こんにちは、「おやこプログラミング」のろぼてくです。私は電気製品の設計エンジニアとして10年以上、マイコンや半導体の選定に携わってきました。設計の現場で部品のデータシートを眺めていると、必ずと言っていいほど目にするロゴがあります。それが「TSMC」です。
私が設計する製品の頭脳となるマイクロコントローラ、通信を担うRFチップ、電源を制御するパワー半導体。その多くが、TSMCの工場で作られています。まさに、現代のテクノロジーを根底から支える存在です。しかし、これほど重要な企業でありながら、「TSMCって、結局どこの国の会社なの?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。
この記事では、そのシンプルな疑問への答えから始め、一人のエンジニアとして、そして業界の動向を追うアナリストとして、TSMCという巨人の正体を徹底的に解き明かしていきます。公式情報や海外の文献を基に、その事業内容、圧倒的な市場シェア、成功の秘密、そして今後の戦略まで、私の実務経験を交えながら深く掘り下げていきます。
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- IC設計経験あり

どこの国の半導体メーカー 総まとめ
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結論:TSMCはどこの国のメーカーか?

結論から申し上げます。TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. / 台湾積体電路製造股份有限公司)は、台湾の企業です 。本社は台湾のシリコンバレーとも呼ばれる新竹サイエンスパークにあります 。
「なんだ、台湾の会社か」と、ここでページを閉じてしまうのは非常にもったいない。この「台湾の企業である」という単純な事実の裏には、現代社会の根幹を揺るがすほどの巨大な意味が隠されています。
なぜなら、TSMCはただの半導体メーカーではないからです。皆さんが今使っているスマートフォンの心臓部であるプロセッサ、世界を動かすAIデータセンターのGPU、最新の自動車に搭載される無数のチップ。その最先端品の実に9割以上が、この台湾の一企業によって製造されています 。
私たちエンジニアの世界では、NVIDIAやQualcommのような半導体を設計する「ファブレス」企業が有名です。しかし、彼らが「ファブレス(工場を持たない)」でいられるのは、TSMCという世界最高の製造工場が存在するからです。TSMCがどこの国の企業かを知ることは、単なる豆知識ではありません。それは、現代のテクノロジーと世界の地政学における「重心」がどこにあるのかを理解することに他ならないのです。
事業ポートフォリオ:世界中のハイテク製品を支える心臓部

TSMCの強さを理解するためには、まず彼らが何を生業としているのか、その事業内容を詳しく見る必要があります。TSMCは、1987年に世界で初めて「専業ファウンドリ(Pure-Play Foundry)」というビジネスモデルを確立した企業です 。
これは、自社で半導体の設計は行わず、他社が設計した半導体の製造のみを請け負うというモデルです。この「顧客と競合しない」という姿勢が、世界中の設計会社から絶大な信頼を得る礎となりました。
TSMCの事業は、主に4つの技術プラットフォームをターゲットにしています。これらが現代社会を動かす主要な分野であることがわかります 。
- ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC):AIサーバー、データセンター、スーパーコンピュータ向けの最先端プロセッサ。
- スマートフォン:iPhoneなどに搭載される高性能SoC(System-on-a-Chip)。
- IoT(モノのインターネット):スマートウォッチや家電に内蔵される低消費電力チップ。
- 自動車:自動運転やインフォテインメントシステムを支える車載半導体。
これらのプラットフォームを支えるため、TSMCは非常に幅広い技術ポートフォリオを提供しています。
先端ロジック半導体
TSMCの最も重要な事業であり、技術的リーダーシップの象徴です。プロセスノードと呼ばれる回路線幅の微細化競争で世界をリードしており、7nm、5nm、3nmといった最先端プロセスを他社に先駆けて量産化してきました 。
この技術がどれほどすごいかというと、具体的な製品を見れば一目瞭然です。
- Apple A18 Pro:iPhone 16 Proに搭載されるこのチップは、TSMCの第2世代3nmプロセス「N3E」で製造されています 。
- NVIDIA Blackwell B200 GPU:世界中のAIを動かす最新のGPUは、TSMCのカスタム4nmプロセス「4NP」を用いて作られています 。
これらの最先端チップは、性能と電力効率を極限まで高める必要があり、それを実現できるのは世界で唯一TSMCだけ、という状況が続いています。
特殊技術(Specialty Technologies)
すべての製品が最先端プロセスを必要とするわけではありません。むしろ、世の中の多くの電子機器は、特定の機能に特化した「枯れた」技術で十分な場合が多いのです。TSMCはこの分野でも非常に強力なポートフォリオを持っています 。
- CMOSイメージセンサー:スマートフォンのカメラに使われるセンサー。
- RF(高周波):5G通信などに不可欠な無線通信用チップ。
- BCD(Bipolar-CMOS-DMOS):電源ICなど、電力を制御するためのプロセス。
- MRAM(磁気抵抗メモリ):不揮発性の組み込みメモリ。
【エンジニアの体験談】 最近、私が担当した車載製品の設計で、高い信頼性が求められるマイコンが必要になりました。様々な選択肢を検討した結果、最終的に採用したチップはTSMCの22nm MRAMプロセスで製造されたものでした 。最先端ではありませんが、コスト、信頼性、性能のバランスが絶妙で、まさに「こういうのが欲しかった」という製品でした。このように、TSMCは最先端だけでなく、多種多様なニーズに応える技術力を持っているのです。
先進パッケージング技術(3DFabric™)
チップの性能は、もはや微細化だけでは決まりません。複数の異なるチップをいかに小さく、効率的に一つにまとめるかという「パッケージング技術」が極めて重要になっています。特にAIチップでは、GPUのダイとHBM(広帯域メモリ)を一つのパッケージに収める必要があり、TSMCの**CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)**という技術が業界標準となっています 。
この分野でもTSMCは圧倒的なリーダーであり、NVIDIAのAI GPUの需要急増に対応するため、CoWoSの生産能力を急ピッチで増強しています。
顧客基盤とエコシステム
2024年時点で、TSMCは522社の顧客にサービスを提供し、11,878種類もの異なる製品を製造しています 。その顧客リストには、Apple、NVIDIA、AMD、Qualcomm、Broadcomといった、皆さんが知るほぼすべての主要ハイテク企業が名を連ねています 。特にAppleは最大の顧客で、TSMCの売上の大きな部分を占めています 。
TSMCの強さは、単なる製造技術だけではありません。彼らは「オープンイノベーションプラットフォーム®(OIP)」というエコシステムを構築しています 。これは、チップ設計に必要なIP(知的財産)や設計ツール(EDA)を、TSMCの製造プロセスに最適化された形でパートナー企業と共に提供する仕組みです 。
設計会社は、このプラットフォームを利用することで、開発リスクと時間を大幅に削減できます。そして一度このエコシステム上で製品を開発すると、他のファウンドリに乗り換えるのは非常に困難になります。つまり、TSMCの事業ポートフォリオは、顧客を深く取り込み、関係性を強化する強力な「堀(Moat)」として機能しているのです。
業界でのシェア、ランキング、競合:なぜTSMCは「一強」なのか

TSMCの業界における立ち位置は、「リーダー」という言葉では生ぬるいほどの「絶対王者」です。その支配的な地位は、市場シェアの数字に明確に表れています。
市場調査会社TrendForceの2025年第2四半期のデータによると、TSMCは世界の専業ファウンドリ市場で過去最高の**70.2%**という驚異的なシェアを獲得しました 。これは、前四半期の67.6%からさらにシェアを拡大した結果です 。
| 順位 | 企業名 | 国・地域 | 2025年第2四半期 売上高(億ドル) | 2025年第2四半期 市場シェア |
| 1 | TSMC | 台湾 | 302.4 | 70.2% |
| 2 | Samsung Foundry | 韓国 | 31.6 | 7.3% |
| 3 | SMIC | 中国 | 22.1 | 5.1% |
| 4 | UMC | 台湾 | 19.0 | 4.4% |
| 5 | GlobalFoundries | 米国 | 16.9 | 3.9% |
この表を見れば、状況は一目瞭然です。2位のSamsungのシェアは7.3%に過ぎず、TSMCとの差は絶望的とも言えるほど開いています。なぜ、これほどの差がついてしまったのでしょうか。
競合他社の状況
- Samsung Foundry(韓国):TSMCの最大のライバルと目されていますが、長年にわたり最先端プロセスの歩留まり(良品率)の問題に苦しんでいます 。歩留まりが低いと、コストが上昇し、安定供給が難しくなるため、AppleやQualcommといった大口顧客の信頼を失い、TSMCに契約を奪われるという歴史を繰り返してきました。
- Intel Foundry Services (IFS)(米国):半導体の巨人Intelが、自社製品の製造だけでなく、他社の製造も請け負うファウンドリ事業に本格参入しました。しかし、長年IDM(設計から製造まで一貫して行うメーカー)であったため、顧客サービスを第一とするファウンドリの文化への転換に苦労しています 。自社の決算報告書で「現時点では、外部ファウンドリ事業で重要な顧客を獲得することに成功していない」と認めるほど、厳しい状況です 。技術的にもTSMCに数年遅れており、追いつくにはまだ時間が必要です 。
- SMIC(中国)、UMC(台湾)、GlobalFoundries(米国):これらの企業は、主に数世代前の成熟したプロセスノードで事業を展開しており、TSMCが独走する最先端分野では直接の競合相手とはなっていません 。
リーダーシップがさらなるリーダーシップを生む構造
TSMCと競合の差が広がり続けるのには、構造的な理由があります。半導体製造は、勝者がさらに勝ちやすくなる「正のフィードバックループ」が働きやすい業界なのです。
- TSMCが新しいプロセス(例:3nm)で他社に先駆けて安定した量産を始めると、最高の性能を求めるAppleのような最も要求の厳しい大口顧客が殺到します。
- この大量生産を通じて、TSMCは膨大な製造データを蓄積します。このデータこそが、歩留まりを改善し、プロセスをさらに最適化するための鍵となります。
- 歩留まりと信頼性が向上すると、さらに多くの顧客が集まり、売上とデータがさらに増加します。
- そして、このサイクルで得られた莫大な利益を、次の世代のプロセス(例:2nm)の研究開発に再投資することで、再び他社をリードすることができるのです。
一方で、Samsungのように初期の歩留まりでつまずくと、大口顧客を失い、歩留まり改善に必要な大量のデータを蓄積できません。その結果、次の世代の開発でも遅れを取り、差は開く一方となります。この「製造におけるデータネットワーク効果」こそが、TSMCの一強体制を盤石なものにしているのです。
収益、利益の推移:驚異的な成長をデータで見る

TSMCの技術的優位性と市場支配力は、その財務状況にも如実に反映されています。長年にわたり、同社は驚異的な成長と高い収益性を維持してきました。
2023年は半導体市場全体が調整局面にあり、TSMCの売上高も前年比で4.5%減少しました 。しかし、特筆すべきはその利益率の高さです。2023年でも売上高総利益率(粗利率)は54.4%、営業利益率は42.6%という、製造業としては異次元の数値を叩き出しています 。AIブームに乗り、再び急成長を遂げた2022年には、粗利率59.6%、営業利益率49.5%というさらに驚異的な記録を達成しました 。
【エンジニアの視点】 この利益率は、TSMCが価格競争に巻き込まれていないことを明確に示しています。彼らは「価値」で勝負しているのです。NVIDIAが次世代のAIチップを市場に投入したいと考えたとき、その性能と規模を実現できる製造パートナーは事実上TSMCしかありません。この代替不可能性が、TSMCに絶大な価格決定権を与えているのです。
以下に、近年の業績推移をまとめました。
| 会計年度 | 連結売上高(億NTドル) | 連結売上高(億USドル) | 純利益(億NTドル) | 売上高総利益率 |
| 2020 | 13,393 | 477.1 | 5,179 | 53.1% |
| 2021 | 15,874 | 573.9 | 5,965 | 51.6% |
| 2022 | 22,639 | 738.6 | 10,165 | 59.6% |
| 2023 | 21,617 | 693.0 | 8,385 | 54.4% |
| 2024 | 28,943 | 883.4 | 12,913 | 56.1% |
2023年の一時的な落ち込みを乗り越え、AI需要の爆発的な増加を背景に、2024年以降は再び力強い成長軌道に戻っていることがわかります 。
業界での特徴:成功の鍵「ファウンドリモデル」とは

TSMCの成功を語る上で、その根幹にある「専業ファウンドリ(Pure-Play Foundry)」というビジネスモデルは絶対に外せません。1987年に創業者であるモリス・チャン博士がこのモデルを提唱したとき、それは業界の常識を覆す革命的なアイデアでした 。
当時の半導体業界は、Intelに代表されるようなIDM(Integrated Device Manufacturer:垂直統合型デバイスメーカー)が主流でした。IDMは、自社でチップの設計から製造、販売まで全てを手掛けます。これには莫大な設備投資が必要で、半導体産業への参入障壁は極めて高いものでした。
モリス・チャン博士は、この構造を「設計」と「製造」に分離することを考えました。
- ファブレス企業:NVIDIAやQualcommのように、工場(Fab)を持たず、チップの設計とマーケティングに特化する。
- ファウンドリ企業:TSMCのように、設計は行わず、世界中のファブレス企業から製造を請け負うことに特化する。
この分業モデルは、半導体業界を劇的に変えました。数十億ドル規模の工場を建設する資金がなくても、優れた設計アイデアさえあれば誰でも半導体ビジネスに参入できるようになったのです 。これにより、無数のスタートアップが生まれ、イノベーションが加速しました。
TSMC自身は、この成功の要因を「三位一体の強み(Trinity of Strengths)」として掲げています 。
- 技術的リーダーシップ(Technology Leadership):常に最先端の製造プロセスを提供する。
- 卓越した製造能力(Manufacturing Excellence):高い歩留まりと品質で、大量のチップを安定供給する。
- 顧客との信頼関係(Customer Trust):自社製品を持たず、顧客と決して競合しない。
この3つのうち、特に「顧客との信頼関係」を担保しているのが、専業ファウンドリというビジネスモデルなのです。顧客は、自社の最も重要な設計情報を、将来ライバルになるかもしれない相手に預ける心配がありません。この絶対的な信頼感が、TSMCを業界のハブへと押し上げたのです。
会社の歴史:一人の技術者が世界を変えた物語

TSMCの歴史は、創業者であるモリス・チャン博士の物語そのものです。彼の先見の明と不屈の精神なくして、今日のTSMCはあり得ませんでした。
チャン博士は1931年に中国で生まれ、若くして米国に渡り、ハーバード大学とMITで学びました 。その後、半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TI)でキャリアを積み、上級副社長にまで上り詰めました。
転機が訪れたのは1985年。台湾政府から、国内の半導体産業育成を目的とした工業技術研究院(ITRI)のトップ就任を要請されます 。当時50代半ばだったチャン博士は、この挑戦を受け入れ、台湾に移住しました。
そして1987年、彼は台湾政府とオランダのフィリップス社からの出資を受け、TSMCを設立します 。前述の「専業ファウンドリ」という、当時誰も信じなかったビジネスモデルを掲げての船出でした。
その後のTSMCの歩みは、まさに世界のテクノロジー史そのものです。
- 1990年代:1994年に台湾証券取引所、1997年にニューヨーク証券取引所に上場し、大規模な設備投資のための資金を確保 。
- 2010年代:スマートフォンの爆発的普及の波に乗り、AppleのiPhone向けプロセッサ「Aシリーズ」の製造を受注。それまで製造を担っていたライバルのSamsungから契約を勝ち取ったこの出来事は、TSMCの地位を決定的なものにしました 。
- 2010年代後半~現在:2018年頃に7nmプロセスでIntelを技術的に追い抜き、名実ともに世界のトップに立ちます。そしてAI革命が始まると、NVIDIAの高性能GPUの独占的な製造パートナーとして、再び時代の中心へと躍り出ました 。
一人の技術者が56歳で興した会社が、わずか30年余りで世界経済のインフラとなり、テクノロジーの未来を左右する存在になったのです。
設計/生産の場所:台湾から世界へ広がる製造拠点

TSMCの心臓部が台湾にあることは間違いありません。特に最先端プロセスの研究開発と量産は、新竹、台南、台中にある「GIGAFAB®」と呼ばれる巨大工場群に集中しています 。
しかし、2020年から2023年にかけて世界を襲った半導体不足や、米中対立といった地政学的リスクの高まりを受け、TSMCは生産拠点を世界に分散させる戦略を加速させています 。これは、主要顧客のサプライチェーンを安定させ、各国の政府からの要請に応えるための重要な動きです。
現在進行中の主要な海外拠点は以下の通りです。
| 所在地 | 主要工場 | 主なプロセス技術 | 戦略的焦点・主要パートナー |
| 台湾(新竹、台南、台中) | Fab 12, 14, 15, 18など | 5nm, 3nm, 2nm(研究開発) | 最先端技術の研究開発と量産の中核拠点 |
| 米国(アリゾナ州) | Fab 21(3期計画) | 4nm, 3nm, 2nm/A16 | 米国CHIPS法による支援。Apple、NVIDIAなど米国顧客への供給 |
| 日本(熊本県) | JASM (Fab 23) | 28/22nm, 16/12nm, 6/7nm | 車載半導体、イメージセンサー。ソニー、デンソー、トヨタとの合弁事業 |
| ドイツ(ドレスデン) | ESMC | 28/22nm, 16/12nm | 車載および産業用半導体。ボッシュ、インフィニオン、NXPとの合弁事業 |
このグローバル展開の戦略は非常に巧みです。単に工場を分散させるだけでなく、それぞれの地域の強みや主要顧客のエコシステムと連携しています。自動車産業が集積するドイツでは車載半導体を、イメージセンサーに強いソニーがいる日本では関連半導体を、そして最大の市場であり設計会社が集まる米国では最先端のロジック半導体を生産する。この戦略的な配置により、地政学的リスクを低減しつつ、顧客との連携をさらに深めようとしているのです。
まとめ

改めて、最初の問いに戻りましょう。「TSMCはどこの国の企業か?」 答えは台湾です。しかし、この記事を通して見えてきたのは、その一言では到底収まらない、グローバルで絶対的な存在としてのTSMCの姿でした。
- 革命的なビジネスモデル:モリス・チャン博士が考案した「専業ファウンドリ」モデルが、半導体業界の構造を変え、イノベーションを解放した。
- 絶対的な技術力:最先端プロセスから特殊技術、先進パッケージングまで、競合を寄せ付けない圧倒的な技術ポートフォリオを構築。
- 揺るぎない市場支配力:70%を超える市場シェアを握り、成功がさらなる成功を生む正のフィードバックループを確立している。
- 地政学の中心:その存在の重要性から、米中技術覇権争いの鍵を握り、世界各国が自国への工場誘致に動く地政学的な要衝となっている。
1987年の一つのアイデアから始まったTSMCは、今や私たちのデジタル社会を静かに、しかし確実に支える不可欠なインフラとなりました。一人のエンジニアとして、AIやコンピューティング、通信の未来が、彼らの工場でナノメートル単位の精度でシリコンウェーハに刻まれていると考えると、畏敬の念すら覚えます。
TSMCを理解することは、もはやエンジニアだけの課題ではありません。21世紀のテクノロジーと経済の動きを理解したいと願う、すべての人にとっての必修科目と言えるでしょう。

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