こんにちは!親子でプログラミングを楽しむエンジニアブロガーの「ろぼてく」です。
夏が近づくと手放せなくなる「ハンディファン」。最近、家電量販店や雑貨店で「ヒロ・コーポレーション(HIRO CORPORATION)」というメーカーの製品をよく見かけませんか?ペルチェ素子を使った冷却機能付きや、100段階の風量調節など、ユニークな機能を持つ製品が手頃な価格で売られていて、気になっている方も多いと思います。
しかし、いざ「ヒロ・コーポレーション」について調べてみると、「不動産会社?」「アパレル?」「いったいどこの国のメーカーなの?」と、情報が錯綜して混乱してしまいます。
そこで今回は、電気製品の設計と品質業務に10年以上携わってきた僕、ろぼてくが、その専門知識と経験を活かして、「ヒロ・コーポレーション」の正体を徹底的に解明します。そして、主力製品であるハンディファンの品質は本当に大丈夫なのか、エンジニアの視点から忖度なくレビューしていきます!
- 電機メーカー勤務
- エンジニア歴10年以上
- 品質担当経験あり

どこの国のメーカー 総まとめ
みんなが気になるあのメーカーの国籍と製品レビューがわかります!100社以上を徹底調査しています!

結論:どこの国のメーカーか?

まず、皆さんが一番気になっている結論からお伝えします。
ハンディファンなどを販売している「株式会社ヒロ・コーポレーション」は、日本の企業です。本社は福岡県北九州市にあります 。
なぜこんなに情報が分かりにくいのかというと、「ヒロ・コーポレーション」という名前の会社が日本国内に複数存在するからです。検索すると、賃貸経営やアパート経営を手がける不動産会社 、リネンサプライの会社 、ミセスファッションや宝飾品を扱う会社 など、全く異なる業種の企業がいくつもヒットします。
今回私たちが注目しているのは、公式サイトに「小型ファン」や「キッチン家電」などの製品情報を掲載している、hiro-corpo.netというドメインのウェブサイトを持つ会社です 。この会社が、オリジナル商品の企画・輸入販売を手掛ける、福岡に本社を置く日本のファブレスメーカーなのです 。
このように、最初に読者が抱える「どの会社のこと?」という疑問を明確に解決することが、信頼できる情報を提供する第一歩だと僕は考えています。これで安心して、製品の核心に迫っていけますね。
結論:買うことをおススメできるか?

次に、エンジニアとしての僕の最終的な評価です。「ヒロ・コーポレーションのハンディファンは買うべきか?」という問いに対しては、**「明確な目的を持つユーザーには、非常におすすめできる」**という、少し条件付きの答えになります。
具体的に言うと、「ペルチェ素子による冷却機能など、最新の機能をいち早く、かつ安価に試してみたい」という方には、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。
しかし、「オフィスなどの静かな場所で使いたい」「高級感や細部の作り込みを重視する」「一つの製品を何年も安心して使い続けたい」といった、静音性や長期的な耐久性を最優先する方には、正直なところ、より高価格帯の他社製品を検討することをお勧めします。
ヒロ・コーポレーションの製品は、革新的な機能を驚くほどの低価格で実現している一方で、その価格を実現するために、モーターの動作音や、高機能を使った際のバッテリー消費といった面で、いくつかのトレードオフを受け入れる必要があります。この点を理解した上で選ぶことが、購入後の満足度を大きく左右する鍵となります。
このメーカーのおすすめ製品は?

ヒロ・コーポレーションの魅力は、なんといってもその圧倒的な製品ラインナップの多さです 。シンプルなものから多機能なものまで、様々なニーズに応えるモデルが揃っています。
ここでは、僕がエンジニアの視点で「これは!」と思ったモデルを、価格帯と用途別に3つ厳選してご紹介します。
エンジニアが選ぶ!ヒロ・コーポレーション ハンディファン比較表
| ティア | モデル名/型番 | 参考価格 | 主な技術的特徴 | バッテリー容量 (mAh) | こんな人におすすめ |
| エントリー | レギュラーサイズハンディファン (HDL-4027など) | 1,000円~ | シンプル設計・軽量 (約160g) | 1200mAh | とにかく安く、基本的な送風性能を求める人 |
| ミドルレンジ | ワイドヘッドハンディファン (HDL-7912など) | 2,500円~ | 大口径 (17cm) 5枚羽根による広範囲送風 | (非公開・大型) | デスクワークや屋外で、広範囲をカバーする柔らかな風が欲しい人 |
| ハイエンド | 100段階強風ペルチェハンディーファン (HDL-3907など) | 2,800円~ | ペルチェ素子による直接冷却機能 | 3000mAh (類似モデル) | 猛暑日に、ただの風ではない「冷たさ」を求める人 |
エントリーモデル:レギュラーサイズハンディファン (HDL-4027など)
まずはお手頃なエントリーモデルから。実売価格1,000円前後と非常に安価ながら、風量は3段階で調節可能、スタンドも付属しており卓上でも使えます 。バッテリー容量は1200mAhで、弱モードなら最大6時間程度使用可能です 。
【ろぼてく’s Eye】 「これはハンディファンの『基準点』となるモデルです。約160gと軽量で、最低限の機能を備え、もちろん安全性も確保されています。突出した性能はありませんが、『夏の短いお出かけ用に、とにかく安く一つ持っておきたい』というニーズには完璧に応えてくれます。この価格で基本を押さえている点は評価できますね。」
ミドルレンジ:ワイドヘッドハンディファン (HDL-7912/HDL-7929)
次に、少し特徴的なミドルレンジモデルです。最大の特徴は、なんと直径17cmという圧倒的な大きさのファンヘッド 。一般的なリビング扇風機と同じ5枚羽根を採用し、広範囲にパワフルで心地よい風を送り出すことを目指した設計です。風量は4段階、首の角度も180度調整可能で、卓上ファンとしての実用性も非常に高いモデルです 。
【ろぼてく’s Eye】 「このモデルは、多くの小型ファンが抱える『風が直線的で、当たっている部分しか涼しくない』という課題に、正面から向き合った製品です。大きな羽根で空気を動かすことで、より自然で柔らかな風を生み出しています。設計思想が明確で、価格上昇分に見合うだけの価値をしっかり提供している、非常に実用的な一台と言えるでしょう。」
ハイエンド:100段階強風ペルチェハンディーファン (HDL-3907など)
そして、ヒロ・コーポレーションの真骨頂とも言えるハイエンドモデルです。この製品の核心は、スマートフォンの冷却装置などにも使われる「ペルチェ素子」という半導体を利用した冷却プレートを搭載している点です 。ファンが起こす風に加えて、このプレートを直接肌に当てることで、ひんやりとした「冷たさ」をダイレクトに感じることができます。さらに、風量を1から100まで細かく調整できる機能や、バッテリー残量を数値で表示するディスプレイも搭載しています 。
【ろぼてく’s Eye】 「エンジニアとして、この製品には本当に驚かされました。ペルチェ素子という熱電冷却技術を、実売価格3,000円以下のハンディファンに搭載してきたのですから 。これは技術的な挑戦であり、同社の製品戦略を象徴するモデルです。ただし、この先端技術には大きな代償も伴います。それが、後述する『騒音』と『バッテリー消費』の問題です。この点を理解することが、この製品を使いこなす上で最も重要になります。」
このメーカーの製品はよい製品か?

製品の良し悪しを判断する前に、まずヒロ・コーポレーションという企業のビジネスモデルを理解する必要があります。
彼らは自社で工場を持たない**「ファブレス」**企業です 。日本の本社で市場のニーズを分析し、製品の企画・設計を行い、実際の製造は中国などの海外提携工場に委託する、というスタイルを取っています 。これは現代の多くの家電メーカーが採用している効率的な手法です。
彼らの製品ラインナップを見ると、その戦略は非常に明確です 。
- トレンドの迅速なキャッチ: ペルチェ冷却や多段階風量調節など、市場で注目され始めた技術や消費者の欲求を素早く見つけ出します。
- スピーディーな製品化: 海外の製造パートナーと連携し、それらのトレンドを盛り込んだ製品を驚くほどの短期間で開発・発売します。
- 徹底した低価格戦略: 最新技術を搭載しながらも、消費者が気軽に試せる低価格帯で市場に投入します。
つまり、彼らの強みは「完璧に磨き上げられた一つの製品」を時間をかけて作ることではなく、**「市場のニーズに素早く応え、特徴的な機能を持つ多様な製品を、手頃な価格で提供する」**という市場対応力とスピードにあるのです。このビジネスモデルを理解すると、製品の長所と短所がなぜ生まれるのか、その背景が見えてきます。
このメーカーの生産地(工場)はどこか?

製品の仕様書や販売店の情報を見ると、生産地は一貫して中国と記載されています 。
ここでエンジニアとして一言付け加えさせてください。現代の家電製品において、「中国製」であること自体は、品質の良し悪しを直接示すものでは全くありません。世界中の有名ブランドが中国の工場で製品を製造しており、その品質は、発注元である企業(この場合は日本のヒロ・コーポレーション)がどのような設計図を渡し、どの品質レベルの部品を指定し、どれだけ厳格な品質管理を要求するかにかかっています。重要なのは「どこで作られたか」ではなく、「誰が、どのような基準で設計・管理しているか」なのです。
設計はどこで行っているか?

前述の通り、製品の企画・設計は日本の福岡本社で行われています 。
これは非常に重要なポイントです。つまり、ヒロ・コーポレーションの製品は、日本の消費者の好みやライフスタイル、そして安全基準を前提として考えられているということです。たとえ製造が海外であっても、その製品のコンセプトや機能、デザインの根幹には、日本の企業の思想が反映されています。これが、多くの海外製品とは一線を画す使いやすさや、日本市場での受け入れられやすさに繋がっていると考えられます。
品質は大丈夫か?

さて、いよいよ本題の品質について、エンジニアの視点からメスを入れていきましょう。「品質」と一言で言っても、実は様々な側面があります。ここでは「①電気的な安全性」「②部品の品質」「③機械的な設計と使いやすさ」の3つの柱に分けて、徹底的に分析します。
① 電気的な安全性(絶対に譲れない品質)
まず最も重要なのが、電気製品としての安全性です。特にリチウムイオン電池を内蔵したハンディファンは、過去に発火事故なども報告されており、安全性の確認は必須です 。
ここで消費者が確認すべき最も重要なマークが**「PSEマーク」**です 。これは日本の電気用品安全法が定める厳しい基準をクリアした製品にのみ表示が許可されるもので、感電や火災の危険性がないことを国が証明するものです。
ヒロ・コーポレーションが日本国内で正規に販売している製品には、このPSEマークが表示されています。これは、彼らが法律を遵守し、製品の安全性を確保するための最低限の義務を果たしていることを意味します。
ただし、PSEマークはあくまで安全性の「最低ライン」を保証するものです。製品の性能や耐久性、使い心地といった「快適性」に関する品質を保証するものではない、という点は覚えておく必要があります。
② 部品の品質(価格とのトレードオフ)
製品の性能や耐久性を左右するのが、使われている部品の品質です。ヒロ・コーポレーションの製品は、ここに価格との明確なトレードオフが見られます。
- リチウムイオンバッテリー: 製品によってバッテリー容量は様々で、小型の「ナノハンディファン」では500mAh 、標準モデルでは1200mAh 、大容量モデルでは2600mAh となっています。mAh(ミリアンペアアワー)は電池の容量を示す単位で、数値が大きいほど長時間使えます。 しかし、注意すべきはペルチェ素子のような電力消費の激しい機能です。レビューによれば、冷却プレートを使うとバッテリーの消耗が激しく、2~3時間しかもたないという声もあります 。これは、大容量バッテリーを搭載しても、それ以上にエネルギーを消費する機能を動かしているためです。強力な機能とバッテリー持続時間は、常にトレードオフの関係にあるのです。
- モーター: ユーザーレビューで最も多く指摘されているのが、モーターの動作音です。「ブオー!って感じで結構うるさい」、「弱モードでもやや音が気になります」 といった声が多数見られます。ある検証記事では、弱モードでも57.6dB、強モードでは76.8dBという騒音レベルが記録されており、これは他社製品の平均(40~50dB台)と比較しても大きい数値です 。 これは典型的なエンジニアリングのトレードオフです。**「小型・高出力・低価格」なモーターを求めると、「静音性」**はどうしても犠牲になりがちです。ヒロ・コーポレーションは、強力な風を生み出すことを優先し、コストを抑えるために、静音性の高い高価なモーターの採用を見送ったと考えられます。一部の製品ページには「静音モーター採用」との記載もありますが 、多くのユーザー体験とは乖離があるのが実情のようです。
③ 機械的な設計と使いやすさ
製品の筐体には、この種の製品で標準的なABS樹脂が使われており、材質自体に問題はありません 。
卓上スタンドやクリップ、角度調整機能など、ユーザーの利便性を考えた設計も随所に見られます 。しかし、ハイエンドモデルの卓上スタンドに角度調整機能がなく、風を当てたい場所に向けにくい といった、細部の詰めの甘さを指摘する声もあり、全体的な洗練度という点では、まだ改善の余地があると言えるでしょう。
このメーカーの製品は買っても大丈夫?評判は?

ここまでの分析を踏まえ、実際のユーザーからの評判をまとめてみましょう。
良い口コミ:価格以上の「驚き」
- 冷却プレートの効果は本物: 「冷却部は外でも十分冷たく感じた」、「肌に近づけるとしっかり冷たさを感じられます」 など、ペルチェ素子による冷却機能の効果を高く評価する声が多数あります。風だけでなく、直接的な冷たさが得られる点は、大きな魅力となっているようです。
- パワフルな風量: 「結構風が強いし冷却も気持ちいい」 という口コミの通り、風の強さには定評があります。ある検証では最大風速9.2m/sを記録しており、ダイレクトな風を求めるユーザーの期待に応えています 。
- 優れた機能性とコストパフォーマンス: 100段階の風量調節やバッテリー残量表示といった、通常は高級機に搭載されるような機能が、手頃な価格で手に入る点を評価する声が多く見られます 。この圧倒的なコストパフォーマンスが、ヒロ・コーポレーション製品の最大の強みです。
悪い口コミ:価格相応の「妥協点」
- 最大の弱点はモーター音: これが最も多く、そして深刻な不満点です。「音がうるさく、周りに迷惑を掛けない位の音に調整すると扇子で仰いだ方が断然風量があります」 という辛辣な意見もあるほどです。静かなオフィスや電車内での使用は、かなり厳しいと言わざるを得ません 。
- バッテリーの消耗が激しい: 特に冷却プレート使用時のバッテリー消費は大きな課題です。「一日中使いっぱなしは難しい」、「ペルチェ機能を使うと微風でも2~3時間程度しかもたない」 といった声があり、長時間の外出時にはモバイルバッテリーが必須となりそうです。
- 細部の設計と品質管理: 前述のスタンドの角度問題 に加え、購入時にバッテリー残量が0%の個体と81%の個体があった という報告もあり、品質管理に若干のばらつきがある可能性も示唆されています。また、製品の注意書きに「異常に熱い」「焦げくさい臭いがする」といった場合の対処法が記載されていること を不安に感じるユーザーもいるかもしれません。
まとめ

それでは、今回の徹底調査のまとめです。
- 企業の正体: ハンディファンを販売するヒロ・コーポレーションは、福岡に本社を置く日本のファブレス企業です。製品の企画・設計を日本で行い、市場のトレンドを素早く製品に反映させることを得意としています。
- 生産国: 製造は中国の提携工場で行われており、これは業界標準の形態です。
- 製品の特徴: ペルチェ冷却など先進的な機能を、驚くほどの低価格で提供しています。その一方で、価格を実現するためのトレードオフとして、モーターの動作音が大きい、高機能使用時のバッテリー消費が激しいといった明確な弱点も抱えています。
- 品質の結論: 電気用品安全法に準拠したPSEマークを取得しており、電気的な安全性は確保されています。しかし、性能面ではコストの制約から、静音性やバッテリー効率といった部分で妥協が見られます。
最後に、僕からのアドバイスです。
もしあなたが、「夏のイベントで、とにかく一瞬でもいいからキンキンに冷たい感覚を味わいたい!」「最新のガジェットを安く試してみたい!」という**『機能』を最優先するタイプ**なら、ヒロ・コーポレーションの製品、特にペルチェ素子搭載モデルは、価格以上の満足感を与えてくれるでしょう。
しかし、もしあなたが「静かな職場で、一日中そよ風に当たりたい」「道具には、長く使える信頼性と上質な使い心地を求める」という**『快適性』や『信頼性』を重視するタイプ**なら、もう少し予算を上げて、静音モーターや省エネ設計に定評のある他社ブランドの製品を選ぶ方が、結果的に幸せになれるはずです。
ヒロ・コーポレーションは、**「機能か、質感か」**という、製品選びにおける永遠のテーマを私たちに突きつけてくれる、非常に興味深いメーカーです。この記事が、あなたのハンディファン選びの確かな一助となれば幸いです。

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