「プログラミング教育は意味ない」は本当?無駄と言われる5つの理由と得られる本当の価値

「2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されたけど、正直、何がいいのかよくわからない」 「周りのママ友はプログラミング教室に通わせ始めたみたいだけど、うちの子にも本当に意味があるのかな?」

こんにちは。現役でエンジニアとして働きながら、8歳と3歳の二人の息子を育てる父親です。技術の最前線で「コンピュータにどうやって意図通りに動いてもらうか」を日々考える傍ら、家庭では「この子たちが予測困難なこれからの社会をどう生き抜いていくか」を真剣に考えています 。  

最近、保護者の方々とお話しする中で、こうしたプログラミング教育に対する戸惑いや不安の声をよく耳にします。ネットを見れば「これからの必須スキルだ」と煽る声もあれば、「やっても意味ない、無駄だ」と切り捨てる意見もあって、混乱してしまうのも無理はありません 。  

この記事では、そんな親御さんたちの不安に、現役エンジニアであり、皆さんと同じように子育てに奮闘する一人の父親としての両方の視点から、正直にお答えしたいと思います。

単なるメリット・デメリットの羅列ではありません。「プログラミング教育は意味ない」と言われる理由を一つひとつ丁寧に解きほぐし、その背景にある誤解を明らかにした上で、子どもたちが本当に得られる「キーボードの先にある、本当の価値」について、具体的にお伝えしていきます。

この記事を書いた人
  • 現役エンジニア
  • スクラッチ歴4年
  • 二児パパ
ろぼてく
目次

第1章:「プログラミング教育は意味ない」親が抱える5つの不安とその真相

「意味ない」「無駄だ」という言葉の裏には、保護者の皆さんの切実な不安が隠れています。まずは、その代表的な5つの不安と、その真相について一緒に見ていきましょう。

不安①:「将来エンジニアにならないなら不要?」

多くの親御さんが抱く最大の疑問は、「うちの子は医者になりたいと言っているし、絵を描くのが好き。エンジニアになるわけでもないのに、プログラミングなんて必要なの?」というものでしょう。これは、プログラミングを特定の職業に就くための「専門スキル」だと捉えているからこそ生まれる、もっともな不安です 。  

エンジニア兼父親の視点 これは、プログラミング教育における最も大きな誤解かもしれません。例えるなら、「将来音楽家にならないから、音楽の授業は意味がない」と言っているようなものです。小学校のプログラミング教育の目的は、プロのプログラマーを養成することではありません。

この誤解は、大人がプログラミングを学ぶ動機と、子どもが学ぶ目的の違いから生じています。大人の多くは、「エンジニアに転職したい」「副業で稼ぎたい」といった明確な職業的ゴールを持って学習を始めます 。そのため、時間やお金を投資した分、直接的なキャリアアップという「リターン」を期待します。  

しかし、文部科学省が示す小学校教育の目的は、全く異なります。その目的は、特定の職業技術の習得ではなく、後ほど詳しく解説する「プログラミング的思考」という、あらゆる場面で役立つ「物事を論理的に考える力」を育むことにあるのです 。つまり、「エンジニアにならないから不要」という意見は、そもそも教育の目的設定を誤って捉えていることから生じるものなのです。  

不安②:「費用が高い割に効果が見えにくい」

「プログラミング教室って、月謝が他の習い事より高い気がする…」 。この金銭的な負担は、家計を預かる親にとって大きな悩みです。数十万円かかるスクールも珍しくなく 、高いお金を払ったのに子どもが途中で飽きてしまったら、それこそ「無駄金だった」と感じてしまうでしょう 。テストの点数のように、成果が目に見えにくいのも不安を煽る一因です 。  

エンジニア兼父親の視点 このお気持ち、痛いほどわかります。我が家でも、子どもの習い事にかかる費用は毎月の重要課題です。しかし、「プログラミング教育=高額な費用がかかる」という考えは、一度見直してみる価値があります。

実は、この「高コスト」問題は、教育の必修化によって生まれた市場の過熱と、親の「ちゃんとした教育を受けさせなければ」というプレッシャーが作り出している側面があります 。質の低いスクールを選んでしまえば、お金を無駄にするリスクも確かに存在します 。  

しかし、プログラミング教育の核心部分は、必ずしも高価な教室に通わなければ学べないわけではありません。例えば、我が家の子どもたちは、自宅のパソコンに入っている無料のツールからプログラミングに触れ始めました。大切なのは、いきなり高額な投資をするのではなく、まずは家庭で、遊びの延長として低コスト・低リスクで始めてみること。問題は教育そのものではなく、どの「学びの道筋」を選ぶかにあるのです。

不安③:「AIがコードを書く時代に、今さら人間が学ぶ意味はある?」

「最近のAIは、頼めば勝手にプログラムを書いてくれるって聞くけど…」。生成AIの急速な進化は、親世代に新たな疑問を投げかけています。これから自動化されるかもしれないスキルを、今から子どもに学ばせる意味はあるのでしょうか 。これは、技術の未来を見据えた、非常に鋭い問いです。  

エンジニア兼父親の視点 この問いは、私のような現役エンジニアが日々向き合っているテーマでもあります。そして、その答えは直感とは逆かもしれません。「AIがコードを書く時代だからこそ、プログラミングの『原理』を理解する重要性は、むしろ高まっている」のです。

この不安は、AIを「完璧な魔法使い」のように捉えることから生じています。しかし、実際のAIは、的確な指示を与えなければ期待通りには動かない「非常に高性能な道具」です。そして、AIが生み出したものが本当に正しいのかを判断し、修正するには、人間の深い理解が不可欠です 。  

これからのエンジニアの仕事は、単純なコードを書く作業(これはAIが担うでしょう)から、より高度な役割へとシフトしていきます。それは、

  • 複雑な問題を、AIが理解できる形に分解して指示を出すこと
  • AIの出した答えを、論理的に検証し、評価すること
  • そもそも「なぜこの方法で解決するのか」という根本的な問いを立てること です 。  

お気づきでしょうか。これらはまさに、プログラミング教育が育てようとしている「考える力」そのものです。子どもにプログラミングを教えることは、AIに仕事を奪われる人材を育てることではありません。AIという強力な道具を、意のままに「使いこなす側」の人材を育てることなのです。

不安④:「勉強漬けで、外で遊ぶ時間がなくなるのでは?」

「ただでさえ宿題や他の習い事で忙しいのに、これ以上やらせたら、子どもがパンクしてしまうのでは?」。パソコンの前に座る時間が増えることによる視力低下や運動不足への懸念は、多くの親御さんが共有する悩みです 。貴重な子ども時代、外で元気に走り回る時間が奪われてしまうのは避けたいですよね 。  

エンジニア兼父親の視点 これは、プログラミングに限らず、現代の子育てにおける共通の課題ですね。我が家でも、スクリーンタイムを巡る攻防は日常茶飯事です。

しかし、この問題をプログラミング教育だけのせいにするのは、少し違うかもしれません。問題の本質は、「プログラミング」という活動内容にあるのではなく、「無制限なスクリーンタイム」という状況にあります。これは、ゲームでも動画視聴でも同じことです 。  

大切なのは、家庭ごとのルールを決め、バランスを取ることです 。そして、プログラミングは、動画をただ受け身で見るのとは違い、頭を使って何かを創り出す「創造的な活動」です。うまく導けば、それは「無駄な時間」ではなく、「質の高い画面時間」になり得ます。親子で一緒に一つの作品作りに挑戦すれば、最高のコミュニケーションの時間にもなるでしょう 。  

不安⑤:「どうせ難しくて挫折するだけでしょ?」

プログラミングと聞くと、「黒い画面に謎の英語がズラリ…」といった難しいイメージがありませんか?実際、大人が独学で挑戦して、複雑な環境構築や意味不明なエラーの連続に心を折られ、挫折してしまうケースは後を絶ちません 。この経験から、「子どもにやらせても、どうせ難しくて嫌いになるだけだ」と心配になるのも当然です。  

エンジニア兼父親の視点 もし、8歳の子どもにプロ向けのWebサイト開発を教えようとしたら、100%挫折するでしょう。ですが、安心してください。小学校のプログラミング教育は、そんな「スパルタ合宿」ではありません。それは「思考の遊び場」です。

大人が感じる「難しさ」の多くは、プログラミング言語の厳密な文法(タイピングミス一つで動かない)や、開発環境の複雑な設定に起因します 。しかし、現在の子ども向け教育で主流となっているのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発した「Scratch(スクラッチ)」のような、ビジュアルプログラミング言語です 。  

これは、命令が書かれたブロックを、レゴブロックのようにマウスで組み合わせるだけでプログラムが作れるツールです 。難しい文法を覚える必要も、エラーで動かなくなるストレスもほとんどありません。子どもたちは、試行錯誤しながらキャラクターを動かしたり、簡単なゲームを作ったりする中で、遊びながらプログラミングの根本的な考え方に触れていくのです。大人の「苦行」とは全く異なる、発見と創造に満ちた体験がそこにはあります。  

第2章:文部科学省も重視する「プログラミング的思考」とは?得られる本当の価値

さて、ここまで「意味ない」と言われる理由の裏にある不安や誤解を解きほぐしてきました。ここからは、プログラミング教育が子どもたちにもたらす「本当の価値」について、深く掘り下げていきましょう。そのキーワードが、文部科学省も繰り返し強調する「プログラミング的思考」です 。  

文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引」によると、プログラミング的思考は次のように定義されています。

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力  

…と言われても、少し難しいですよね。

エンジニア兼父親の翻訳 大丈夫です。これは、私たちが普段の生活で、実は当たり前のようにやっていることなのです。例えば、夕食に「カレーライスを作る」というタスクを、この「プログラミング的思考」を使って一緒に考えてみましょう。この思考法は、大きく4つの「スーパーパワー」に分解できます。

スーパーパワー①:分解する力(大きな問題を、小さなピースに分ける)

カレーライスを作る時、いきなり完成形を思い浮かべるだけでなく、「まず何をすべきか?」と考えますよね。

  1. 野菜(玉ねぎ、人参、じゃがいも)を切る
  2. お肉を炒める
  3. 水を入れて煮込む
  4. カレールーを入れる
  5. (同時進行で)ご飯を炊く

このように、一つの大きな目標(カレーを作る)を、実行可能な小さなタスクの集まりに分けること。これが「分解」の力です 。  

プログラミングの世界では ゲームを作る時も同じです。「キャラクターが動く」「ジャンプする」「敵が出てくる」「スコアが表示される」といった小さな機能に分解して、一つひとつ作っていきます。

子どもが得る価値 この力が身につくと、夏休みの自由研究や、難しそうな算数の文章問題といった、一見すると「どこから手をつけていいかわからない」大きな課題に直面した時も、パニックにならずに「まず、これをやってみよう」と小さな一歩を踏み出せるようになります。

スーパーパワー②:パターンを見つける力(同じことを見つけて、まとめる)

カレー作りの手順をよく見ると、「玉ねぎを切る」「人参を切る」「じゃがいもを切る」は、すべて「野菜を切る」という同じ種類の作業だとわかります。そこで、「先に野菜を全部切ってしまおう」と、まな板の上でまとめて作業しますよね。これが「パターン認識(抽象化)」の力です 。  

プログラミングの世界では キャラクターを10歩前に歩かせたい時、「1歩進む」という命令を10回書くのは非効率です。プログラミングでは、「『1歩進む』を10回繰り返す」という一つの命令(ループ)にまとめることができます。

子どもが得る価値 物事の裏にある共通のルールや構造を見抜く力が養われます。これは、算数で公式を見つけたり、国語で文章の構成を理解したり、効率的に物事を進めるための非常に重要なスキルです。

スーパーパワー③:手順を組み立てる力(正しい順番に並べる)

カレー作りでは、手順の順番がとても重要です。野菜を「炒める」前に「切る」必要があります。また、カレーを煮込んでいる「間に」ご飯を炊き始めれば、同時に出来上がって効率的です(並列処理) 。この、タスクを正しい順序で、効率的に並べるのが「アルゴリズム思考」の力です。  

プログラミングの世界では コンピュータは、書かれた命令を上から順番に、忠実に実行します。もし、壁にぶつかったかどうかをチェックする命令を、キャラクターが壁を通り過ぎた「後」に書いてしまったら、プログラムは意図通りに動きません。命令の順序が、結果のすべてを決めます 。  

子どもが得る価値 物事の因果関係を理解し、計画的に行動する力が身につきます。忘れ物をしないように準備の手順を考えたり、友達と遊ぶ計画を立てたりと、日常生活のあらゆる場面でこの力は活きてきます 。  

スーパーパワー④:試行錯誤する力(間違いを見つけて、あきらめずに直す)

カレーの味見をしたら、なんだか味が薄い。なぜだろう?「塩が足りないのかな?」「煮込み時間が短かったかな?」と原因を推測し、少し塩を足してみて、また味見をする。この、間違い(バグ)の原因を探し、修正し、検証するプロセスを「デバッグ」と呼びます 。  

プログラミングの世界では 「ジャンプボタンを押したのに、キャラクターが動かない!」。これはプログラミングでは日常茶飯事です。子どもたちは、自分の組んだブロックのどこが間違っているのかを粘り強く探し、「あ、上に行く命令じゃなくて、下に行く命令を入れていた!」と発見し、修正して、また試します。この繰り返しこそが、プログラミング学習の核心です 。  

子どもが得る価値 これが最も重要な力かもしれません。失敗を「終わり」ではなく、「学びの機会」と捉える力が育ちます。すぐに諦めない粘り強さ、問題解決への意欲、そして「やればできる」という自己肯定感。これらは、これからの長い人生を歩む上で、何よりの財産となるでしょう 。  

このように、「プログラミング的思考」とは、決して特別なものではなく、論理的でしなやかな問題解決能力そのものなのです。

第3章:AI時代を生き抜くために。プログラミング教育が拓く子どもの未来

「なるほど、プログラミング的思考が大事なのはわかった。でも、その『思考』だって、人間より速くできるAIには敵わないのでは?」

第1章で触れたAIへの不安に、もう一度立ち返ってみましょう。プログラミング教育で得られる「考える力」は、AI時代において本当に通用するのでしょうか。

エンジニアの視点から 答えは、明確に「イエス」です。むしろ、AI時代にこそ、その価値は飛躍的に高まります。

AIは、膨大なデータから答えを導き出す「超高性能な計算機」ですが、それ自身が「何をすべきか」という目的(意志)を持つわけではありません。AIが素晴らしいアウトプットを出すためには、人間が「何を」「なぜ」「どのように」解決したいのかを、的確に指示してあげる必要があります。

AIを使いこなす未来のプロフェッショナルに求められるのは、まさにプログラミング的思考の4つのスーパーパワーです。

  1. 分解する力: 漠然とした「売上を上げたい」というビジネス課題を、「どの顧客層に、どんな商品を、どうアピールするべきか、データを分析して」というAIが理解できる具体的な問いに分解する。
  2. パターンを見つける力: AIが出した膨大なデータの中から、意味のある傾向やパターンを見つけ出し、次の戦略に繋げる。
  3. 手順を組み立てる力: 複数のAIツールを連携させ、データ分析→レポート作成→プレゼン資料生成といった一連のワークフローを設計する。
  4. 試行錯誤する力: AIの出した答えが、なぜか現実とそぐわない時に、指示の出し方(プロンプト)やデータの与え方が悪かったのではないかと仮説を立て、粘り強く検証・修正する。

つまり、プログラミング教育とは、AIに命令を下し、その性能を最大限に引き出すための「対話術」を学ぶようなものなのです 。  

未来は、「コードが書ける人」と「書けない人」に分かれるのではありません。「テクノロジーを意のままに使いこなす側」と、「テクノロジーにただ使われる側」に分かれるのです。プログラミング教育は、子どもたちが未来の運転席に座るための、いわば「運転免許」を与えてくれるもの。それは、どんな職業に就くにせよ、彼らの可能性を無限に広げる力となるでしょう 。  

第4章:二児の父として実践。家庭でできるサポートと親の心構え

ここまで理論的な話が続きましたが、最後に「じゃあ、家庭で具体的に何をすればいいの?」という疑問にお答えします。我が家での実践例も交えながら、親としてできるサポートと心構えをお伝えします 。  

1. 楽しむことが第一歩

何よりも大切なのは、子どもが「楽しい!」と感じることです。無理強いは逆効果。お子さんの「好き」と結びつけてあげましょう 。  

  • ゲーム好きなら: Scratchで簡単なゲーム作りから。「自分の考えたゲームが作れる!」という体験は、最高のモチベーションになります。
  • ものづくり好きなら: LEGOブロックと組み合わせられるロボット教材もおすすめです。自分が作ったロボットが、プログラム通りに動く感動は格別です 。  

我が家の場合 長男は「マインクラフト」が大好きなので、ゲーム内でプログラミングができるモードを使って、「自動で家を建てるプログラム」に挑戦したことがあります。彼にとっては、それは「勉強」ではなく、大好きなマイクラの新しい「遊び方」でした 。  

2. 親は「先生」ではなく「仲間」

これが、親の心構えとして最も重要かもしれません。あなたは、プログラミングの専門家である必要は全くありません。

子どもの隣に座って、「へぇ、そうやるんだ!」「あれ、動かないね。なんでだろう?パパもわからないや。一緒に考えてみようか」と言ってあげるだけでいいのです 。親が完璧な先生であろうとするより、一緒に学ぶ仲間になること。親自身が間違いを笑い飛ばす姿を見せることで、子どもは失敗を恐れない、しなやかな心を育てていきます 。  

3. お金をかけずに始める方法

まずは、無料で使える素晴らしい教材から始めてみましょう。

  • Scratch(スクラッチ): MITメディアラボが開発した、子ども向けプログラミングの決定版。ブラウザ上で使え、インストールも不要です。世界中の子どもたちの作品を見て、真似をするところから始められます 。  
  • Viscuit(ビスケット): もっと小さなお子さん向け。自分で描いた絵を、簡単な操作で動かすことができます。直感的で、お絵描きの延長で楽しめます 。  

学校の授業でもこれらのツールが使われることが多いので、家庭で慣れておくと、授業で自信を持って取り組めるようになります 。  

4. デジタル時代の子育てルール

スクリーンタイムの心配については、ルール作りで乗り越えましょう。

  • 時間を区切る: 「プログラミングやお絵描きのような『作る時間』は1時間まで」「ゲームや動画の『見る時間』は30分まで」など、活動内容によって時間を決めるのがおすすめです 。  
  • 環境を整える: 部屋を明るくする、正しい姿勢を保つ、時々遠くを見て目を休ませる(20-20-20ルール)など、身体への負担を減らす工夫をしましょう 。  
  • バランスを大切に: プログラミングをする日も、必ず外で体を動かす時間を確保するなど、1日の活動のバランスを意識することが大切です。テクノロジーとの上手な付き合い方を学ぶ、良い機会と捉えましょう 。  

【早わかり表】「プログラミング教育」のよくある誤解と本当の価値

忙しい親御さんのために、これまでの内容を一枚の表にまとめました。

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よくある不安・誤解本当の価値・考え方
1. エンジニアにならないなら不要目的は職業訓練ではない。 日常の問題解決に役立つ「論理的思考力」を育むための教育。
2. 費用対効果が悪い高価なスクールは必須ではない。 Scratchなど無料の教材で、家庭で遊びながら始められる。
3. AIが代替するから無意味AIを「使う側」の思考法を学ぶ。 AIに的確な指示を出し、結果を判断する力が身につく。
4. 外で遊ぶ時間がなくなる「質の高い画面時間」と捉える。 ルールを決めてバランスを取れば、創造的な活動になる。
5. 難しくて挫折する子ども向けは「遊び」が基本。 ブロックを組み合わせるような、失敗しにくい教材で楽しく学べる。

まとめ:プログラミング教育は「コーディング」の学習ではなく、「未来を生きる力」への投資

プログラミング教育を巡る議論は、しばしば「コーディング」という表面的なスキルに焦点が当たりがちです。しかし、その本質は、もっと深く、普遍的なところにあります。

それは、物事を論理的に分解し、組み立て、間違いを恐れずに粘り強く解決していく力。 それは、テクノロジーを恐れるのではなく、自らの目的のために使いこなす力。 それは、予測不能な未来に直面したとき、自分自身の頭で考えて道を切り拓いていく力。

私たちの目的は、日本中の子どもたちをプログラマーにすることではありません。論理的で、創造的で、そして何よりたくましい問題解決者を育てることです 。  

親として、子どもたちが将来どんな世界で生き、どんな仕事に就くのかを正確に予測することはできません。しかし、どんな世界であっても、彼らが自分の力で考え、学び、道を創り出していけるように、そのための「考える道具」を授けることはできます。

私にとって、プログラミング教育とは、そのための最もパワフルで、かけがえのない「未来への投資」なのです。

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この記事を書いた人

現役エンジニア 歴12年。
仕事でプログラミングをやっています。
長女がスクラッチ(学習用プログラミング)にハマったのをきっかけに、スクラッチを一緒に学習開始。
このサイトではスクラッチ/プログラミング学習、エンジニアの生態、エンジニアによる生活改善について全力で解説していきます!

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