この本で解決できること
部下への仕事の任せ方、自走させる方法がわかります!
この本を読むべき人
・部下が自走してくれないと悩んでいる人
・プレイングマネージャーで忙殺されている人
これからリーダーになる人、すでにリーダーとして部下育成に困っている人どちらにもおススメです。
この本のおススメ度
項目 | 評価 |
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総合評価 | |
理解しやすさ | |
読みやすさ | |
実行しやすさ |
抽象的な概念だけでなく、具体的なアクションも書いてあり、実践してみようと思える良書です。
この本の基本情報
基本情報
著者 | 伊庭 正康 |
ジャンル | マネジメント |
ページ数 | 286p |
価格 | 1500円 |
発売日 | 2019年2月12日 |
この本の対象者
【対象者】時間がない、部下が育っていないリーダー
具体的には以下のような人です。
- 部下が自走してくれないと嘆いている方
- 部下への接し方、仕事の任せ方が分からない方
- チームでの成果が上がらないと悩んでいる方
最近は特にパワハラ等々、部下への接し方のNGポイントが増え、どしたらよいか困っている方も多いのでは?と思います。
著者はどんな人?
著者の「伊庭 正康」さんは、リクルートグループで活躍され、リーダーとしても大きな成果を残された方です。その後は企業研修を提供する(株)らしさラボを設立し、リーダー向けの研修も行っている、まさにリーダーのプロです。
ただ、伊庭さんは、もともと人見知り、かつ、リーダーを会社に入るまでまったく経験したことがない、むしろ避けてきたような方でした。
そこから上手くいっているリーダーをとにかく観察&それをノウハウ化&実行することで実績を出してきた方です。
もともとできなかった方がまとめ上げたノウハウなので、まさに誰でも実践できる方法になっています!
最初はできなかった、しかし、ノウハウ化で成功 はビジネス本でも定番パターンですね!
それだけに非常にわかりやすいです!
本書のポイントまとめ
わたしが、特に共感した本書の重要ポイントは以下のとおりです。
- 最重要ポイント: 部下には仕事をとにかく任せる!
- 重要ポイント1: 気にかけることは、部下の失敗ではなく、部下の成長。
- 重要ポイント2: 「相手軸」で考えさせる。
- 重要ポイント3: セオリーを学び、セオリーで判断を早める。
では、各ポイントに関して詳細を説明していきます。
最重要ポイント:部下には仕事をとにかく任せる!
「部下には仕事をとにかく任せる」
上場企業の課長クラスの実態調査として、約6割のリーダーが、3年前と比べてやることが増えていると回答しているそうです。
実際わたしもそう感じます。
人員削減、コンプライアンス遵守、若手のメンタルケア、部下たちの残業規制 等々、、、これまでの通常業務に加えて新しい業務がドンドン追加されてきています。それに加えて、自身の残業規制。
とてもではないですが、部下の教育まで手が回らないという方が多いのではないでしょうか?
その解決策が
「部下に仕事を任せる」
これしかないのです。自分だけでは限界なのは明白です。
部下に仕事を任せることで、その部下自身が育ち、さらに自身から仕事が手離れしていく。
最高のスパイラルですね。
そもそもの課題:部下に仕事が任せられない
部下に仕事を任せるメリットを述べてきましたが、皆さんが思っているのは下のようなことではないでしょうか?
「そんなことはわかっている!その任せ方がわからないんだ」
「仕事を任せられるほどの部下がいない・・・」
これ多くの方が感じていることではないでしょうか?
そこで本書では任せるときには、以下をポイントにするとよいと書かれています。
- 「厳しく」伝えるのではなく、「丁寧に」伝える。
- その仕事の「5W1H」を伝える。
- 「任せる」と「放任」の違いを認識する。
- 新人には「ティーチング」から始める。
「任せる」と「放任」の違い
本書では、「任せる」と「放任」の違いについては、以下のように書いております。
任せる上司は、この瞬間、部下がやっている作業を「具体的」に答えられるが、
放任する上司は、「曖昧」にしか答えられない。
任せる上司は、部下が感じる”不便・不安・不満”を「事実」で答えられるが、
放任する上司は、「憶測」でしか答えられない。
すなわち、仕事を任せた後に、綿密にコミュニケーションが取れているかがポイントになると考えます。
私見:やはり任せるのはある程度時間がかかる!
この本を読んで、任せることの重要性は十分にわかりますが、任せても結局仕事が終わるまでの時間はかかってしまい、これであれば自分でやった方が速いのではないかと思う人もいると思います。
私もそう思いました。
これに関しては、
短期的には、時間はかかる、その通りだと思います。しかし、長期的には確実にプラスになるはずです。
なので、仕事を任せるのは長期的な投資と考えて取り組む必要があると考えます。
そんな長期的な投資まで行う余裕がないという職場であれば、むしろその短期的な忙しさをなくしたり、もう少し業務にゆとりを持たせるような取り組みのほうが先に必要になっている状況なのだと思います。
重要ポイント1 気にかけることは、部下の失敗ではなく、部下の成長。
仕事を任せてみたはいいですが、任せた仕事のすべてが気になってしまい、「マイクロマネジメント」に走ってしまう上司もします。これは責任感の強い上司が陥りがちな罠です。
これではせっかく仕事を任せても、自分の時間は増えないし、何より部下のやる気が極端に減ってしまいます。
重要なことは、
「目先の責任」ではなく、
将来的な「部下の成長」に向けてみることです。
ここでも先ほどの投資的な目線が必要になってくるのですね。
重要なポイントは、「自己決定感」を如何に持たせるかです。
「自己決定感」とは、「自分がそれを決めた」という感覚です。
この自己決定感が高いと人は、例え失敗したとしても、次の挑戦の糧にすることができます。
例
重要ポイント2 「相手軸」で考えさせる
何かと責任感のない若手が多いということもないでしょうか?
未達成やミスを犯した理由を聞いたときに、このような言葉が返ってくる若手です。
「まだ教わっていないので、、、」
「〇〇さんの言われた通りにやった結果です。」
まるで私に被は一切ありませんという口ぶりですね。
仕事を任せた責任は上司にありますが、できなかった理由まで他責にしようとするのは、明らかに社会人としての欠如が見られます。
解決策1 これも1つのダイバーシティ(多様性)と考える
育ってきた環境が違うと捉え、ダイバーシティ(多様性)の1つとして捉えて対処することが解決策になります。
例えば、国が違う人いっしょに仕事をする場合では想像しやすいですが、もちろん常識というものが通用しません。こういった場合は、ルールをしっかりと決めて、そのルールを丁寧に教えるところからやっていくしかありません。
解決策2 「相手軸」考えさせる。
しかしあれもこれもをいちいちルール化して教えることは、上司の時間も足りませんし、新人も混乱します。
そこで教えておくべきたった1つのことがあります。
それが「すべてのことを相手軸で考えているか」ということを常に考えて行動すること です。
ケジメは「基準を示すこと」「フィードバックをすること」によって育まれます。
重要ポイント3 セオリーを学び、セオリーで判断を早める
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言があります。もちろん自身が体感した経験は何もにも代えがたい財産ですが、これまでの先人たちがつみあげてきた歴史=セオリーは学術的にも証明されたものであります。
学んでおくべきビジネスセオリー
本書では、リーダーになったからには、基本的なビジネス理論はぜひ学ぶように書かれています。本書で書いてある最初に覚えておきたいビジネス理論は次のものになります。
- 事業戦略、マーケティングのセオリー
- SWOT分析
- 成長戦略
- 競争戦略
- マーケティングミックス
- マネジメントのセオリー
- バランスト・スコアカード
- ヒューマンリソースマネジメント
- コーチングのGROWモデル
- 財務の基本セオリー
- PL
これらを体得しておくことで、判断にブレがなくなり、速い判断ができるようになります。また、セオリーはいつでもだれでも学ぶことができます。そのため、その業務の経験が浅いにも関わらずリーダーとなってしまった人にも大きく役立つ武器になります。
本に答えを求めよ!
風邪をひいたら薬を飲むように、仕事で悩んだら、本を読むことが本書では推奨されています。
1人で悩むより、はるかにたくさんのヒントが本から得られるからです。
実際、私も本書から部下のマネジメント方法の多くを学びました。
本棚は薬箱のようなもので、その時の症状(課題や気分)に合わせて、読む本を薬のように取り出せる環境を作っておくことが大切です。
そのために私は読んだ本の良かった点、ポイントをブログにまとめて、いつでも思い返せるようにしています。
皆さんの役にも立つようにしたいです。
この本で、あなたのチームを自走するチームに変えましょう!
この本のポイントをおさらいします。
- 最重要ポイント: 部下には仕事をとにかく任せる!
- 重要ポイント1: 気にかけることは、部下の失敗ではなく、部下の成長。
- 重要ポイント2: 「相手軸」で考えさせる。
- 重要ポイント3: セオリーを学び、セオリーで判断を早める。
時間がなくて、リーダーとしてのふるまいに自信がない人に本当におススメの本です。
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