信頼できる提携工場に委託されます。例えば、ZHENG RONG ELECTRONIC(東莞崢嶸電子有限公司)という工場がその一つです 。  

このファブレスという形態により、莫大な設備投資や工場の維持費を抑え、その分を製品開発や高品質な部品の調達に集中させることができます。また、製品ごとに最適な技術を持つ工場を選べるため、柔軟かつスピーディな製品開発が可能になります。設計拠点である深圳と製造拠点である東莞が車で90分ほどの距離にあることも、緊密な連携と品質管理を可能にしており、これがSoundpeatsの驚異的な価格設定の秘密の一つなのです 。  

設計はどこで行っているか?

製品の企画、デザイン、そして心臓部である音響設計などのエンジニアリングは、すべて深圳の竜華区にある本社で一貫して行われています 。  

これは、彼らが単に既存の製品にロゴを付けて販売している(OEM)のではなく、一から自社で製品哲学に基づいた設計・開発を行っていることを意味します。どの機能に重点を置き、どこでコストを削るか、そしてブランドの核となるサウンドチューニングは、すべて自社のエンジニアチームによって決定されているのです。

品質は大丈夫か?

品質管理のプロとして、ここが一番気になる点ですよね。結論から言うと、**「価格帯の中では信頼できる品質管理が行われている」**と評価します。

ファブレスメーカーにとって、提携工場の品質管理は生命線です。Soundpeatsは自社の品質管理チームが工場と密に連携し、厳しい基準に基づいた検査やテストを行っていると報告されています 。  

ここで重要なのが、彼らの「品質」に対する考え方です。彼らの製品は「安物」なのではなく、「コストに対して最適化されている」のです。

  • コストをかけている部分:音質に直結するドライバー(ダイナミック型、BA型、最新のMEMS型まで) 、安定性と機能性を左右するBluetoothチップセット(SoC) 、そして高音質コーデックへの対応 。これらはイヤホンの本質的な性能を決定づける要素です。  
  • コストを抑えている部分
    • 筐体の素材:金属ではなく高品質なプラスチックを使用。これにより、一部モデルでは指紋が目立ちやすいといったレビューもありますが、軽量化とコストダウンを両立しています 。  
    • ノイズキャンセリング機能:ANCは搭載しているものの、その性能はトップブランドには及びません。これは、コストのかかる高性能な専用チップや多数のマイクアレイを避け、「日常使いには十分」なレベルに性能を調整しているためと考えられます 。  
    • マイクの品質:通話品質は、ユーザーレビューでしばしば指摘される弱点です。高性能なマイクや高度なノイズ抑制アルゴリズムは高価なため、ここはコスト削減の対象になりやすい部分です 。  

このように、ユーザーが最も価値を感じる「音質」にリソースを集中させ、それ以外の付加機能では賢明な妥協をする。これは非常に理にかなったエンジニアリング戦略と言えるでしょう。

このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

市場での評判は、その圧倒的なコストパフォーマンスを軸に、総じて非常に高い評価を得ています。Amazon Japanではベストセラーとなり 、各種オンラインストアの売上ランキングでも常に上位に位置しています 。  

良い口コミ

  • 価格からは信じられない高音質 「この値段でこの音はありえない」という声が最も多く見られます 。特にデュアルドライバーを搭載した「Engine 4」などは、1万円以下とは思えないクリアでバランスの取れたサウンドが評価されています 。旗艦モデルの「Opera 05」に至っては、2〜3倍の価格帯の製品と比較するレビューも少なくありません 。  
  • 豊富な機能 LDAC対応、マルチポイント接続、長いバッテリー持続時間といった、以前は高級機にしかなかった機能が手頃な価格で手に入ることに驚く声が多いです 。  
  • 優れたバッテリー性能 「Sonic Pro」の単体15時間再生 や「Engine 4」の単体12.5時間再生 など、バッテリーの持ちの良さも高く評価されています。  

悪い口コミ

一方で、もちろん完璧ではありません。しかし、興味深いことに、悪い口コミには一貫した傾向が見られます。

  • ノイズキャンセリング性能が物足りない ANCは機能するものの、「SONYやBOSEと比べると効きが弱い」「電車の走行音のような低音は消えるが、人の声などはあまり消えない」といった意見が見られます 。  
  • 通話時のマイク音質が良くない 「声がこもって聞こえる」「騒がしい場所だと相手に声が届きにくい」など、マイク品質に関する指摘は複数のモデルで見られます 。  
  • ビルドクオリティや質感 頑丈ではあるものの、プラスチックの質感が価格相応に感じられたり、光沢仕上げのモデルで指紋が目立ったりする点が挙げられます 。  

これらの悪い口コミは、一見するとただの欠点に見えます。しかし、これこそがSoundpeatsの製品哲学を裏付けているのです。彼らは意図的に、通話品質や最高レベルのANCといった「付加価値」へのコストを戦略的に抑え、そのリソースをドライバーや音響設計という「音質の核」に再投資しています。

このトレードオフの構造を理解した上で購入すれば、「こんなはずじゃなかった」とがっかりすることは少なくなるはずです。

まとめ

最後に、Soundpeatsについて重要なポイントをまとめます。

  1. 出身地は中国・深圳:世界最先端の電子産業エコシステムを最大限に活用するオーディオブランドです。
  2. 強みは圧倒的なコストパフォーマンス:賢いファブレス経営と、音質にリソースを集中させる合理的なエンジニアリングによって実現されています。
  3. 品質は価格帯で見て信頼できるレベル:音の心臓部には妥協せず、付加機能では賢いトレードオフを行っています。
  4. 購入をおすすめできる人:最高のノイズキャンセリングや通話品質は求めないが、「とにかく良い音を、できるだけ安く」手に入れたいと考えている、賢い消費者です。

私のエンジニアとしての目から見ても、Soundpeatsの製品作りは非常にクレバーです。もしあなたがコストを抑えつつ最大限の音響体験を求めているなら、Soundpeatsは現在、最も賢い選択肢の一つと言えるでしょう。

ぜひ、このガイドを参考に、あなたにピッタリの一台を見つけてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

現役エンジニア 歴12年。
仕事でプログラミングをやっています。
長女がスクラッチ(学習用プログラミング)にハマったのをきっかけに、スクラッチを一緒に学習開始。
このサイトではスクラッチ/プログラミング学習、エンジニアの生態、エンジニアによる生活改善について全力で解説していきます!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次