こんにちは!「親子プログラミング」運営者のエンジニアブロガー、ろぼてくです。 普段は電気製品の設計や品質管理をしている2児のパパです。 最近、Amazonや楽天で「M-WORKS」という激安パソコンを見かけませんか?「3万円台で買えるの!?子供のプログラミング用にいいかも?」なんて思ったそこのあなた。 ちょっと待ってください!エンジニアの視点で見ると、安さの裏には必ず「理由」があります。 今回は、この謎のメーカー「M-WORKS」がどこの国のどんなメーカーなのか、技術者の目線で徹底的に調べ上げました。失敗しないPC選びのために、ぜひ最後まで付き合ってくださいね。
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

結論:どこの国のメーカーか?

結論から言うと、ブランドの運営元は「日本」、製造は「中国」です。 具体的には、埼玉県川口市にある「株式会社サイエルインターナショナル」という企業が展開している「M-WORKS」というブランドです。
「なんだ、日本の会社なら安心じゃん!」と思うのはまだ早いです。 この会社は自社工場を持たない「ファブレスメーカー」という形態をとっています。
つまり、企画や輸入販売は日本で行っていますが、実際のモノ作り(ハードウェアの製造)は中国の工場で行われているんです。 よくある「Designed by Apple in California」の日本版ローカル企業バージョン、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
結論:買うことをおススメできるか?

「出先でちょっとメールチェックしたい」という大人のサブ機や、「壊れてもいいからネット動画専用にする」という割り切った使い方ならアリです。
ただし、動画を見たりする用途にはあまり向きません。例えば、プログラミング学習では、コードを書いたり、動かしたり、同時にYouTubeでお手本を見たりしますよね。このPCだと、動作がカクついて子供の集中力が途切れてしまう可能性が高いです。
このメーカーのおすすめ製品は?

ラインナップは限られていますが、あえて選ぶならこちらです。
- エントリーモデル(入門):スティックPC「MW-MPS4」 テレビのHDMI端子に挿すだけでPCになる棒状のPCです。約1.7万円と激安ですが、性能は本当に最小限。デジタル看板(サイネージ)や、テレビでネットを見る用途向けです。
- ミドルレンジ(中級):該当なし 残念ながら、一般的なPC市場で「中級」と呼べるスペック(Core i3やi5搭載機)は、現行ラインナップには見当たりません。
- ハイエンド(最上位):8.9インチ 2in1 PC「MW-WPC04」 このメーカーの現在の主力にして最高峰です。iPadくらいのサイズでWindowsが動きます。キーボード付きで約3〜4万円。ただし「ハイエンド」といっても、性能は他社メーカーの「入門機以下」なので注意が必要です。
このメーカーの特徴

「M-WORKS」の最大の特徴は、**「ニッチな隙間産業」**であることです。 大手メーカー(NECやDellなど)が作らなくなった「超小型PC」や「スティック型PC」など、マニアックな製品を低価格で提供しています。
また、運営元のサイエルインターナショナルは、PC以外にも「保冷米びつ」や「蚊取り器」など、多種多様な面白家電を扱っている商社気質の会社です。 PC専業メーカーではないため、最新技術を追求するというよりは、「中国にある既存の製品の中から、日本で売れそうな面白いものを安く持ってくる」というスタイルが得意なようですね。
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

生産地は間違いなく**「中国」です。 特に、電子機器の世界的生産拠点である「深セン(Shenzhen)」**周辺の工場で製造されている可能性が極めて高いです。
筐体(ボディ)のデザインや部品の構成を見ると、中国の現地メーカーが作っている汎用的なモデル(ホワイトボックス)と非常に似ています。 これ自体は悪いことではありません。iPhoneだって中国製ですからね。
ただ、大手メーカーのような専用の自社工場ではなく、様々なブランドの製品を請け負う「ODM工場」で作られている点がポイントです。
設計はどこで行っているか?

ハードウェアの**基本設計は「中国」**で行われていると考えられます。 マザーボード(基板)の回路設計や、筐体の金型などは、中国のODMメーカーが持っている既存の設計図(リファレンスデザイン)を流用しているでしょう。
日本のサイエルインターナショナルが行っている「設計」は、おそらく「日本向けカスタマイズ」です。 例えば、キーボードを日本語配列にしたり、日本のコンセントに合うACアダプタを選定したり、日本の電波法(技適)に通るように無線部品を調整したりといった、販売に必要なローカライズが主な役割だと推測できます。
品質は大丈夫か?

品質については**「価格相応」**と考えるのが技術者としての誠実な回答です。
3万円台のPCに、10万円のPCと同じ耐久性や安定性を求めるのは酷です。コストカットのため、プラスチックの質感はチープですし、液晶のヒンジ(開閉部)などの可動部は弱点になりやすいです。
ただ、海外サイトから直接怪しいPCを買うのとは違い、日本の会社が検品やサポートに入っている点は大きな安心材料です。 「電源が入らない」「日本語入力ができない」といった初期不良に当たっても、日本語で対応してもらえるのは、このメーカーを選ぶ最大のメリットと言えるでしょう。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

「用途を間違えなければ」買っても大丈夫です。ユーザーの声を分析しました。
良い口コミ
- 「とにかく軽い!」 8.9インチモデルは600g台なので、カバンに入れても重さを感じないという声が多いです。
- 「サブ機として優秀」 メインのPCを持っている人が、外出用や寝っ転がって使う用として割り切って使う分には高評価です。
- 「画面が綺麗」 意外にも液晶パネルの解像度が高く(2048×1536)、文字や写真が綺麗に見えるという驚きの声があります。
悪い口コミ
- 「遅すぎる」 やはりこれが一番多いです。「YouTubeがカクつく」「検索するだけで待たされる」など、性能不足への不満が爆発しています。
- 「キーボードが打ちにくい」 小型化の弊害で、キーの配置が変則的です。「ー」や「Enter」が小さすぎて、プログラミングやレポート作成には不向きという声が目立ちます。
まとめ

今回は「WORKS PC(M-WORKS)」について調査しました。
- メーカー: 日本の「サイエルインターナショナル」(製造は中国)。
- 正体: 中国製の汎用PCを日本向けに調整して販売しているブランド。
- おススメ度: 子供の学習用には**×。ガジェット好きのサブ機なら△**。
エンジニアパパとしては、お子さんの将来のためには、もう少し予算を出してでも中古のThinkPadや新品のChromebookを買うことを強くおススメします。 「道具」は子供の成長を左右します。安物買いで子供のやる気を削がないよう、賢い選択をしてくださいね!

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