こんにちは、ブログ「https://oyako-programming.com/」を運営している、エンジニアブロガーの「ろぼてく」です。
普段はエンジニアとして、電気製品の設計や品質業務に10年以上携わっています。その職業柄、製品の「構造」や「品質」には、つい厳しい目を持ってしまいます。
そんな僕ですが、趣味は新しいガジェットやファッションアイテムの探索と購入です。最近、街を歩いていても、電車に乗っていても、On(オン)のスニーカーを履いている人を本当によく見かけませんか?。
あの「雲」のような独特のソールデザイン。
ガジェット好きとしては「一体どんな技術なんだ?」とワクワクし、品質担当者としては「あの中空構造、耐久性は大丈夫か?」「歩き心地は?」と、つい仕事のクセで分析を始めてしまいます。
そして、多くの人が抱く最初の疑問がこれです。
「Onって、ロゴはシンプルだけど、結局どこの国のメーカーなの?」
僕も気になって調べてみたのですが、この「どこの国か」という問いは、単なるトリビアではありません。それは、その製品の「設計思想(Design Philosophy)」や「品質基準(Quality Standard)」の背景を知る上で、非常に重要なヒイントになります。
例えば「スイス製」と聞けば「精密さ」を、「イタリア製」と聞けば「デザイン性」を連想しますよね。
この記事では、単に「Onはどこの国か?」を答えるだけではありません。私の10年以上にわたるエンジニア(設計・品質保証)としての経験をフル活用し、Onというメーカーを「設計」「製造」「品質」そして「評判」の観点から、徹底的に解剖していきます。
「Onのスニーカー、気になってるけど実際どうなの?」
「値段も高いけど、それに見合う価値はある?」
そんな疑問を持っているあなたのための、完全ガイドです。
- 電機メーカー勤務
- ガジェット&アウトドア好き
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

【結論】Onはどこの国のメーカーか?

早速、結論からいきましょう。
Onは、スイスのメーカーです。
2010年に、スイスのチューリッヒで設立されました。
創業者は、元プロアスリートのオリヴィエ・ベルンハルド氏と、その友人であるデビッド・アレマン氏、キャスパー・コペッティ氏の3人です。
ここで僕が「おっ」と注目したのは、創業者の1人が元プロアスリートであるという点です。
これは、このブランドが単なるファッションアイテムとして始まったのではなく、「革新的なランニングセンセーション(革命的なランニング体験)」 という、アスリートが抱える明確なパフォーマンス上の課題解決をDNAとして持っていることを示しています。
彼らが公式に掲げる「スイス エンジニアリング(Swiss Engineering)」 という言葉は、まさにこの「アスリートの鋭い感覚」と「スイスの精密な技術」を融合させるという、ブランドの誇りとアイデンティティそのものなのです。
【結論】Onのスニーカーは買うことをおススメできるか?

ここも、先に私の結論からお伝えします。
エンジニアとして、そしてガジェット・ファッション好きとしての私の総合評価は、
「強くおススメできる。ただし、その革新的な設計がもたらす『トレードオフ』を理解した上で」
です。
確かに、Onのスニーカーは決して安くありません。正直、僕も買うとき「高いな…」と思いました。
しかし、エンジニアの目線でその「中身」を分析すると、その価格は単なる材料費やブランド料ではありません。後ほど詳しく解説しますが、Onの核心である特許技術(CloudTec®など)へのR&D(研究開発)投資が価格の大部分を占めていると考えると、むしろ納得感があります。
『雲の上の走り』 と評される圧倒的な軽さ と快適性、そして所有欲を満たしてくれる洗練されたミニマルなデザイン。これらは「本物」です。
一方で、ネットの口コミを調べると「ソールがすぐ減る」 や「小石が挟まる」 といったネガティブな評判も存在します。
しかし、私の分析では、これらのネガティブな点の多くは「品質が悪い」からではなく、Onの最大の長所である「軽さ」や「クッション性」を生み出すための、**設計上の必然的な結果(=トレードオフ)**である可能性が高いのです。
例えるなら、Onのスニーカーは「日常使いもできるF1カー」です。
とてつもない性能と快適性を持っていますが、オフロード用の「戦車」のような万能な耐久性を期待してはいけません。
この「トレードオフ」については、後ほどの「品質」のセクションで、エンジニアとして徹底的に掘り下げます。
このメーカーのおすすめ製品は?

ガジェット好きとして、僕は製品ラインナップを「エントリー(標準モデル)」、「ミドルレンジ(高機能・最新モデル)」、「ハイエンド(フラッグシップ)」に分けて考えるのが好きです。
Onのスニーカーも、この分類がぴったり当てはまります。
ここでは、僕のエンジニア目線で選んだ「用途別のおすすめ3モデル」を紹介します。
ろぼてくの「On」おすすめモデル比較
| ティア(モデル) | 製品名 | 主な用途 | 主要技術 | エンジニア短評 |
| エントリー | Cloud 5 | 日常使い、旅行、街歩き | CloudTec® (Zero-Gravity) Speedboard® | バランス最強。Onの世界観を体験する最初の⼀足に最適。 |
| ミドルレンジ | Cloudsurfer | ランニング、最新技術の体験 | CloudTec Phase™ | R&Dの「次の一手」。滑らかさを追求した技術的進化モデル。 |
| ハイエンド | Cloudmonster | 長距離ラン、最大クッション | 過去最大のCloudTec® Speedboard® | 「クッション性」に全振りしたフラッグシップ。まさに「怪物」。 |
エントリーモデル(日常使いの決定版): Cloud 5
Onの「顔」であり、街で最もよく見かけるのがこのCloud 5です。まさにアイコニックなモデル。
これはランニング専用というよりは、旅行や街履きなど、日常生活(オールデイ)向けに設計されています。
「エントリー」と呼びましたが、Onの核心技術である「CloudTec®(素材はZero-Gravityフォーム)」と、推進力を生み出す板状の「Speedboard®」は両方しっかり搭載しています。
【ろぼてくの結論】:
「Onのデザイン と『雲の上の快適性』 をまず体験したい」という方に最適です。デザインと快適性、価格のバランスが最も取れた、間違いない一足です。
ミドルレンジ(最新技術のショーケース): Cloudsurfer
これは「技術的」に最も注目すべきモデルです。
最大の特徴は、新技術「CloudTec Phase™(クラウドテック フェーズ)」 を搭載している点。これは、従来のCloudTec®をさらに進化させ、コンピュータ(おそらくFEA=有限要素解析)によるシミュレーションを駆使して、着地から蹴り出しまでのクッションの潰れ方と連動を最適化したものです。
【ろぼてくの結論】:
エンジニアとして、こういう「R&Dの明確なアップデート」にはワクワクさせられます。従来の「個々のポッドが独立して動く」感覚から、より「滑らかな連動」へと設計思想が進化しています。最新の技術を体感したいランナーや、僕のような「最新ガジェット」好きに強く刺さるモデルです。
ハイエンド(性能特化のフラッグシップ): Cloudmonster
何を隠そう、僕が我慢できずに自腹で購入したのがこのモデルです。
その名も「Cloudmonster(クラウドモンスター)」。名前は伊達じゃありません。箱を開けた瞬間、その異様とも言えるソールの厚さに、僕のエンジニア脳は「ここまでやるか!」と刺激されました。
これは「クッショニング」という一つの性能を極限まで高めた「フラッグシップ(あるいはHalo Product=象徴的製品)」です。「過去最大のCloudTec®」 を搭載し、まさに「スペックシート最強」の一足と言えます。
【ろぼてくの結論(体験談)】:
正直、近所のコンビニや犬の散歩には完全にオーバースペックです(笑)。しかし、長距離を走った時の、地面を全く感じさせないクッション性と、Speedboard®がもたらす「爆発的な反発」 は別格。価格も高いですが、それに見合うだけの専門性の高い、ハイパフォーマンス・ツールです。
このメーカーの製品はよい製品か?

さて、ここで「Onは『よい製品』なのか?」という問いに、エンジニアとして真正面から向き合います。
品質保証のエンジニアとして、僕にとって「よい製品」とは、単に「好き」「かっこいい」という感情ではなく、明確な技術的定義があります。
それは、「設計上の仕様(スペック)を、確実に満たしている製品」です。
では、Onの「設計仕様」とは何でしょうか?
それは、創業の理念 からも明らかです。
- 「雲の上の走り」 と評される、軽量 で独特なクッション性を提供する。
- アスリートも満足させ、かつ所有欲を満たす、スタイリッシュ でミニマルなデザインである。
この2つの仕様に照らし合わせると、僕の答えは明確です。
「はい。Onの製品は、紛れもなく『非常に優れた製品』です」
彼らは、自ら設定したこの2つの主要な仕様を、極めて高いレベルで、見事に満たしています。世界中のランナーやファッショニスタが熱狂している のがその証拠です。
…では、なぜネットには「悪い口コミ」 が存在するのか?
ここで、エンジニアリングにおける「仕様(スペック)」と「期待(エクスペクテーション)」のズレが生じます。
例えば、あるユーザーが「どんな道でもガシガシ使える、戦車のような耐久性」を期待してCloudmonsterを買ったとします。
しかし、Onが「アスファルトの上で、最高のクッション性能を発揮する軽量なF1カー」として仕様化していた場合、そこにはミスマッチが起こります。
ユーザーは「すぐにソールが減った! 欠陥品だ!」と感じるかもしれませんが、エンジニアから見れば「その性能を出すために、耐久性の一部をトレードオフにした『仕様通りの製品』」ということになります。
これは、製品の「欠陥」ではなく、ユーザーの「期待」と製品の「仕様」の不一致です。
(このトレードオフの詳細は、次の「品質」のセクションでさらに深く掘り下げます)
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

これが、多くの人が「スイスのメーカー」 と聞いて、次に混乱するポイントです。
Onのスニーカー(そして、ナイキやアディダスなど競合のほとんども)の靴箱や、シュータン(ベロ)の裏にあるタグを見てみてください。
そこには**「Made in Vietnam(ベトナム製)」あるいは「Made in Indonesia(インドネシア製)」** と書かれています。
「えっ、スイス製じゃないの?」
「スイスのメーカーなのに、ベトナムで作ってるのは、コストを下げたいだけのごまかし?」
そう思う方もいるかもしれませんが、それは全くの誤解です。
僕のブログ(https://oyako-programming.com/)の読者さん(エンジニアやガジェット好きの方が多い)なら、この感覚はすぐに理解できるはずです。
これは、AppleのiPhoneが「Designed in California, Assembled in China(カリフォルニアで設計し、中国で組み立て)」であることと、全く同じ構造です。
Onの場合、
「Designed in Switzerland(スイスで設計), Assembled in Vietnam(ベトナムで組立)」
なのです。
これは「ごまかし」でも何でもなく、むしろグローバル市場で戦うための「グローバルスタンダード」であり、高品質を維持するための合理的な判断です。
現代の高性能フットウェアの製造ノウハウ、高度な製造技術、そして高品質なサプライチェーンは、アジア(特にベトナム) に世界で最も集中しています。
私が10年間、製品の生産管理をしてきた経験から言わせてもらうと、重要なのは「工場の場所」ではありません。
重要なのは、その工場で運用される「品質管理(QC)の仕様とレベル」です。
ベトナムの工場 で、あの精密な「スイスの設計」が求める極めて高い品質基準をクリアさせ、不良品をゼロに近づけること。それこそがOnの品質管理チームの仕事であり、彼らが「スイス エンジニアリング」の看板を世界中で守る方法なのです。
設計はどこで行っているか?

ここが、Onというブランドの「心臓部」であり、彼らの価値の源泉です。
設計、研究開発(R&D)、そしてエンジニアリングは、設立の地であるスイス・チューリッヒ にある「On Labs(オン・ラボ)」で一括して行われています。
Onのスニーカーがなぜあんなに高いのか?
その答えは、ベトナムの工賃 ではありません。このチューリッヒの「On Labs」 で行われる、膨大なR&D(研究開発)のコストです。
あなたがOnのスニーカーを買う時、あなたは「布」や「ウレタンフォーム」を買っているのではありません。
あなたは「知的財産(特許技術)」を買っているのです。
エンジニアの視点で、彼らの主要技術を分解してみましょう。
- CloudTec®(クラウドテック):これは単なる「柔らかい素材」ではありません。「機械式クッションシステム」です。中空のポッド(Cloud)が、着地時に垂直方向の衝撃(潰れる)と水平方向の衝撃(ずれる)の両方を吸収します。そして、ポッドが底付きすると「ロック」し、硬い足場に変化します。これにより、「ソフトな着地」と「爆発的な蹴り出し」 という相反する性能を両立させています。これは純粋な**機械工学(Mechanical Engineering)**の産物です。
- Speedboard®(スピードボード):ミッドソールに挟まれた、(おそらく)熱可塑性ポリマーの硬いプレートです。これは「板バネ(Leaf Spring)」の役割を果たします。着地の衝撃でボードを「しならせて」エネルギーを溜め込み、蹴り出しの瞬間にそれを「解放」することで、強力な推進力を生み出します。これもまた、物理学と工学の結晶です。
これこそが、チューリッヒの「On Labs」 で生み出されている価値であり、彼らが「スイス エンジニアリング」 と胸を張る理由です。
品質は大丈夫か?

さて、いよいよ私の本職の出番です。
製品品質の保証業務に10年以上携わってきた人間として、Onの「モノとしての品質」を、厳しくチェックします。これは、僕の「経験」と「専門性」に基づいた、最も得意なレビューです。
先日購入した、僕の私物である「Cloudmonster」。
僕はこれを、ワクワクしながら履く前に、まず「品質エンジニア」の目で検査しました。
以下が、私の個人的な検査レポートです。
ろぼてくの「Cloudmonster」品質検査レポート
1. 接着(Adhesion):
アッパー(布地)とミッドソール(Cloud部)の接着ラインを、指でなぞり、光に当ててチェックしました。
- 結果: 完璧(A+)
- 所見: 接着剤のはみ出しや「糸引き」、隙間は一切なし。安価な靴にありがちな、接着剤のムラが全くない。これは、製造プロセス(ベトナム工場)が非常に成熟しており、外観基準(Cosmetic Standards)が極めて厳しく設定されていることの証拠です。
2. 成形(Molding):
Onの命であるCloudTec®ポッド そのものをチェックしました。(おそらくEVAベースの)フォーム素材ですが、金型から取り出す際の「パーティングライン(金型の合わせ目)」が非常にクリーンで、『バリ(余分なはみ出し)』がありません。
- 結果: 優(A)
- 所見: これは、高価で精密な金型を使い、材料の投入量や温度、圧力を精密に管理している証拠です。これが甘いと、ポッドの性能にバラツキが出ます。見事な成形品質です。
3. 生地・縫製(Textiles & Stitching):
アッパーのメッシュ生地と、かかと周りの縫製をチェック。
- 結果: 完璧(A+)
- 所見: 糸のほつれは皆無。そして、品質が悪い製品で最もよくある「左右非対称(Symmetry)」が全くない。ステッチ(縫い目)のピッチ(間隔)も、機械で制御されているとはいえ、驚くほど均一です。
エンジニアとしての品質総評
結論:Onの「ビルドクオリティ(組み立て品質)」は、文句のつけようがないトップティアです。
スイスのR&D が描いた複雑な設計図を、ベトナムの工場 が完璧に、寸分の狂いなく立体化しています。これは紛れもなく、iPhoneや高級イヤホンと同じ「ハイエンド・ガジェット」の品質です。
【重要】では、なぜ「耐久性が低い」と言われるのか?
さて、ビルドクオリティは最高レベル。では、なぜ「ソールがすぐにすり減る」 という口コミがあるのか?
ここが、この記事で僕が最も伝えたい「エンジニアリングの核心」です。
それは「品質」の欠陥ではなく、「設計」のトレードオフです。
考えてみてください。あの「雲の上」の軽さ と、異次元のクッション性 は、なぜ実現できているのでしょうか?
それは、CloudTec®のソールが「中空(ホロー)」であり、接地面積を極限まで減らしているからです。
もちろん、地面との接点(最も摩耗する部分)には「ヘリオンHF」のような耐摩耗性の高いゴムが配置されています。
しかし、システム全体としては、中身がミッチリ詰まったソリッドなゴム製ソール(例:昔ながらの重い革靴)と比べて、グラムあたりの物理的な耐久性が低いのは当たり前です。
エンジニアリングの世界では、これを「性能 vs 耐久性」のトレードオフと呼びます。
OnのR&Dチーム は、「性能(軽さ・クッション性)」のパラメータを10点満点中10点まで振り切ることを選択しました。
その結果、物理の法則として、「耐久性(摩耗)」のパラメータは8点や7点にならざるを得ないのです。
これは「欠陥」や「品質不良」ではなく、Onが最高のパフォーマンスを追求した結果としての「設計上の選択」です。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

私の技術的な回答は、「はい、全く問題ありません。非常に精巧に作られた製品です」となります。
しかし、市場の「評判」はもう少し複雑です。
Onの評判は、調査した限り「二極化」しています。
エンジニアとして、これは非常に興味深いデータです。なぜなら、評判が二極化するということは、その製品の「設計思想が鋭い(尖っている)」ことの証です。
良い口コミ
- 「本当に雲の上を歩いているみたい」
- 「とにかく軽い。異次元」
- 「デザインが最高。シンプルでどんな服にも合う」
- 「これを履いたら他のスニーカーに戻れない」
【ろぼてく分析】:
これらの「良い口コミ」は、OnのR&D が目指した「設計仕様」 と、ユーザーの「体験」が1:1で完璧に一致していることを示しています。これは、設計の完全な勝利と言えます。
悪い口コミ
- 「ソールがすぐにすり減る。耐久性が低い」
- 「小石がめちゃくちゃ挟まる」
- 「値段が高すぎる」
【ろぼてく分析】:
これらの「悪い口コミ」こそ、エンジニアとして分析のしがいがあります。
- 「ソールがすぐにすり減る」→ 先ほど「品質」セクションで解説した通りです。これは「軽さ」と「クッション性」とのトレードオフです。「仕様」であり、多くのユーザーが期待する「万能な耐久性」とのギャップが生んでいます。
- 「小石が挟まる」→ これ。これは、100%妥当な、設計上の明確な弱点です。CloudTec® のソールにある「溝(チャネル)」は、構造上、まさに「小石トラップ」です。これは、チューリッヒのR&Dチーム も、開発中に絶対に認識していたはずです。それでも彼らは、「溝」がもたらすクッション性 と屈曲性(曲がりやすさ)のメリットが、小石が挟まる というデメリットを上回ると「判断(=妥協)」したのです。もしあなたの通勤路が砂利道なら、この靴は毎日あなたをイライラさせるでしょう。これもまた、性能を追求した設計上の「選択」と「妥協」の結果です。
- 「値段が高い」→ これも妥当な指摘です。しかし、先述の通り、あなたはベトナムの工賃 にお金を払っているのではありません。スイスのR&D、特許技術、高品質な素材、そして(僕を惹きつけたような)巧みなマーケティングに投資しているのです。プレミアム製品であり、プレミアムな価格がついています。
まとめ

さて、「ろぼてく」のOnに関する最終レポートをまとめます。
私の中の「エンジニア」と「ガジェット好き」が、数日間議論した結果、以下のような結論に至りました。
- Q. どこの国?
- A. チューリッヒ生まれの「スイス」のブランドです。
- Q. 設計はどこで?
- A. チューリッヒの「On Labs」 で行われる、核心的な「スイス エンジニアリング」 です。CloudTec® などの特許技術こそが、Onの価値の源泉です。
- Q. 生産(工場)はどこ?
- A. 「ベトナム」や「インドネシア」 です。これはAppleなどと同じ「グローバルスタンダード」であり、高品質な大量生産を実現するための合理的な判断です。ネガティブな点ではありません。
- Q. 品質は大丈夫?
- A. 「組み立て品質(接着、縫製、成形)」は、私のエンジニア目線で**A+(最高レベル)**です。
- 一方で「耐久性」 については、その特徴的な「軽さ」 と「快適性」 を実現するための、意図的な「設計上のトレードオフ」です。「品質不良」ではありません。
- Q. 結局、買うべき?
- **A. 「はい、ただし条件付き」**です。
- もしあなたが、革新的な設計や背景にある技術にワクワクする「ガジェット好き」であり、そのための「トレードオフ」(例:ソールの摩耗 や小石の挟まり)を理解し、許容できるなら、これ以上のスニーカーはありません。
- あなたが『戦車』のような万能な耐久性を求めているのではなく、『F1カー』のような尖った性能と快適性を求めているなら、Onは最高のパートナーになるでしょう。
エンジニアとして、Onが構築したR&Dから製造、マーケティングに至るまでの『システム』には、正直、感銘を受けました。僕は(Cloudmonsterを履きながら)すっかりファンです。
皆さんはOnのスニーカー、どう思いますか?
「私も持ってる!」「小石、めっちゃ挟まるよ!」といった体験談も、ぜひコメントで教えてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ろぼてくでした。

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